編み人の祈り

言葉を編むのが好きである。

川べりに生えている細い草や、あの畑に見えていたレンゲソウを摘んで、そーっとそーっと編んでいく。
そんな作業が好きである。

言葉にあまり器用な方ではない。
語彙力もないし、比喩表現なんて滅多なことは出来ない。
でも、私の細い欠片をゆっくり編んでいく。

言葉というのは不思議なもので、誰かと同じ言葉を発しても、それは全く別の生き物になる。
その言葉を誰が発したか、が重要であり、意味なんて二の次なのかもしれない。

編んでいく言葉は綺麗な言葉ばかりではない。
でも、罵りや妬み嫉みのようなものは、出来るだけ除いて編んでいきたい。

私が言葉を編むとき、いつも片手には国語辞書と、そして国語便覧があった。
便覧には古語も載っていた。
古語たちは、同じようにして載っていた襲色目のように、その言葉たちは美しく瞳の前に蘇る。
古くから使われる言葉は、愛しい。
何千年の時を超えてなお、心に届く意味がある。

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