#18 | やすみ雲1号
月曜日の朝、動きたくないミミ族がつぶやいた。
「今日はもう、雲になりたい……」
すると現れたのは、1時間だけ空を旅できるという“やすみ雲1号”。
Tiny Tales Box 第18話は、やる気の出ない朝にぴったりな“空のリフレッシュ便”。をお届けします。

月曜日の朝、目覚ましが鳴った。カーテンを開けると快晴だ。
ミミ族が、
ため息まじりにこうつぶやいた。
「今日はもう、雲になりたい……」
すると、ベランダにふわっと現れたのが、やすみ雲1号。
週のはじめ限定で現れる、正規ルートの休暇サポート雲。
乗るだけで、1時間だけ空をふわふわ旅してリフレッシュできるという。
申請不要。連絡不要。
ただし、“仕様書は読んでおいてください”と、小さく書かれていた。
ミミ族はパンツ一丁、サングラスで雲に寝ころび、
最高の気分で空の旅へ出発した。
雲は軽やかに風に乗り、空をすべる。
鳥たちが何度か声をかけてきたけど、
ミミ族はただ手をふった。
……が、10分後。
雨雲と衝突。ぱらぱらと雨が降ってきた。
15分後。鳥の落とし物をくらった。
30分後。
雲が突然、逆流して荒れた空域へと進みはじめた。
「気まぐれモード搭載中」──と、雲の側面にちいさく書いてある。
あと15分──あと10分──
ミミ族はずぶぬれで震えながら、
パンツとサングラスを握りしめた。
そして1時間後、やすみ雲1号は自動的に帰宅。
ミミ族は転がるようにベランダにおり、
静かに言った。
「……仕事行こ。」
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