実は、音楽制作を少しだけしていました。|1993年~1998年初夏
中学3年生の頃、美術の先生にアナログシンセサイザーを譲っていただきました。
そこから、僕の“少しだけ続いた音楽制作時代”が始まります。当時の同級生は音楽を始めるといえばギターやベースが多かったですが、僕は少し違って電子楽器ばかりでした。
最初は、恩師に頂いたアナログシンセだけだったのですが、近所の中古楽器&CD店で買った KORG の簡易シーケンサーSQ-8 と Roland の MIDI キーボードE-70を使い、ゲーム音楽CDに付いていた楽譜を打ち込んで遊んでいました。


やがてテクノを知り、自分でも“オリジナル曲”を作るようになります。
僕がそのころ使っていた機材を、覚えている限り並べてみます。
🎛 MIDI機器
KORG SQ-8 → Roland MC300 → Roland MC-50mk2(MIDIシーケンサー)
Roland E-70(MIDIキーボード)
Novation Bass Station 2台所有(MIDIモノフォニックシンセ)
Roland SC-55(MIDI音源)
Akai S01(MIDIサンプラー)
YAMAHA TX81Z(MIDI音源)
Roland MC-303(音源/シーケンサー/ドラムマシン)
BOSS DR-660(ドラムマシン)

Bass Station は不思議な縁で2台所有しており、ベースだけでなく極太リードまで出せる、大好きなシンセでした。
NHK土曜ソリトンSIDE-Bという番組で、高野寛さんが視聴者の書いた歌詞に曲を付ける回で、入力用のキーボードがこれだったように覚えています。
🎹 非MIDI機器
Technics SY-1010(モノフォニックシンセ)
KORG MS-20(モノフォニックシンセ)
KORG VC-10 (ヴォコーダー)
KORG POLY-61(ポリフォニックシンセ)
Roland JUNO-60(ポリフォニックシンセ)
Roland TR-606 2台所有(ドラムマシン)
YAMAHA CS-01(モノフォニックシンセ)
Mackie Micro Series 1202(ミキサー)
非MIDI機器がやたら多いのは
古道具屋や中古楽器店の片隅で 1万円以下で見つけてしまった せい。
こういう楽器を買う時にいつも心の声が
{{MIDI同期できないし、使いこなせないよ?}}
としないでも無いのですが、値段も安かったのでつい重くても電車とバスで持って帰ってました。
実際、非MIDI機器の音をサンプリングしても Akai S01 のサンプリングタイムが短すぎて思ったように使いこなせませんでした。ラック型エフェクターもいくつか使っていたはずなのですが、正直あまり記憶がありません。
初めてコンピューターを買ったのは1996年のダイエーのお正月セールでMacを購入しましたが、音楽制作はすでに ハードウェアシーケンサーで打ち込み をしていたので、Macを制作に使うことはありませんでした。

この写真は1996年3月なので17歳の頃です。まだ機材もまばらで、ターンテーブルも赤い棚の上にオーディオテクニカのベルトドライブが見えます。キーボードスタンドの右横と、向いにCDとレコードの棚があったように記憶しています。
Technics SL-1200MK3Dを予約購入した記憶があるので、1998年9月(20歳)まで音楽制作をしていたことになります。
当時はJeff Millsに代表されるハードミニマル全盛期。DATに録音して、海外のハード系テクノのレーベルへテープを送ったこともあります。
今思うと、よくそんな度胸があったなあ……と思います。
でも当時は、
「いつか自分の曲が12インチになって、
どこかのDJがかけて、人々が踊ってくれたら――」
そんなふうに夢見ていました。
音楽家になりたかったわけではなく、ただ“自分の制作の証”のような12インチをトロフィーのように憧れていたのだと思います。
結局、機材も少しずつ買い足していましたが、CDやレコードを優先してしまうことが多く、向いてないのかな?という気持ちも湧いてきて、98年の初夏辺りにTechnics SL-1200MK3Dを2台とミキサー(Numark DM2002X)を購入する資金のためにすべてを手放しました。
そして時は過ぎ、2023年の年末ごろ──当時を知る友人に AKAI MPK mini を譲ってもらい、フリーの Cakewalk をインストールしてみました。しかし、当時とは比べものにならないほどの“縦横無尽な性能”に圧倒され(つまり操作がわからず)、早々に挫折しました。

でも、あの 制限だらけのハードウェア環境 での制作は、今思うと本当に楽しかったです。
出音にノイズが乗る原因を探ったり、時には取り除くことのできないノイズを逆に利用したアンビエント的な音を作ったり、色々試行錯誤することが楽しかったです。当時の写真に写りこんでいるラジカセも、MIC-inにシンセを通してヘッドホンアウトからミキサーにつないで割れた独特のディストーションのような音になるのを利用したりと、あの頃はCDやレコードを買うより楽しかった気もします。
残念ながら、当時制作したテープは、もう一つも手元に残っていません。
でも、もし今あの音源を聞いたら、どんな気持ちになるのかな……
そんなことをふと考えることがあります。
