著作権に見るバンタン楽曲の作り方【BTS×音楽PDニム】
BTS曲の音楽PD達が気になるお年頃
私はBTS(バンタン)メンバーの著作権情報を追っています。
メインで参考にしているのはKOMCA(韓国音楽著作権協会)のデータベースですが、これにはバンタン以外の人(音楽PD)の情報も全部載っています。
以前、それを利用してバンタンと一緒に楽曲を作った音楽PDについて調べたのですが、面白かったからまたやろうと誓ったのに、思いっきり忘れてました。すみませんw
資料整理してたら色々出てきたので、今回もご紹介してみたいと思います!
バンタンが著作権を持っている曲
今回のデータは、基本バンタンメンバーが著作権を持っている曲が対象です。
著作権を持っていない完全提供曲で、かつ海外PD作品の場合、著作権データがKOMCAにないためまだ捜索中だから、というのが理由です。
JASRACなど海外著作権系データベースを併用すると大体わかりますが、データ形式が違うから揃えないといけないのよね……。
2025/5/21時点で、バンタンメンバーのいずれかが著作権者としてKOMCA(韓国音楽著作権協会)に登録されている楽曲は、354曲。ジン君の2ndミニアルバム「ECHO」はまだ全曲登録されてません💦
彼らと一緒に作詞作曲をした著作権者だけでも、400人以上います。

ちなみに、KOMCAの会員IDには以下の3種類があります。裏取り用の情報が見つかっていないのですが、全員見た感じでは恐らくこういう分類だと推測されます。
会員IDの法則
「1」開始:韓国国内会員の基本形
「W」開始:海外展開に関わる正式登録?
「Z」開始:海外ミュージシャン登録用(正会員登録の有無は不明)
※「Z9999900」は信託契約を結んでいない、もしくは仮契約中の韓国人用らしく、同じIDに複数人が含まれている。
関わった著作権者の多い曲はどれ?
ではまず、一番著作権者の多い曲を調べてみましょう!
要するに、皆で寄ってたかって作った曲です。
ソングキャンプから生まれるとそうなりやすいのかなと思っていたのですが、お名前を見ていると「海外から送られた提供曲をベースに発展した曲」が一番多くなる傾向です。
ソングキャンプ(Song Camp):
作曲家、作詞家、プロデューサー、アーティスト などが一堂に会し、短期間で集中的に楽曲制作を行う合宿型のワークショップ。
多様な楽曲を量産しやすく、人脈形成・コラボが活性化する他、新人発掘・育成の場としても活用される。
色んな音楽PDsのインタビューを読んでいると提供曲の使われ方は様々で、曲にバンタンが歌詞を載せるだけでなく、複数の曲のいいとこどり状態でミックスして新しい音楽を作り上げることもあるようです。
例えばホビのCNSの場合だと、よく見る名前と見慣れない名前が半々になっています。提供曲にBIGHIT側音楽PDsが手を加えた感じなのだろうか、と想像しています。
海外組:
RYAN DESMOND, DUPREE BIANCA, GLOVER ANTHONY THOMAS, BECKY G, FRIAS JUAN M, REYNOLDS JAMAL CHRISTOPHER
BIGIHIT組:
JINBO, PDOGG, ADORA, J-HOPE, SUPREME BOI
最も著作権者の多い曲
著作権者19名:『WE ARE BULLETPROOF THE ETERNAL』
著作権者は19名。ラップライン3人に加え、16人もの人が作詞作曲に関わっていて、めちゃめちゃクレジット情報が長いです。
RM, J-HOPE, SUGA
KARLSSON ALEXANDER MAGNUS, ARMATO ANTONINA, BERG TOLLBOM ELLEN ANNIE BEATA, CAZZIOPEIA, VIKTOROVITCH ALEXEJ, YOUNG JORDAN,
SOSA CANDACE NICOLE, AUDIEN, TOOMEY AMELIA KATE WOODWARD, ELOHIM, ZELMANI ETTA, DAHLQVIST GUSTEN ROBERT, COOKE SOPHIE FRANCES, MICHELSEN HENRIK BARMAN, TANNERGARD WILLE ERIK HUGO, JONES JULY
ちなみに次点は以下になります。
著作権者14名:『INTRODUCTION YOUTH』
著作権者13名:『Run BTS』『THE PLANET』
最も著作権者の多いソロ曲
次に、メンバーソロ曲も見てみましょう。
傾向としては、最近の曲は大人数になりやすいように思います。特に、ボーカルラインの曲でその傾向が顕著です。
音楽作成が個人の作成作業ではなく、チームでのプロジェクトになっている様子。逆に言うと、一人でじっくり作っていられる状況ではなくなったのかもしれません。
著作権情報だけ見た印象としては、過去のソロ曲はツアー中ホテルで作ってる手作り感が強いのですが、ソロ活動期以降は集団作成が本格化したように見えます。BTS曲はもっと早くからその傾向があるのですが、ソロ曲にも遅れて変化の波が到来したという感じです。
コロナ禍でオンライン作業が加速し、英語三大曲の成功・ソロ活動による楽曲ニーズの高まり・兵役前の詰め込みもあって提供曲の採用頻度が上がったのではないかと受け止めています。

JIN
著作権者18名:『LOSER(FEAT.YENA)』
ジン君のソロ曲の過半数に関わってるのが、Pdoggさん。
『SUPER TUNA』までは国内で作ってましたが、『The Astronaut』以降は海外からの提供曲が一気に増え、関連する音楽PDが増えています。
グループだけでなく、ソロとしてもグローバルアーティストに変化していく様子が窺えるような気がしますね!
