プロヴァンスのワイン畑をバイクで駆け抜ける〜 フランス🇫🇷 | 40女のヨーロッパ乗り鉄旅 | #12-3
【Day33: アヴィニョン郊外】
アヴィニョン滞在3日目。鉄道ストによる延泊で予定なしの日は、バイクでプロヴァンス郊外の村々を駆け抜けるという思いもよらない一日に。
🚊96日間の旅エッセイ。前回のお話はこちら↓
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##早朝の強引なお誘い
早朝、トントンと戸が叩かれ目が覚める。
まだ4時台なんですけど!と思いながら扉を開けると、ウキウキ顔の民泊ホスト兄。
「雨降ってないみたいだから行こう!バイクで!」
昨夜言っていた山の上からの日の出を見に行きたいらしいが、天気悪いと日の出なんか見えないだろうし、早朝は寒そうだし、バイクなんか乗ったことないし•••。
渋っているのにお構いなしでライダースジャケットとヘルメットを差し出されるので、仕方なしに適当に準備をして出発することになった。
ガレージに行くとバイクが大きくてビックリ!
こんなの乗ったことないので怖いけれど、信じて乗るしかない。
まだ薄暗い石畳の路地を静かに抜け、アヴィニョン城門を出ると一気に爆音で走り出す。

そろりそろりとバイクで進む
恐ろしいやらこのシチュエーションが笑えるやらで感情の整理がつかないまま、次第に好奇心が勝って辺りの景色を楽しむ余裕が出てきた。
高速道路みたいな道をしばらく走るとポツポツと雨が降り出し、バイクは素敵な石畳の街を抜け両側に一面のぶどう畑が広がる一本道を走り抜ける。
まさか自分に南仏のぶどう畑をバイクで駆け抜ける人生が待っていたなんて思っていなかったので、もはやこの偶然の出来事に感動すら覚えてくるのだった。
##モン•ヴァントゥは霧の中
1時間ほど走っただろうか。
雨は降ったりやんだりのまま急な山道を登っていくと、あたりは霧で真っ白になっていく。
雨なのか水蒸気なのかパチパチとヘルメットに当たるし、ぐるぐるカーブは続くし、頼むから事故らないでくれよと祈りつつ、必死でしがみつきバイクが停車したときは心底ホッとした。
ここがモン・ヴァントゥの頂上だという場所は、真っ白で何一つ見えない上に強風で立っていられないくらい、停めたバイクさえ倒れそうな勢いだ。
「やっぱり何も見えないね」
と出発前から分かりきっていたことを言う彼に腹が立つけれど、とにかく早くこの場を立ち去りたい一心で風雨に耐える。

##ずぶ濡れでお母さんにご対面
結局すぐに山を下りしばらくワイン畑を走り、ちょっと落ち着いた村に出ると、
「この近くにママの家があるから服を乾かしてもらおう、朝ごはんも食べたいし」
というようなことを言う彼。
ヘルメット越しでイマイチ聞こえないし、もはや何のことだか分からないままに連れてこられたのは、集落から少し外れた何もない森の中にポツンと1軒現れたお洒落な邸宅。

こんな朝早く、突然息子が訳の分からない年増の東洋人を連れてきたらびっくりするよね、寝起きのままだしずぶ濡れだし•••。
思わぬ展開に不安いっぱいのままおずおずと彼について中に入る。
落ち着いた雰囲気のマダムは突然の珍客にも動じることなく、私の挨拶も「あら、そう」という感じで流して、手際よく我々のびしょ濡れになったライダースーツを干してくれる。
まるで別荘のようなゆったりした木造りの室内には中央に暖炉があり、「冷えたから暖炉つけていい?」と言っているのか、彼が手際よく火をつける。

意外な新展開に戸惑うけれどあまりにも素敵なデザインに溢れたお宅なのでキョロキョロしてしまった。
##素敵な邸宅のサウナで温まる
暖かいコーヒーとパンでひと息つきつつ、改めてママにご挨拶。
ママは編集のお仕事を在宅でされているらしく、パートナーはただいまお仕事で不在のため猫2匹とママがご在宅。

