ポスト資本主義の時代に、日本文化が世界へ届ける価値――国際会議での学び
5月15日に開催された 「AWLF Asia Women Leaders International Pre-Summit 2024」 に登壇し、前編では「アジア女性リーダーの可能性」についてまとめました。今回は、その後編です。
世界が直面している問い:「成長」だけで人は幸せになれるのか?
東南アジアでの滞在を通して改めて強く感じたのは、 Materialism(物質主義)やCapitalism(資本主義)だけに依存した価値観からの脱却 です。
会議のスピーカーやガラ・ディナーでも、たびたびこのテーマが取り上げられていました。
私自身も以前から関心を持っていましたが、世界的にも今、この議論への注目が高まっていることを実感しました。
問いはシンプルです。
「成長や利益だけを追い求める社会は、本当に人を幸せにしているのか?」
経済発展の次に問われるもの
例えば、シンガポール。長年「成長と経済発展」を旗印に走り抜け、その成果は世界的にも評価されています。しかし、最近の新首相就任演説では「成長+アルファ」――つまり、 個人の幸せや生活の質への意識 が打ち出されました。
経済成長や貨幣価値を否定するわけではありません。
むしろ、それに加えて 「非経済的価値」「非貨幣的な豊かさ」 をどう捉え、どう共存させるかが次の大きな課題になっています。
なぜ「経済価値」ばかりに頼ってきたのか?
人間は「測りやすいもの」を好みます。
数値化できれば説明しやすく、周囲を説得もしやすい。だからこそ、これまで「経済成長」や「貨幣価値」という尺度が重宝されてきました。
一方で、 「幸せ」「誇り」「生きがい」 といった非経済的な価値は、数値では測りにくい。人それぞれの心の中にあり、共通の尺度を持ちにくいからです。
しかし、その「測りにくさ」こそが本質なのかもしれません。
「何でも数値化する」発想からの脱却 が必要なのではないでしょうか。
幸せとは数値ではなく、共存の中にある
幸せは、他人と比べるものでも、数字で表すものでもありません。
自慢するものでもなく、ただ自分の心の中に存在するもの。
資本主義的な尺度と、非資本主義的な尺度。
それは「どちらが正しいか」を争うものでも、「どちらか一方を選ばなければならない」というものでもありません。
むしろ大切なのは、両者をどう共存させていくか を考えることだと思います。
無理に数値化しようとする必要もない。
良い悪いを決めるのでもない。
共存の道を探ることこそ、大きな意味があるのではないでしょうか。
日本文化が果たせる役割
そしてこの「共存」という発想は、日本が古来より育んできた文化そのもの。
自然との調和、美意識、見えない価値を尊ぶ精神。
日本文化は、まさにポスト資本主義・ポストマテリアリズムの時代において、世界に大きな示唆を与えられるのではないか――そう感じています。
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