失恋の理由が「結婚相手を探してるから」だった話
― 男性Aさんに若き日の恋バナを聞きました ―
今回は、50代男性Aさん(仮名)にお話を伺いました。
テーマは「若き日のちょっとほろ苦い恋バナ」です。
「僕が20代半ば、まだ大学院生だった頃の話です。
当時、通っていた大学の学生サポートスタッフに
“モエちゃん”(仮名)という女性がいました。
モデルさんのように、パッと目を引く華やかさがあって、
同世代ながらどこか洗練されていて、
話していると自然と笑顔になってしまうような女性でした。
最初は挨拶程度のやりとりでしたが、何度か会話を重ねるうちに仲良くなり、やがて付き合うようになりました。」
当時はまだ1990年代。連絡手段は電話か手紙しかなく、スマホもSNSもありません。
春休みの間は連絡もまばら。
会えない時間が長くなるほど、想いが募っていったそうです。
「春休みが明けて、また大学に通い始めた頃でした。彼女から突然言われたんです。
“他に好きな人ができたの。結婚相手を探してるの”って。
正直、頭が真っ白になりました。」
どうやら彼女は帰省中に数人にアプローチしていて、その中で
「僕より条件が良い」と思った男性と付き合うことに決めたそうです。
「その言い方もまた衝撃で…。
まるで就職先を選ぶかのように、冷静に“選んだ”と言われました。」
さらに印象に残っているのは、
彼女が過去の恋愛を“武勇伝”のように話していたこと。
「“高校時代、周囲から
『あいつと付き合うと痛い目に遭う』って言われてた男がいて、でも私に
『それでもお前が好きだ』って言ってくれて、付き合った”って。
そんな話を少し得意げに話す彼女を見て、小悪魔っぽいなって思ったんです。」
とはいえ、最後に
「私は結婚相手を真剣に探してるから」とハッキリ告げてくれた彼女の言葉には、ある種の誠実さもあったと振り返ります。
「当時は本当にショックでした。
自分の中で大木のように育っていた恋心を、根こそぎ切り倒されたような気持ちでした。」
でも今となっては──
「あれも自分の恋愛経験の一部。今となっては、若き日の良い思い出です。」