あの陽気なパパとこの落ち着いたママがかつてご夫婦だったとは!
とても意外な組み合わせに思える。
こちらの別荘みたいなお宅は最近新築し移住されたそうで、オリーブの木が植えられた広大な庭にプールを作ったり畑を作ったり、いろいろ計画中だということを彼が楽しそうに話してくれた。
頻繁に遊びに来ているようだしいろいろな人を連れてきているようなので、ママの落ち着きはそのせいなのかもしれない。
外の雨は結構激しくなってきたのでバイクで帰るわけにもいかず、2人がフランス語で今日の予定を相談している様子。
ママは近くの美しい村やワイナリーに車で行ってきたら?と提案してくれているようだ。
まだ朝早いので、
「サウナ入ってちょっと仮眠しよう」
と言って2階のサウナに私を連れて行く。
2階には家庭用のサウナ室があって今の冷え切った身体には確かにありがたい提案だけど、まさかの展開に戸惑うばかりだ。
サウナの準備ができるとぽいぽい服を脱いでいく彼、え?脱ぐの?無理無理!と言いつつも、芯から冷えた身体を何とかしたいので、シャツ1枚になって少しだけ温まらせてもらった。

用意してもらった布団で少しゴロ寝して、元気になってきたので車を借りてお出かけ。
##ご近所のワイナリーへ
近くにはワイン畑が一面に広がり、あちこちにワイナリーらしき看板が見え、彼がぺちゃくちゃと解説してくれる。
お気に入りの1軒というところでチーズやワインの試飲をさせてもらうと、彼の一押しという甘いワインがめちゃくちゃ美味しい。

この旅の数年後、ワインの勉強をして知ったことだが、このあたりは南部ローヌワインの銘醸地で、この甘口ワインはミュスカ・ド・ボーム・ド・ヴニーズというこのあたりの名産ワインだった。

美味しすぎて買って帰りたいけれど、結構いいお値段がする!悩みに悩んで結局お手頃赤ワインとこちらの甘口白ワインをお買い上げ。
すっかりワイナリーを満喫してしまった。
##プロヴァンスらしい村に感激!
ママいち押しの美しい村は丘の上に立つ小さな村、車を停めて坂道を登っていくと石畳の細い路地の両側に小さな石造りの住宅や個人商店が建ち並んでいて中世に迷い込んだようだ。


バラの蔦が絡まるお家や可愛い看板を掲げたお店、これぞプロヴァンスの村!という感じで曇天でなければどんなに素敵だったろうと残念に思う。

丘の上まで登り、一面のワイン畑が眼下に広がる展望スポットに来た途端、大雨。


こんなに素敵な景色なのに残念でならないけれど、これはリベンジが必要ってことだね!と言って、なんだかまたアヴィニョンに戻ってくるような話になっている。
いろいろと強引だし喋りっぱなしで疲れる人だけれど、こんなところに連れてきてくれたことは感謝だ。

##ラベンダーを見に再訪決定
ママの家で遅めのランチをいただいた頃、ライダースーツも乾いたのでアヴィニョンに戻る。
この日も簡単にワインとチーズやサラミで夕食。このフランススタイルにも慣れてきたかもしれない。
今日見た景色がとても素敵だったので、南仏のラベンダーが見たかったなー、と話すと、
「また戻ってくればいいじゃん!6月になったら見られるよ」と彼。
この時5月中旬、このあとスペインを周りイタリアに抜ける際に、確かに南仏あたりを通るので立ち寄れるよね•••と心が動く。

写真が趣味の兄、プロヴァンスのラベンダー畑で撮影した写真を披露してくるので、さらに心が動く。
ヨシ!帰ってくるか、ということでアヴィニョンおかわり決定!
今日買ってきた甘口ワインは戻って来た時に一緒に飲もう!と約束してキープしておいてもらうことになった。
🚊次回、アヴィニョン最終日、天気回復して憧れのポン•デュ•ガールへ!
📘この投稿は「40女のヨーロッパ乗り鉄旅」の一編です↓
