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読書ノート 情報の次数とブッダのことば

情報の次数というのはジャーナリストの立花隆の本で知りました。まず事件が起こった時、その当事者の話が一次情報です。記者は当事者から聞いた情報を記事にします。これが二次情報。それを取捨選択してテレビニュースで伝えたものは三次情報。ニュースを聞いて家族に伝えたものは四次情報。それをSNSで友達から聞いたものは五次情報です。情報というものは伝言ゲームのようにその次数が上がるほど信頼性は低下します。

ブッダが生まれたのは紀元前5〜6世紀頃です。ブッダの教えは弟子たちに伝わり、その後文字化されます。最も古い文字化された資料は、ガンダーラ語で書かれたカローシュティー文字写本(紀元1世紀ごろ)といわれています。このガンダーラ語仏教写本の中には、最古層に属するとされるスッタニパータ「犀角の句」も確認されています。
要するに、現時点でブッダの教えを確認するにはスッタニパータが最も原形をとどめている可能性が高いということです。
とくにスッタニパータの第4章、第5章は口伝時代に伝えられた最古層のもので、後にパーリ語で文字化されたそうです。本来、パーリ語でスッタニパータを読むことが一番のようですが、さすがに一般人には無理です。そこで、スッタニパータの和訳を読むことになります。
少し難しい本ですが、中村元先生の訳『ブッダのことば スッタニパータ』にたどり着いたのは2011年のことでした。その中にとても好きなことばがあります。


犀の角のようにただ独り歩め

犀の角が一つしかないように、求道者は、他の人々からの毀誉褒貶にわずらわされることなく、ただひとりでも、自分の確信にしたがって、暮らすようにせよの意である。

『ブッダのことば スッタニパータ』 中村元

どこから引用したのかわかりませんが、こういう走り書きがありました。

インドのサイの角は1本しかなく、その角は肉の塊だからそれほど硬くない。そのため闘争の武器にはならない。体は大きいので他からも向かってはこない。孤独のまま一人で林を歩いている。

蛇の章、犀の角にはこんな言葉もあります。


聡明な人は独立自由を目指して、犀の角のようにただ独り歩め。

他人に従属しない独立自由を目指して、犀の角のようにただ独り歩め。

自分よりも勝れあるいは等しい朋友には、親しみ近づくべきである。

学識豊かで真理をわきまえ、高邁・明敏な友と交われ。

今のひとびとは自分の利益のために交わりを結び、また他人に奉仕する。今日、利益をめざさない友は、得がたい。自分の利益のみを知る人間は、きたならしい。犀の角のようにただ独り歩め。

『ブッダのことば スッタニパータ』 中村元


ブッダの時代から世界は進歩したのかもしれませんが、人間の心は今も昔も変わっていません。ブッダのことばには時を超え現代人にも響くことばがたくさん詰まっています。


中村元 - ブッダのことば スッタニパータの解説(約150分)



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