【人生の栞】ふたつの寝息に守られて。――不自由で、この上なく自由な夜。
こんにちは、てるてるです。
わが家には、ミニゴジラ(小2)と、よちゴジラ(1歳)の6歳差の姉妹がいます。
今回も、わが家の旅の思い出を、そっと小さな物語にして届けます。
1日の終わり、わが家の寝室には、少し変わった光景が広がります。
娘2人に挟まれて「川の字」で眠る私と、その傍ら、なぜか畳の上で直(じか)に眠る夫。
不揃いで、どこかおかしな寝床の風景。
けれどそこには、今の私を支える「確かな居場所」がありました。
畳の上と、川の字の真ん中
夫は寝かしつけまでは布団の中にいますが、最終的には床、畳の上に移動して眠ります。
「ベッドや布団は背中に合わない、直(じか)に寝たい」という、彼ならではの「流儀」のようなもの。
最初は不思議に思っていたその習慣も、今ではわが家の夜の景色の一部になりました。
夫が畳に根を張るように眠る横で、私は娘たちという、ふたつの柔らかな寝息の、ちょうど真ん中に身を沈め文字通り「川の字」の真ん中に収まります。
夜中、ふと目が覚めると、右に長女ミニゴジラ、左に次女よちゴジラ。
2人の寝顔は、驚くほど夫の生き写しです。
ずり落ちた布団をそっとかけ直すとき、指先に触れる柔らかな体温。
その微(かす)かな寝息の重なりが、静まり返った部屋に心地よく響きます。
狭さの中に宿る、絶妙な居心地
川の字で眠る夜に、自由な寝返りは望めません。
寝相のヤンチャな2人の手や足が飛んできて、お腹や顔で受け止めることも日常茶飯事。
体は決して「楽」ではありません。
けれど、この身動きの取れない狭さが、不思議と私の心を安定させてくれるのです。
寝返りを打てる広さはないけれど、苦痛なほどではない。
この「絶妙な距離感」こそが、私にとっての居心地の正体なのだと気づきました。
物理的な不自由さが、精神的な安心感に変わる――
そんな魔法のような時間が、ここには流れています。
旅のおわりに
早朝。
まだ暗い部屋で、2人の眠りを妨げないよう、私は「そうっと、そうっと」寝床を抜け出します。
本当はもう少し、あの温かな挟間(はざま)にいたい。
けれど、冷えた部屋に暖房のスイッチを入れ、静かに1日を始めるこの時間もまた、私なりの「心の調律」なのです。
「もう少しだけ、眠っていてね」
私が苦手な早起きを頑張れるのは、間違いなく、あの小さな寝息たちを守るため。
不自由な川の字も、畳の上で眠る夫の背中も。
洗練された暮らしからはほど遠い毎日だけれど、愛おしいこの場所こそが、今の私の揺るぎない居場所なのです。
▶今日の旅のページ、いっしょにそっと閉じましょう。
また次のページも、ゆっくりめくりに来てください。
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