SaaSをインスタDMで売ってみた話|テストマーケティングとして使ったらわかったこと
SaaSの立ち上げ期に「どうやって最初の顧客を取るか」という問題に向き合ったとき、インスタDMを試してみたという話を最近よく聞くようになりました。
広告を使えば早い。でも費用がかかるし、まだプロダクトが固まっていない段階でスケールさせるのはリスクがある。かといってコンテンツマーケティングやSEOは時間がかかりすぎる。
そういう状況でインスタDMを試したら、思っていたより手応えがあったという話です。
① 「ターゲットが見える」という感覚の新鮮さ
テレアポやメール営業と比べて、インスタDMで最初に驚いたのは「送る前に相手のことがわかる」という点でした。
アカウントを開くと、その人がどんなビジネスをしていて、最近何に悩んでいて、どんなスタイルで仕事をしているかが、ある程度見えてくる。投稿の内容やキャプションを読めば、自分たちのサービスが解決できる課題を抱えているかどうかも、送る前に判断できます。
これはテレアポや飛び込み営業では得られない感覚で、「この人には確かに必要なサービスだ」と思ってから連絡できるのは、営業の質が根本的に変わる体験でした。
② 「課題への共感」から入るとまったく違う反応が来た
最初は機能説明から始めるDMを送っていたんですが、ほとんど返信が来ませんでした。
試しに文章を変えて「こういう課題、ありませんか?」という問いかけから入るようにしたところ、返信率がかなり上がりました。
SaaSの場合、相手はそのサービスの存在を知らないことがほとんどです。だから「こんな機能があります」から始めても、自分ごとに感じてもらいにくい。でも「予約管理をLINEで対応していると、返信漏れや管理の手間が大変じゃないですか?」という問いかけから入ると、「そうそう、まさにそれで困ってる」という反応が来やすくなります。
相手の言葉で相手の課題を言語化できるかどうかが、SaaS向けDMの返信率を分ける一番のポイントだと思っています。
③ 「デモに来てほしい」を最初のゴールにしたら成約率が上がった
インスタDMを営業ツールとして使っていく中で、気づいたことがあります。
1通目のDMで「契約してほしい」「購入してほしい」を求めようとすると、ほぼうまくいきません。当たり前といえば当たり前なのですが、DMでいきなり購入を求めるのは、初対面で突然プロポーズするようなものです。
「まず無料デモを見てほしい」「資料だけでも送らせてほしい」という低いハードルを最初のゴールにすることで、返信後の会話がスムーズに進むようになりました。
デモに来てもらえれば、後はプロダクトの力で話が進む。DMの役割は「正しいターゲットをデモに連れてくること」に絞り込んでしまった方が、成約率も上がりました。
④ テストマーケティングとしての使い方
インスタDMをテストマーケティングに使う、という発想がSaaS的に面白いと感じています。
広告でターゲットを変えようとすると、クリエイティブを作り直して予算をかけ直す必要があります。でもDMなら、ターゲットの条件を変えて翌週から別のアプローチを試せます。
「30代の美容室オーナー」に絞っていたが返信率が低かったので「20代のフリーランス美容師」に変えてみたら反応が良くなった、といった発見が早いサイクルで得られます。
プロダクトのペルソナをまだ精緻化している段階のスタートアップには、こういう使い方が特にフィットすると思っています。
SaaSやオンラインサービスがインスタDMで見込み客を獲得する具体的な方法は、こちらの記事にまとめています。
