8月の月案が30分で終わる|ねらい文例60+書き換え見本
8月の月案のねらいが書けずに手が止まる理由と、0〜5歳の年齢別ねらい文例60本をまとめました。
ねらいの欄で、また手が止まる
7月の終わり。
子どもたちが帰ったあとの事務室で、8月の月案を開きます。
ねらいの欄に、カーソルが止まります。
去年の月案を開いてみます。
「水遊びを十分に楽しむ」
一昨年も見てみます。
「夏ならではの遊びに親しむ」
……また同じになる、と思います。
でも、他に書きようがない。
水遊びをするのは事実だし、楽しんでほしいのも事実です。
それ以外に何を書けというのか。
そうやって15分、20分と時間が溶けていく。
結局「水遊びを楽しむ」に戻して、次の欄に進む。
私は保育士として10年、年少から年長までを担任してきました。
毎月これをやっていました。とくに8月は、行事が少なくて書くことが見つからない月なので、余計に苦しかった記憶があります。
「楽しむ」から抜け出せないのは、語彙の問題ではありません
言葉が足りないのだと思っていました。
だから、保育雑誌の文例集を買って、書き写したこともあります。
でも、それでも書けるようになりませんでした。
文例を写すと、今度は「うちのクラスの実態と違う」という別の問題が出てくるからです。
いま振り返ると、原因は語彙ではありませんでした。
「楽しむ」から抜け出せないのは、月末に振り返れる形で書いていないからです。
「水遊びを十分に楽しむ」というねらいを立てたとして、8月末にどう評価しますか。
楽しかったかどうかは、子どもの心の中の出来事です。
外から見て確かめることが、できません。
だから評価の欄にも「楽しむ姿が見られた」としか書けない。
そして翌月、また同じ言葉から始めることになります。
このループの正体は、書き方の設計の問題です。
療育の書類を見て、書き方が変わりました
私はいま、児童発達支援の現場で働いています。
そこで渡される個別支援計画には、たとえばこういう文が書かれています。
「支援者が事前に流れを伝えることで、5回中3回、自分から次の活動場所に移動する」
(個別支援計画そのものは児童発達支援管理責任者が作成するもので、私はその計画に沿って支援を行う立場です)
最初に見たとき、細かすぎると思いました。
園の月案でここまで書いたら、堅苦しくて読みにくいだろうと。
でも、しばらくして気づきました。
療育の計画は、保護者と一緒に振り返ることが前提です。
だから「見て確かめられる形」でなければ成立しない。
一方、園の月案は担任が書いて担任が振り返ることがほとんどです。
だから曖昧なままでも、なんとなく回ってしまう。
でも、曖昧なまま回している書類は、結局自分の首を絞めます。
振り返りが書けない。翌月に活かせない。だからまた「楽しむ」から始まる。
療育で使われている「行動で書く」という発想を、園の月案に持ち込む。
これだけで、書ける言葉が一気に増えました。
型はひとつだけです
やることは単純です。
心の中で起きていること(気持ち)を、外から見えること(行動)に置き換える。
手順は3ステップです。
まず「楽しむ」「親しむ」で書いてみる(下書きとしてはOK)
**「それができている子は、実際に何をしている?」**と自分に問う
出てきた動作を、そのまま文にする
2の問いが、この型の全てです。
慣れると頭の中で自動的に走るようになります。
書き換えの見本を5つ
実際にやってみます。8月の月案でよく使われる表現から5つ。
見本1
Before:水遊びを十分に楽しむ
After:じょうろやカップで水をすくい、こぼしたり移し替えたりを繰り返す
見本2
Before:夏ならではの遊びに親しむ
After:氷や冷たい水に触れ、感じたことを言葉や表情で表す
見本3
Before:健康的に過ごす
After:遊びの区切りで、自分からコップを持って水分を摂る
見本4
Before:休み明けも安定して過ごす
After:登園後、自分のロッカーの場所を思い出し、支度を進める
見本5
Before:友だちとの関わりを楽しむ
After:水遊びの道具の貸し借りを、言葉でやりとりしようとする
Afterの文は、どれも8月末に振り返れます。
やっていたか、やっていなかったか。見て確かめられるからです。
そして、Beforeの表現より書くのが難しいわけでもありません。
「実際に何をしている?」に答えているだけです。
この記事に入っているもの
ここまでが型の話です。
ただ、型が分かっても、8月の月案を今週中に書き上げなければならないという現実は変わりません。
そこで、この続きに次のものをまとめました。
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