面従腹背
ここんところ、戦後間もなくの法律の本とか雑誌とか読んでるんですが。このあいだ、国会図書館にメンバー登録したんですけど、そうすると配信データーがネットで見られるようになるっていう。
まあ、別にメンバーにならなくても読めるコンテンツもたくさんあるんですけど、メンバー登録すると読める範囲も広がります。それに、おそらく著作権の切れた、たくさんの重要な本も公開されているので、意外とこれはお得で面白いです。もちろん、無料ですしね。
ヘタな地方図書館よりかはるかに充実しています。
そんなわけで、戦後間もなくのあれ。シャウプ勧告あたりの本を読んでいます。シャウプ勧告っていうと、一般人の知名度はどの程度かわかんないですけど、要は「青色申告制度」とかそういう制度をもたらした視察団の、調査勧告って感じで社会の教科書に載ってたと思います。
コロンビア大学とか、アメリカの主要大学の、財政学の教授たちがやってきて、戦後アメリカの占領下での日本の税制について根本的な見直しをしたんですよね。このシャウプ使節団のメンバーは後にノーベル賞もらった教授とかもいて、意外と当時のアメリカの最先端の頭脳が集まってます。
考えてみると、日本の憲法も、当時の最先端の内容だったわけで、そうすると、当時の日本はアメリカの有名教授たちの壮大な「社会実験」の場だったんじゃないのかな?みたいな気がします。
そんなわけだから、「シャウプ勧告」も、当時の最先端の考え方が多く反映していて、アメリカですら実現不可能だった制度にも深く言及しています。それに、案外…っていうか、すごく社会主義な感じもします。
まあ、当時は財閥解体とか日本の旧制度を解体していくのがある種の使命だったんだろうから、そうなってしまうんでしょうけど。
まあ、要は平等主義っていうか、金持ちとか既得権益の人たちに重税が課される構造になっています。
そういうわけで、ひとしきりシャウプ勧告についてみた後で、その後の大蔵省とか政治家の反応はというと…。
もう、絵にかいたような「面従腹背」(笑)
シャウプ勧告についても、これをすぐさま税制に落とし込んでいます。たった3か月ほどの訪日調査でしたけど。大蔵省の官僚たちや政治家たちは、「われら日本の制度に対する深い洞察、なんたる慧眼」とか言って、シャウプ教授たちを持ち上げに持ち上げています。
なのに……。
日本が、オキュパイド・ジャパンを脱したとたんに、アッという間に税制を元に戻してます。件の「青色申告」以外ほとんど、見直したり廃止したりしています。まあ、税制は、憲法ほど改正が難しくないですからね。
ここらへんの経緯は、もう笑っちゃう感じの電光石火。
こんな感じで憲法についても、なるほど、日本独自の元の感じに改正したいのが当時の人たちの悲願だったんだなあ…とか、ものすごく納得してしまいました。
当然ですよね、ちょっと前まで鬼畜米英で戦争してたんです。日本は手のひらを返したように、親米国家になった。って「表面上」は見えるけど、んなわけないですよねえ…。
そうした歴史的文脈を見たりすると、私もある種のナショナリズムを感じたりはします。「元に戻した」ことの良し悪しは別として、そうした自主独立の反発の心は理解できます。
まあ、今の政権は「面従腹背」どころか、なにしろポチ公ですからね。そして「憲法改正」にしたって、オキュパイドジャパンを脱して、自主憲法に戻したい、という当時の人たちの「悲願」だけが、ただただ亡霊みたいに形の中で残っているだけ。
この人たちも、国会図書館で勉強しちゃどうなんですかね。とか思いますね。
便利ですよ。
