コンサル未経験者、蚊をコンサルティングしてみた
蚊様、はじめまして。
この度は弊社にコンサルティングをお申し込み頂き、大変ありがとうございます。
わたくしは株式会社マッシュルーム、なんのはなしです課所属コンサルタントのめぐみティコと申します。
蚊様の今後の生物界でのますますのご活躍に繋がりますよう、精一杯戦略を立てさせて頂きます。
共に力を合わせ、この厳しい時代を乗り切って参りましょう!
わたしにとって初めてのコンサルティングですが、ご心配には及びません。
コンサルティングやコンサルタントについて、先ほどググってまいりましたから。
経験のなさは知識でカバーいたします!
どうぞよろしくお願いいたします。
……ああ、近寄らないで。刺すでしょあんた。
あんたに刺されるとわたし病院送りなんで。
この線から出ないでくださいね。そう。そこで飛んでてください。できれば立っててください。浮かぶな。
チッ、忌々しい羽音。
いえ、何でもありません。こちらの話です。
それでは早速ですが、蚊様の現状と課題について分析されております、こちらのレポートをご覧ください。
いかがでしたか。
弊社シニアコンサルタントのレポートですので、少々お耳に痛いお話もあったかと思いますが、現状このような課題があると我々は考えております。
蚊様と我々の認識に、乖離や相違はございませんでしょうか?
ありがとうございます。
それでは、次に改善点とその手立てを考えていきましょう。
ひとつめは、蚊様が人間から吸血する際の痒みについてです。
これがなければ蚊様の地位はもう少し向上すると思うのですが、いかがでしょうか?
……痒み成分がなければ、針を刺したことに気づかれてしまうということでよろしいですか?
えー……そうですね、針を刺さずに血を得る方法を考えましょう。
人語を操り、「大変恐縮なのですが血をほんの少々分けて頂けないでしょうか? 子どもたちのためなのです」とお願いすることをおすすめします。
蚊様が必要とする血液はほんの少量。
献血どころか健康診断の採血と比べても、圧倒的少量です。
そして私利私欲のためではなく、お子様たちのためなのですよね。
これで断る人間はまずいないでしょう。
よろしいですか、勝手に拝借しようとするから忌み嫌われるのです。
欲しければ正攻法で「ください」と言うのです。
未就学児でも分かる理屈ですよ。
これが分からないなら、蚊様はただの泥棒……いえ、身体への侵害も伴っていますので強盗でございます。
日本の刑法では、強盗は無期懲役もしくは死刑と大変重い罪になります。
まずは、人語を習得し、「血をください」とお願いすることです。
続きまして、ふたつめ。
ふたつめは、病気を媒介するということについてです。
正直これについては、擁護のしようがございません。
何か弁明はありますか?
……はぁ? じゃあなんですか? あなた方は口からうんこをするというのですか?
やめてください。わたしたちの腸内に存在する細菌と一緒にしないでください。
わたしたちの腸内細菌は口から出ませんから。
改善への手立てがないわけではございません。
可能性としてはかなり低い気がしますが、いちど天寿をまっとうしていただいて、実験用無菌室産の蚊として生まれ変わるのです。
これしかございません。
野生として生まれてくるから、体内に日本脳炎やマラリアなんかの原因を抱えることになるんですよ。
まぁシンプルに申し上げて、来世に期待☆といったところでしょうね。
……泣かないでください。
今日がコンサルタントデビューなのに、こんな難解な案件押し付けられたわたしの方が泣きそうです。
本日は以上となります。
まずは、人語で「血をください」とお願いすること。
その上で、今世はあきらめて来世また頑張ること。
このふたつに取り組んで頂ければ、成果はおのずとついてきます。
わたしは蚊様の味方でございます。がんばってくださいね。
何かありましたら、以下の弊社連絡先、もしくは関連会社へご連絡ください。
最近は関連企業であるワールド・ブルー株式会社へ出向していることも多く、弊社宛では連絡がつかない場合もございます。
マッシュルームかワールド・ブルーのどちらかにはおりますので、何なりとご用命くださいませ。
本日はありがとうございました。
株式会社マッシュルーム
ワールド・ブルー株式会社