SUGA
著作権者8名:『LIFE GOES ON』※D-DAY版
SUGAのソロ曲は、曲数のわりに関連する著作権者が少なく、3アルバムで20名程度です。関与数的にはEL CAPITXNさん、PDOGGさんが突出してるので、信頼した人と少人数でやるのが好きな印象。「Road To D-DAY」ではソングキャンプしてましたが、この数を見た感じでは採用は狭き門ですね。
著作権者が4人以下の曲がかなり多いので、『LIFE GOES ON』はベースにBTS版があるための例外と見られます。
J-HOPE
著作権者11名:『CHICKEN NOODLE SOUP(FEAT.BECKY G)』
ホビは最初のアルバム「HOPE WORLD」を手作りで仕上げた後(関与著作権者3名以下の曲のみ)、CNSでベッキーGとコラボしたのが転機になったようで、以降は幅広い音楽PDと仕事をしています。
SUGAとはある意味反対の作成スタイルで、3アルバム+シングルで関連する音楽PDが40人以上いますが、回数を重ねているのはPDOGGさんとかBIGHITの音楽PDくらいです。
こう言うと語弊があるかもしれませんが、信頼できる馴染みの音楽PDで保険を掛けつつ人脈と音楽の幅を広げている印象で、非常に堅実なキャリア構築の方針を感じます。
RM
著作権者10名:『DOMODACHI(FEAT.LITTLE SIMZ)』
ナムさんは……著作権持ってるのが230曲越えてるため、関連してる音楽PDも異常に多いですw
好きな人とはリピートしたい、もしくは一緒に何かを作りたい派らしくて、同じ人と何回も作業しているのが特徴です。
例えば最近だと『Sexy Nukim』でご縁のできた「Balming Tiger」組のJNKYRDさんとサンヤンさんが「RPWP」のほぼ全曲に参加していますし、『BYCYCLE』でご縁のできたジョン・ウンさんとはその後のアルバム「Indigo」「RPWP」でも協力しています。
ジョン・ウン
韓国出身のシンガーソングライター兼音楽プロデューサー。
2019年に『Groove Merchant』でデビュー。「RM of BTS: Tiny Desk (Home) Concert」でギターを弾いている人。
著作権のあるバンタン曲:『BICYCLE』『No.2』『건망증(Amnesia)』『AROUND THE WORLD IN A DAY』『RIGHT PEOPLE WRONG PLACE』
ちなみにソロ以外だと、ナムさんはTOMORROW X TOGETHERの『0X1 LOVE SONG(I KNOW I LOVE YOU)』にも関与してるんですが、この曲も関連著作権者が15~13名と多く、気合入ってる感があります。
JIMIN
著作権者11名:『SLOW DANCE(FEAT.SOFIA CARSON)』
ジミンちゃんソロ曲の特徴というと、三銃士にがっちり守られてるところでしょうかw
「FACE」「MUSE」の兄弟アルバムを、GHSTLOOP、PDOGG、EVANのチームジミンと一緒に作ったので、この3人が思いっきり突出してます。
それ以外の曲だとSLOW RABBITヒョンが全力サポートしてたりして、何というかBIGHIT音楽PDの中で大事に育てられてる子、感があります。
「FACE」<「MUSE」で海外PD関与度が上がっています。
順当に行けば、次は「GOLDEN」のような完全提供曲+グローバル狙い系のアルバムが来そうですが、「Are You Sure?!(イゲマジャ)」を見た限りではまだ自作曲も楽しんでいる段階だと思われ、今後の展開が気になります!
