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常に走り続ける社会の、その反動


(約1300字)


急に、仕事ができなくなった時期がありました。
体が動かず、思考がうまくまとまらない。周りに迷惑をかけてしまうことが怖くて、焦る気持ちばかりが募る。結局、1年間、仕事を休むことになりました。

そのときからずっと考えています。
「人は、常に成長し続けないといけないのだろうか?」

社会では「頑張る」がデフォルトになっています。停滞したら=後退、と感じてしまう空気がある。SNSでも「成長」「アップデート」「前進」という言葉を目にしない日はないくらいです。
でも、あの休職の時間を経験してみると、それが本当に人間にとって自然な生き方なのか、疑問を感じるようになりました。


いつから「成長」が必須になったのか?

昔の人々は、もっとゆるやかに生きていました。
たとえば18〜19世紀の産業革命以前の社会では、人々の仕事は「タスク指向」と呼ばれていて、「今日やることが終わったら、その日はおしまい」だったといいます。
イギリスの歴史家E.P.トンプソンによれば、工場制が導入されて初めて「時間に合わせて働く」という習慣が広まったそうです。人類史から見れば、時計に合わせて生きるのはほんの200年ほどの出来事にすぎません。

第二次世界大戦後、経済を「成長率」で測るようになってから、私たちの社会はますます“止まれなく”なりました。GDPという指標が登場し、「去年より増えているかどうか」が国の健康を示すようになったのです。
その波に乗った日本は、高度経済成長期に年10%の成長を経験し、「頑張れば伸びる」という成功体験が社会の前提になりました。けれど、それは同時に「止まることへの恐怖」をも生み出したのかもしれません。


壊れるまで頑張るの?

私自身も、「止まったら終わり」とどこかで思っていました。
でも、体が壊れたとき、その考えはあっけなく崩れます。
医療の研究でも、長時間労働がうつや不安障害のリスクを高めることは、多くのデータで示されています。さらに2025年には、週52時間以上働く人では脳の前頭葉などに構造的な変化が見られるという報告もありました。
「一度メンタルを壊したら戻らない」という言葉を聞くことがありますが、実際には“完全に戻らない”とは限らないものの、慢性的なストレスが神経の回路を変化させることは確かです。

だからこそ、壊れる前に休むこと、頑張りすぎないことが大事だと思うのです。
私が休んだ一年間、社会的には何も「成長」していなかったかもしれません。けれど、その静かな時間の中で、自分の内側の声に耳を澄ませることができた気がします。
季節の変化に気づき、日差しの温かさを感じ、少しずつ食べられるようになっていく。そんな小さな回復の積み重ねが、何よりの「生きる力」でした。


さいごに

「頑張る」は大事です。
でも、頑張ること自体が目的になってしまうと、いつか無理がきます。
本当に必要なのは、常に成長することではなく、リズムを取り戻すことかもしれません。
立ち止まる時間は、後退ではなく熟成の時間。
成長のサイクルに「休む」を含め、認める文化ができたら、もう少し優しい社会になるのではないでしょうか。


#頑張らない勇気 #休む力 #メンタルヘルス #現代病 #働き方 #リカバリー #気づきと再出発


ひとやすみも大切

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