2026・6/28 「あおむし」
先々週、私の住居の外壁の一面に
サナギになる前のアオムシがたくさんついていた。
高い所に這い登り、
そこでサナギになりたかったのでしょう。
私が気が付いた時には、既にいちばん高い位置でサナギになっている子も居たので間違いありません。
自然のものなので放っておきたかったのですが、
私の住んでいる所は管理会社の清掃が入ります。
私の玄関の横で頑張って暮らしているオニグモが
何回も巣を無くされているのを見てきました。
このアオムシ達もきっと清掃され、
ゴミとして処分されてしまいます。
悩みましたが保護を決めました。
手の届く範囲にいる子達しか保護できませんでした
そして次の日、確認すると
やはり上の方、手の届かなかった箇所に居たサナギは一匹も残ってはいませんでした。
私の部屋の玄関のドアとサッシの僅かな隙間で
サナギになってしまった子も見付けました。
そんな隙間で成虫になれるはずがありません。
サナギを2匹と、アオムシを数匹保護しました。
合計で3匹の蝶が羽化に成功し、
生まれた場所へ帰っていきました。
飛び去っていく瞬間の感動は凄まじいです。
しかし、その一方で、
散っていった子達もいました。
まずは私の部屋の玄関サッシに居た子。

穴が開いているのが見えますか?
寄生虫が出て来た跡です
この子は寄生されていた子でした。
この子にも羽化してほしかったですが…
ですが寄生虫も悪というわけではありません。
生命に悪も善もありませんから。
そして、今現在も残り続けているサナギが2匹。
この子達は色がおかしいので
恐らく、もう命は燃えていないでしょう。
ですが、僅かな望みに賭けて、
今もまだ、ゆりかごの中に居ます。
そして、最も印象的だったのがこの子です。
この子は動画を見て頂けると分かると思いますが
羽化に失敗してしまった子でした。
初めは、羽化の途中だと喜びました。
羽化の様子がこの目で観られる!と。
急いでスマホのカメラをこの子に向け撮影し、
ずっと、録画をし続けていました。
ですが、いくら時が経とうと進展が無い。
ずっと、ちょこっと顔を覗かせているだけ。
ですが、グッと堪えました。
羽化というのはとても繊細で、難関です。
手伝える事、出来ることは何もありません。
私はひたすらに見守りました。
1時間が経ち、2時間が経ち、
ついには4時間が経過しても進展なし。
こうなってきては、話が変わってきます。
このままの方が生き死にに関わってくる。
本来の羽化は柔らかい体でサナギから出て、
そしてゆっくりと時間をかけて、
体を伸ばし、完成させ、飛び立ちます。
この子はもう4時間経っている。
サナギの中で納まっている形で
体が出来上がってしまった子です。
翅(はね)も開かなければ
もちろん空へ羽ばたく事も不可能です。
蝶としての生涯を送ることが出来ない子。
私はこの子を傷付けないように優しく殻から出してあげている時色々な事を考えました。
もしも、この子と対話が出来たら
この子は私に一体何と言うだろう、と。
嘆いているのかなぁ…
そりゃ嘆くよな…と思いながら殻から出しました。
この子はもう何かに掴まる力もありませんでした
時間が経ちすぎて、弱っていたのかもしれません
小魚用の網をこの子の足場にし
砂糖水を作り、ティッシュに含ませ
蝶の口吻(こうふん)を爪楊枝で引っかけ
濡れたティッシュの上に伸ばしてみました。
すると、弱々しくではありましたが、
ちゃんと飲んでいるのが分かりました
その姿を見て、先程の答えが出ました。
彼等は、生まれたからには
生きるしかないんだな、と。
「嘆いているかな」
「悲しんでいないかな」
そんなものは私の浅はかな考えでしかないのだと
砂糖水を飲んでいる、蝶になれなかった子を見て
痛烈に感じ、反省にも似た感情を抱きました。
生きる って、それでいいんだよな
そう思いながら
砂糖水を飲んでいる蝶の姿をただ、見守りました。
もちろん、蝶として生きられないこの子は
その命が消えるまで、
この子が生を望み続ける限り
私が責任をもって面倒を見ていくつもりでした
しかし、翌日になり確認すると
蝶になれなかった子の命は消え横たわっていました
とても短い間だったけれども、
苛烈な、そして逞しすぎる生というものを
まざまざと見せ付けられた私の心には
言葉には到底出来ない、
軽く扱ってはいけない様な思いが芽生えました。
生きる って すごいですね
とても大切な事を、今回は学び直しました。
また、アオムシになって帰ってくるかな?
でももう、壁には来ない方がいいよ!!!!
そんな、お話でした。
それでは、また次の投稿で!
