愛と幻想のシューマン 〜シューマンの指(奥泉光著)
シューマンのピアノ曲は、唐突に始まる曲が多い。それは、空中に流れている音の一部を楽譜に落としたため、だからシューマンの曲の最初が唐突に始まるように聞こえるのは、曲の途中から再現しているから、
たしか、このようなシューマン論が交わされていますが、これは、JAZZの録音みたいに取り敢えず流して演奏して、セッション全体から良いところだけを切り取って、フェードインで曲が始まり、フェードアウトしながら曲が終わる、みたいな感じなのかも。
この作品は幻想小説として読みました。相変わらず、奥泉先生の、繰り出され文章の洪水と、煌めく様なイメージの奔流には、やられっぱなしです。
奥泉先生には、「音楽もの」にカテゴライズされる作品がいくつかありますが、今後も、このジャンルの作品を読みたいと節に願っております。
個人的には、シューマンに対する新たな扉が開かれた感があります。この小説を読んでからというもの、大リーグ養成ギブスみたいなものを着けて指の強化を図ってまでピアニストを目指したシューマンのピアノ曲が愛おしくてたまりません。
血染めの鍵盤なんて、恐ろし過ぎる。
シューマンの幻想曲を仲道郁代のピアノと解説でどうぞ。
