【人生の栞】心の窓辺に、消えない希望を。――あらすじのいらないラブレター。同じ本を愛する友人へ。
こんにちは、てるてるです。
気力を失っている大切な友人へ、私は一冊の本を贈ることにしました。
かつて交わした粋なメッセージの記憶と、紫陽花柄の便箋。
言葉を尽くす代わりに、物語に託した、私なりの精一杯の想いの記録です。
共通の言語をもつということ
私の友人は、数こそ多くはないものの、年齢も国籍も多種多様です。
ゆっくりと時間をかけて育ててきた関係ばかりですが、その中に今、気力をなくしている友人がいます。
3年ほど前、紅葉を見に出かけた私は、拾ったイチョウの葉を撮影して、その友人にメールを送りました。
「秋のおすそわけです」と、一言添えて。
返ってきたのは、こんな粋な一文でした。
「『最後の一葉』を思い出させる、綺麗なイチョウですね」
同じ本を読んでいる者同士だからこそ、たった一行で心が通い合う。
それはまるで、楽しい暗号解読のような時間でした。
紫陽花柄の便箋と、1年の沈黙
その後、メールの間隔はだんだんと空いていきました。
私は友人を案じながらも、あえて1年間、そっとしておくことにしました。
先日、書店でふと目に留まった紫陽花柄の便箋。
元気のない人に長い手紙を書くのは気が引けるけれど、どうしても友人の顔が浮かびます。
帰宅して机に向かっても、なかなか筆は進みませんでした。
(やっぱり、まだそっとしておくべきだろうか……)
そう思いかけたとき、本棚にある一冊の短編小説と目が合いました。
私の本棚にも『最後の一葉』が並んでいました。
「最後の一葉」で在りたい
私は本に、便箋を栞のように挟んで、友人へ贈りました。
「最後の一葉、で在りたいと思っています」と、一言添えて。
なんだか、とんでもなくシャレたことをしてしまった、と思いました。
そしてそれが、大切な友人への渾身のラブレターになっていました。
正確には、ただ、私のお古の本を送った、というだけなのですが。
恥ずかしいやら、すこし満足やら、不思議な気持ちが混ざっています。
大切な人を想いながら便箋を選ぶ時間、言葉を選ぶ時間は、本当に良いものです。
自分自身の心まで、そうっと整えてくれるような気がします。
※ 『最後の一葉』は、作家 オー・ヘンリーの短編小説です。
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最後まで読んで頂きありがとうございます💐頂いたチップは、祖母へのお花のプレゼントに変えて、そっと想いを届けたいと思います🌼温かなお気持ち、本当にありがとうございます。