V
著作権者6名:『WHEREVER U R(FT.V OF BTS)』
テテとグクのソロ曲の特徴は、提供曲割合が非常に高いところですね。「Layover」は完全提供曲アルバムになります。
この方向性、テテとグクは今のところあまり受け継いでいないように見えます。ソロアルバムでも自作曲より提供曲を使い、多彩な世界観や新しい自分を魅せることに注力しましたし。
関与音楽PDの傾向はホビと似ていて、色んな人と広く関わっており、特に集中的にリピートしている人がいません。
一曲当たりの平均関与人数は4~5人なので、そんなに少ないわけじゃないんですが、幅広く興味を持っており気になった人とはやってみたいタイプな印象を受けます。
同じ方向性でも、ホビの場合は計画的キャリア形成への意欲を感じますが、テテの場合は好奇心を感じる、というのは何故なんでしょうねw
メンバーの中では海外PD関与度が低く、増加傾向もそこまでじゃないので、世界戦略とか気にせず好きなものを作りたい欲を感じるから?
JUNG KOOK
著作権者8名:『NEVER LET GO』
グクのソロ曲は、著作権者2名程度でこじんまり作った曲か、5~6人以上からの大き目曲(海外PDの関わる世界向け曲)かではっきり分かれています。
ジン君やジミンちゃんの場合は、複数アルバムを経て海外PD関与度が段階的に上がって行っているのですが、グクの場合は手作り曲→「GOLDEN」なのでいきなりスキップ進化した感があります。
テテより更に完全提供曲割合が高く、「GOLDEN」は完全提供曲アルバムになります。VOPE同様色んな人と広く関わっており、BIGHIT / 海外関係なく、集中的にリピートしているPDがいません。
見た感じとしては、グクのソロが一番「世界向けプロジェクト」っぽい印象を受けます。
「I AM STILL」とか見てるとパンPDやPdoggPDも傍にいるんですが、ここまで来ると彼らも一緒に楽曲を作成するというより、もう一歩引いてアーティスト・JUNG KOOKを育てている印象です。
最も著作権者の少ないソロ曲
JIN
著作権者2名:『슈퍼참치』※SUPER TUNA
BUMZUさんとJIN君の2人で作った曲です。ジン君が、一緒に釣りに行きたかったので作った、という話をしてましたね。
BUMZUさんは普段SEVENTEENなど他アーティストの曲を手掛けていることが多いようで、バンタン楽曲に参加したのはジン君のソロ曲『Abyss』とこれのみです。
パンPDが、「君に相応しい人を探してあげる」って言って連れてきた音楽PDというのは、彼の事だったんですね!
この件でカウンセリングも受けながら日々を過ごし、パンPDさんと話をしてみたところ、今この感情を歌にしてみたらどうか、と提案していただきました。
「うまく作れる自信もないし、もし良い結果が出なかったらどうしよう。僕はもうそんなことが許されない立場に来てしまったのに……」と答えると、パンPDさんは「そんなことは重要じゃない。でも、もしやることになったら、君はきっとうまくやるだろう。君に合った人を探してあげよう」と言ってくださいました。
そうして作曲家のケ・ボムジュ(BUMZU)ヒョンに出会い、今の僕の感情や多くのことについて語り合いました。
SUGA
著作権者1名:『724148』『해금(Haegeum / ヘグム)』『SKIT』『SEESAW(DEMO VER.)』『GIVE IT TO ME』
SUGAソロ曲の特徴は、一人だけで作った曲が結構あることですね。作詞作曲編曲プロデュースと、総合力が高いユンギならでは!
『SKIT』は同名曲が他にもありますが、これは「AGUST D」収録のやつです。
J-HOPE
著作権者2名:「HOPE WORLD」の各曲から『ON THE STREET(SOLO VERSION)』『DNA(J HOPE DEMO VER.)』まで、合計13曲
ホビのソロ曲は、自分で作り上げることに拘った感が非常に強いです。ただ他を拒絶するわけではなく、ちゃんとプロの手も借りているところが現実的。
RM
著作権者2名:デビューアルバムの『SKIT:ON THE START LINE』から「Indigo」の『LONELY』『No.2』までの23曲
意外なところだと、テテソロ曲『Singularity』(PERRY CHARLES JAMES, RM)が入っています。PERRYさんはKOMCAでは仮登録扱いのIDになっており、他に曲が載っていなかったので調べました。
Charlie J Perry
イギリス出身の音楽PD・作曲家・ミュージシャン。ネオソウル、R&B系に強い。Jorja Smithのアルバム「Project 11」をプロデュースした。
著作権のあるバンタン曲:『Singularity』
Charlie J Perry、Vのソロ曲「Singularity」について:
彼らは僕に素晴らしい依頼文をくれたんだ。まるで詩のようだった。彼らがどんな感じにしたいのかを詩で表現してくれたんだ。本当に信じられないほどだった。その依頼はすごく感情に訴えかけるものだったから、自然と曲が浮かんできたよ。
彼らはダニエル・シーザーのような音楽が好きで、そういうネオソウルっぽい曲にしたいと言っていた。僕はディアンジェロの大ファンなんだけど、そういう感じのバラードっぽい雰囲気は今すごく人気があって、皆が惹かれるんだよね。
(中略)
僕はいつも、ボーカルを輝かせるためには、曲をシンプルにしておくことが大事だと思ってる。結局、皆が聴いているのはボーカルだし、その人が歌と曲を個人的に繋げる姿なんだから。
コードはシンプルにし、ボーカルがはっきりと聞こえて、ハーモニーが各パートを際立たせるための余白をたくさん作り出した。
完成した曲を聴いたときは、心から圧倒されたよ。Vが本当に、本当にこの曲と心を通わせてくれているって感じた。まだ実際に会ったこともないのに、とても美しい体験がそこに生まれたんだ。僕が地球の裏側へ送った音楽が、誰かに情熱と感情を込めて受け止めてもらえた。それ自体が、信じられないほど素晴らしい経験だった。彼は間違いなく、この曲にぴったり合うキャラクターの持ち主だったと思う。
このインタビュー記事には、他にも以下の音楽PDさんが載っていて、とても興味深いです。おススメ!
