自分の動き(癖)に気づくことの大切さ
なぜ自分の体を壊す動きを繰り返すのか?
私はセッション以外の時間でもお客様の動きを指摘します。
コンディショニングにおいて、とても重要なことです。
例えば、お客様がお帰りになる際に靴を履く時。
屈んだ姿勢の前屈の仕方や脚のアライメント(骨の配列)の問題を言います。
「ほら!さっきの!」
「また!」
嫌な感じでは言いませんよ。
笑いながらなるべく優しくご指摘します。
中には怒る指導者もいますからね。(そういう人を知っています)
認知のすべては気づきから
セッションではいつもお客様の動きを指摘しますが、それには気づきもそうですがもっと大きな意味があります。
自分の癖は自分では分からない。
他者に言われて分かる。
自分ではそうやっているとは思っていない。
あるいは認めたくないこともあります。
つまり、自分に嘘をついていることになります。
思考の癖にもよく起こる自分に嘘をつくこと。
人から聞いた話を分かっていないのに分かったつもりになる。
絡みたくない人なのについ仲の良いフリをしてしまう。
やりたくない仕事を好きな仕事のように振る舞う。(社会活動においてはある意味仕方ない部分もありますが)
社会人としてはなんでもかんでも自分の思い通りに進めることは出来ませんが、なるべく自分自身に嘘をつきたくはありません。
精神構造としても自分に嘘をつく、欺くことは認知ズレを引き起こします。
心で思っていることと、実際の行動が一致しませんから、認知の誤作動を起こしているのです。
これを頻繁にやっていると、運動認知にも誤作動を起こしてきます。
脚を真っ直ぐ使っているつもりが、どこかがズレている。
立ち上がる時に膝が内側に入る。
さっきセッションでやったばかりなのに何気なく立つ時にやってしまう。
根本的な問題はその動作そのものではなく、これからどんな動作をするかの認識が欠けていることです。
無意識下の行動
毎日の生活では決まった動きを繰り返します。
慣れている動きです。
歩くのにいちいち脚をどう上げて、どちらの腕を振り出すかなどと考えて歩きません。
でも慣れた動作と言うのは次第にズレが生じてくるものです。
初夏の時期になると企業では安全大会を開く業種があります。
現場を持ち作業する会社や建築関係などです。
毎年、安全大会の基調講演の講師として様々な企業にお呼びいただくのですが、講演内容ではいかに現場での事故やミスを防ぐかが焦点になります。
その中で「セルフアワーネス」についてお話しします。
仕事でも手慣れた動きというものはつい惰性でやってしまうことがあります。
こういうミスをヒューマンエラーと言ってイージーミスやトリップと言ったエラーに分けられるのですが、まあ注意不足と言うと分かりやすいです。
つまり、慣れた動きなので何をするか漠然と分かっているだけで、どんな動きをするか細かいところに注意が向いていないことでミスが発生するわけです。
お家で立つのに注意はいらないですね。
でも講演で大勢の人の前の壇上にいれば立ち方も注意しようとする確率が上がります。
どんなシチュエーションでも「セルフアワーネス」自分への気づきに意識を向けると、これから行う動作への意識を高められます。
無意識下から意識下へ
自分の動き、特にほとんどの癖は無意識下で行われています。
無意識に行われているのだから、そのままだったらずっとその動きを繰り返します。
そして、その動きが体にとって負担になる動作なら・・
繰り返すことで構造が傷つき、それは破綻への道へ足を踏み入れます。
リスクヘッジの考えがあるなら、なるべく避けて通りたい道だと考えます。
なんせ体の構造が壊れてしまえば、交換するかだましながら生活することになりますから。
真っ直ぐ歩きたいのに体が片寄ってしまうような歩き方をしてたら、とても疲れます。
楽に歩くためにも快適な生活を送るためにもこのようなリスクを減らす取り組み方と心の姿勢は健康な人生においてとても大切だと思います。
明治の文豪 幸田露伴さんは幼い娘の文さんに躾の一環として、掃除の仕方を細かく教えました。
箒の使い方、床や窓の吹き方、雑巾の絞り方まで、雑巾を絞るときには周りに水しぶきが飛び散らないように丁寧な絞り方をする。
こんな細かいところまで指導しました。
これは一見昔ながらの厳しい指導のように思いますが、体の使い方のトレーニングとして効果的な教育なのです。
この躾は、ただうるさく言っているだけでなく、いわゆる所作を覚えるための練習であり、修養とも言える昔ながらの知恵だと思います。
掃除で綺麗にする所作は心と体を一致させ、その丁寧な動作は体にとって自然な動作、つまり機能的動作なのです。
このエピソードから読み取れるのは、無意識にやっている動作を一旦、意識下のもと行うということです。
無意識に行って上手くいかないのであれば、一旦意識下に置いて実践する。
その積み重ねによりまた無意識下に戻していく、あるいは意識と無意識の間の感覚で動作を完結できるようになることがあります。
このような話や実地体験を踏まえてお客様の動作を見てはチェックし、口うるさく何度もご指摘させていただくのです。
また、新たな神経回路構築の観点からちょこちょこ自分にアクセスすることが効果的です。
しばらくアクセスせずに一度にたくさんやることは身体の負担を大きくします。
弱い刺激を高頻度で与えることが、動作(癖)を改善するための本質的な方法だと確証して実施しています。
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