辞めることが簡単な時代に、「辞めないこと」「辞め方」を考える
今、転職市場では「若い=武器」と言っていい状況。
エージェントや転職サイト、カジュアル面談、SNSリクルーティング……。
転職の手段はますます増えています。
そして、いまや“辞める”という行為自体も、どんどん簡単になっています。
「退職代行にお願いして、ストレスなく辞めることが出来た」
そんな話を聞くのも珍しくなくなりました。
なので、5回転職し、たくさん会社を辞めてきた私なりに、このテーマを考えてみます。
「辞めない」という選択肢は、本当にないのか?
「辞め方」は、自分のキャリアにどう影響するのか?
キャリア理論も交えながら、少しだけ真面目に、このテーマを考えてみたいと思います。
まず、大前提。
今の職場でメンタル的につらい状態が続いているなら
どうか、無理しないでください。
歯が痛ければ歯医者に行くように、心が痛んでいるなら専門家に相談すべきです。キャリアの前に、健康がある。
ここは迷わず「助けを求める」選択をしてほしいと思っています。
「やりがいがないから辞めたい」という人へ
自己決定理論(エドワード・デシとリチャード・ライアンが提唱)では、人のやる気には2種類あるとされます。
外発的動機づけ(お金、評価、他人からの期待など)
内発的動機づけ(自分でやりたいから、楽しいから)
多くの人が、最初は「外発的」な理由で働き始めます。
でも、そこから“本気でやってみる”ことで、段階が上がり、やりがいや楽しさが生まれることもあります。
私自身、学生時代のアルバイトを含めて、いろんな仕事を経験しました。
はじめは単純作業ばかり。でも、「どうやったらもっと早くできるか」「もっとらくできるか?」と工夫していくうちに、仕事がだんだん楽しくなっていったんです。
最初から“つまらない”と決めつけずに、まずは1回、本気でやってみてほしい。その先に、自分なりの目的意識が見えてくると思います。
「成長していないから辞めたい」という人へ
まずは、「成長」とは何か、自分の中で定義してみることをおすすめします。
スキル?昇進?収入?あるいはやりたいこと?
目指すゴールが明確で、どうしても今の環境ではそこにたどり着けないという場合は、転職も視野に入れていいと思います。
でももし、「この環境にいるとなんとなく成長しない気がする」という“ぼんやりとした不安”なら──
まず自分自身に、
「自分でやれることは本当にやりきったか?」
と問いかけてみてください。
環境を変える前に、今の環境でできる仕事はないか?上司に交渉してもっと仕事の裁量をもらえないか?を考えて、行動してみてもいいと思います。
それもまた、大きな成長の糧になります。
これをせず、環境のせいにすると「他責思考」の癖がついてしまうと思います。「成長したい」と思っているなら、この思考だけは避けたほうがいいと言い切れます。
「辞め方」もまた、キャリアの一部になる
これまで何度か会社を辞めてきましたが、毎回、とても気が重かった。
引き止められたり、申し訳ない気持ちになったり、怖くなったり…。
でも、自分の言葉でしっかり伝えると決めて、何度も話し合いしたこともあります。辞めたいずれの会社の人とも、食事に行ったり、ゴルフにいったり、一緒に仕事したりもしています。しばらく連絡していなかったけど、久しぶりに会って、急に仕事になったこともあります。向き合ったからこそ、仲が深まった人もいます。
退職代行を使うことで、”今この瞬間”自分が楽になることもあるかもしれません。ただ、それによって人間関係をまるごとリセットしてしまうのは、少しもったいないとも感じています。また、今の瞬間楽になってもあとから、「自分で言えばよかった」というモヤモヤが一生残るかもしれません。
怖くても、気まずくても。
「自分のキャリアの一部を、自分の言葉で締めくくる」という経験は、
その後の自分自身への自信にも、他の人からの信用にも、つながっていきます。
辞めるのもいい。でも、「辞めない」も選択肢にしていい。
転職を否定する気はまったくありません。
新しい環境が、人生を変えることもある。
可能性が広がることもある。なんなら、転職経験のnoteが一番皆様からの評価を得ています。
でも、続けることにも価値があります。
最後に。
辞めてもいい。辞めなくてもいい。
大事なのは、「自分自身でしっかり考えて自分で選ぶ」こと。「周りが転職しているから」、「他の人にもっとよく見られたい」という理由でなく、自分で決めるとスッキリすると思います。
その選択に向き合った人は、どちらの道を選んでも、ちゃんと前に進めると思います。
