【第2話】『息子の奇跡の軌跡』〜不安よりも信頼を胸に、小さな命と歩んだ日々〜

最初の大きな試練だったグレーン手術を無事に終えて、少しホッとしたのも束の間。2007年9月、我が家にとって、そして私の人生にとって、ものすごく大きな転換期が訪れました。

当時の私は、医療の知識なんてこれっぽっちもない、ただの一人の母親でした。
毎日毎日、息子が飲むお薬の袋を見つめたり、詳しい病状の話を聞いたりするたびに、「私、この子の母親なのに、何も分かってない…」って、ふとものすごい悲しさと焦りに襲われるようになったんです。

「何も知らないままでいいわけがない。少しでも医療のことを勉強して、この子の力になりたい!」

その一心に突き動かされるようにして、私は思い切って、医療の世界でお仕事をすることを決意しました。
その強い想いが通じたのか、ありがたいことに近くの病院への採用が決まり、先生や看護師さんたちを間近でサポートするお仕事を始めることになったんです。

右も左も分からない世界への挑戦で、毎日必死でしたが、そこには言葉では言い表せないほどの、本当に奇跡のような出会いが待っていました。

世の中に偶然なんてなくて、すべては出会うべくして出会う「必然」なんだなと、私は今でも本気で思っています。

新しく働き始めたその職場で、なんと、かつて息子が命を預け、今もお世話になっているあのこども病院で、昔「心臓血管外科医」をされていたという先生と、一緒に働くことになったんです…!

複雑な心臓の病気を持つ我が子の、主治医の先生と同じ専門知識を持った人が、すぐ隣にいてくれる。それが、どれほど私の張り詰めていた心を優しく包み込んでくれたことでしょうか。
日々のちょっとした不安や、これからの治療の先行きのことなど、専門的な視点からいつでも気軽に相談できる存在ができたことで、「よし、大丈夫。私は1人じゃない」って、ものすごい安心感に包まれながら、前を向いて息子を育てていくことができるようになりました。

この必然の出会いは、私に医療の知識だけでなく、お母さんとして歩み続けるための、計り知れない勇気をくれたのです。

(第3話へつづく)

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