『Euphoria』 Melanie Fontana、DJ Swivel
『Serendipity』 Ray Michael Djan Jr. 、Ashton Foster
『Dimple』 Matthew Tishler
『The Truth Untold』 Jake Torrey
『I’m Fine』 Ray Michael Djan Jr.
『IDOL』 Ali Tamposi & Roman Campolo
『Answer: Love Myself』 Conor Maynard
JIMIN
著作権者3名:『약속(PROMISE)』『Christmas Love』(SLOW RABBIT, RM, JIMIN)
ジミンちゃんのソロ曲は、今のところ最低人数が3です。色んな人と関わりながら作る方が好きなのかもしれませんね。
2曲あるけど、2018と2020で同じメンバーが曲作ってるのがエモい( *´艸`)
V
著作権者2名:『SNOW FLOWER(FEAT.PEAKBOY)』(PEAK BOY, V)、『풍경(SCENERY)』(DOC SKIM, V)
Peakboyさんはウガファミリーで有名ですが、Dogskimさんはわからなかったので、調べてみました。ナムさんの『Wild Flower』でPDを辞めるつもりだったけどもう一度音楽が楽しくなった方でしたか!(解説モブ)
Dogskim
キーボード奏者としてソ・テジ、EPIK HIGH、BTSらと共演。BTSのライブバンド「Ghost」のメンバーでもあり、音楽PDでもある。「RM of BTS: Tiny Desk (Home) Concert」のキーボード。
著作権のあるバンタン曲:『Lie』『풍경(SCENERY)』『HOPE WORLD』『OUTRO TEAR』『Wild flower』

JUNG KOOK
著作権者1名: 『STILL WITH YOU(ACAPELLA)』
グクソロ曲のアカペラ版。ええ声を思い切り堪能できるやつです!
ちなみに次点(著作権者2名)は以下の2曲でした。
両方FESTA曲ですね。まさにハンドメイドのプレゼント。ありがとう……!
『STILL WITH YOU』(PDOGG, JUNG KOOK)
『MY YOU』(HISS NOISE, JUNG KOOK)
曲の作り方でわかるもの
今回は、1つの曲に対してバンタンと一緒に関わった著作権者を見てみましたが、それにより彼らの創作スタイルや、リリース戦略の違いも窺い知ることができ、非常に興味深く思いました。
ラップラインは著作権曲数が多いので傾向がわかりやすいですが、わりとはっきり好みが出るものですね。三者三様で面白かったです!
見ていて、ナムさんにとって音楽をやるっていうのは「人付き合い」に近い感覚があるのかなという感想を覚えました。彼の創作スピードがあるからこそのリピート率、という側面もあるでしょうが、気に入った人に「ヒョン、もう一回やりましょうよ」ってすぐねだりに行ってそうでかわいい( *´艸`)
あとこれはただの妄想ですが、楽曲を見る限り、事務所が長男に「売れましょ!」って訴えてる気配がなくもないので、今後どうなるのかが注目されます。
事務所が「MVはラグジュアリーに行きましょう!」って提案したのを「面白い方がいい」って一蹴したらしいジン君。『ROPE IT』の馬の鳴き声には自分の声を混ぜてみたよ!って言ってウェンディ先輩とARMYを驚愕させた彼が、素直に世界狙いルートに乗るのか、めちゃめちゃ気になります。手ごわそうwww
これからも増えていくだろう、バンタンの著作権曲。せっせと追いかけたいと思います。楽しみですね!!
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