「酒に支配されて失った“10の瞬間”――まさか自分が陥るとは思わなかった依存症の記録」
第1章 最初の違和感
はじまりの小さな兆し
毎晩のように「今日こそは一杯だけでやめよう」と思ったのに、気づけば飲みすぎてしまう。
「明日こそやめる」と心に決めても、仕事や人間関係のストレスに押されて、また缶を開けてしまう。――そんな経験はないだろうか。
私も最初は同じだった。
ただリラックスしたいだけ、眠れればいいだけ。そう信じていた。ところが気づけば、酒がないと落ち着かず、飲んでも満たされない夜が増えていったのだ。
未来を思い描いてみてほしい。
もしあなたが今より酒に支配されず、自分の意思で一日の終わりを迎えられるなら――生活も人間関係も、きっと少しずつ取り戻せるはずだ。
この記録は、私自身が「普通の飲み手」から依存症へと滑り落ちた瞬間をまとめたものだ。小さな違和感が、やがて生活を大きく狂わせていった。その始まりは、ある晩の缶チュウハイだった。
夜遅く、仕事から帰ってきた私は冷蔵庫を開け、缶チュウハイを一本取り出す。プシュッと心地よい音を立てて開けると、泡のはじける音だけで体がふっと緩む。だがその夜は違った。
半分も飲まないうちに胸の奥にモヤモヤとした違和感が広がり、いつもの満足感が訪れない。
「……なんだ、これ」
舌は苦味を覚えているのに、脳が欲しているものは別のものだった。

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