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吸血鬼 【ショート】


よう、お前ら。
俺様の名前は吸血鬼だ。

そう、世にも恐ろしい血を吸う魔族よ。

俗では十字架が苦手と言われているが、あれは真っ赤な嘘だ。
ニンニクと銀はフツーにアレルギーで、触ると蕁麻疹が出るからやめてくれ。

そんな俺様だが、たった一つだけ苦手なものがある。
俺様はそいつを視界の隅に捉えて、机を叩いた。

「ウラドっ!彼奴がまた入り込んでいるぞっ」

俺様の声に、忠実な手下であるウラドがのそっと扉の間から顔を出す。

「またあいつですか?で、今日は何を」

「そうだな…よし、銀のぐるぐるをもってこい!」

俺様の言葉に、ウラドは、はーっ、と大袈裟なため息をついた。
「さっさと持って来い!」と怒鳴りつける。
この世にも恐ろしい吸血鬼が恐る銀ならば、蚊の生物も恐れるに違いない。
本来の色とは違うらしいがどうでもよかろう。
なにせ、ウラドに作らせた特注品なのだ。
どうだ?賢いだろう。さすが俺だ。

俺様はウラドが持ってきた銀のぐるぐるを細い蝋燭に刺したやつを窓辺においた。

よし、これで彼奴が外から侵入してくることはあるまい。
全く、俺様が活動する夜にもは媚びるとは非礼な奴め。
昼は俺様のテリトリーではないからまだ許してやろうものを。

さっそく、銀のぐるぐるにおそるおそる蝋燭あ、sの火を移す。
こうしてぐるぐるを燃やすことで煙が出、効果があるのだとウラドが教えてくれたのだ。
俺様は首を傾げた。
どれだけ蝋燭の火を当てても一向に銀は燃えぬ。
な、そんなことが…!

俺様は慌ててウラドを呼びつけた。
面倒くさそうな顔に向かって怒鳴りつける。

「なぜ燃えぬのだっ!」

「当たり前ですよ。銀が燃える温度は1000ぐらいなんですから。銀の線香なんて意味ないですって」

「センコウ?」

俺様は頭の中でセンコウを変換しようとしたが、上手くいかなかった。
仕方がないので、ウラドに尋ねる。

「それはなんだ?」

「その忌々しい虫が嫌がる煙を出すものです」

ウラドはなぜか俺様の腕を指さした。
つられて腕を見ると、そこには黒い彼奴がとまっている。

「ぎゃあああっ!」

彼奴を思いっきり手で叩こうとするが、その前に彼奴は素早く跳びたった。
代わりに、自分の肌が腫れる。
噛まれた場所は赤くなっててむず痒い。
これだから、彼奴は嫌いなのだ…

ウラドは今夜一番大きいため息をついた。
ぎろりと睨む俺様を軽く受け流し、部屋の隅の物置をゴソゴソと探り出す。
取り出したのは、緑の脆そうなぐるぐるだった。

「なんだ、それは?」

「線香です」

ウラドはセンコウとやらに蝋燭の炎を近づけた。
センコウは先っぽから薄い煙を出しながら燃えていく。

おおっ、と俺様は感嘆の声を漏らした。

黒い彼奴がふらふらと外へ飛んでいく。

「すごいな、これはっ!」

触ろうとする俺様をチラリと見て、ウラドはセンコウを片付けた。

「おい、触らせろ」

「もうすぐ日が上りますよ」

冷たい顔をしていうウラドの言葉に、外を見る。
確かに、ほのかに空が明るくなっていた。

「うぬ、今日はもう寝ることにするぞ」

「そうですか」

俺様はマントを翻して棺の中に入った。

ウラドが部屋を出ていくのを片隅にとらえて、棺の蓋を閉めた。



翌晩。

俺様は目が覚めて、いつもと違うことに気がついた。
いつもなら、腕が痒くて痒くて仕方がないはずだ。

棺の蓋をずらして開け、そこに充満する匂いに気がついた。
なにやら燃えている匂いのようだ。

空気がやけに霞んでいる気がする。


俺様は目を見張った。

屋敷の至る所に昨日の、センコウが置いてあるのだ。
センコウの匂いがあたりに充満している。

「はっくしょんっ」

センコウの匂いはほの臭く、俺様はくしゃみした。

んぬぬ……これはこれでしんどいものだな。







みなさん、こんにちは!みったです

えーっと、一昨日活動ペースを下げるという話をしたはずなんですが、話のネタを思いついたので物語を作ってしまいました

なので、今日は投稿しています

あとあと絶対後悔するから貯めといた方がいいんですけど、投稿したくなったので…

蚊って夏の敵ですよね
最近は暑すぎてあんまり見ない気がしますが…

この物語の主人公は、吸血鬼のくせに蚊にさされるなんて、よっぽどいい血を吸ってるんでしょうか?
ちなみに、我が師匠もめっちゃ蚊に刺されます

今日はいつもと違う感じで、俺様っぽいキャラで書いてみました
なんとなく吸血鬼っぽくなったかなと思います

今日の投稿は9時ぴったりですね
それでは、また月曜日に!


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ふうり|自称若手気鋭 いつも記事を見てくださってありがとうございます✨ いただいたチップで新しい創作の泡を生み出していきます🫧 よければ応援お願いします📣