【枚方市】約2億円還元のキャッシュレス施策。評価すべき「効率」と、問われる「税金の使い道」
枚方市議会議員 ばんしょう映仁です。
私たちの生活に大きな影響を与え続けている「物価高」。 枚方市では、物価高騰の影響を受ける中小事業者を支援し、市内経済の活性化を図るため、令和7年度に「枚方市キャッシュレスポイント還元事業」を計4回実施しました。

このたび、その一連のキャンペーンの実施結果が取りまとめられましたので、具体的なデータとともに、本施策に対する私自身の率直な所感をお伝えしたいと思います。
令和7年度「枚方市キャッシュレスポイント還元事業」の実施結果
数字で見るキャンペーンの成果
今回のキャンペーンは、d払い(8月・10月)、au PAY(12月)、PayPay(1月)を対象に実施されました。決済額の最大15%(1回上限500円相当、期間中上限3,000円相当)が還元されるという内容です。
結果として、全4回のキャンペーン合計で約1億9,923万円もの金額がポイントとして還元されました。 また、キャンペーン実施前と比較して、全4回の合計で決済額(取扱高)は約1.8倍に、実利用者数は約1.4倍に、そして決裁回数は約1.8倍に増加しており 、市内における消費喚起に大きく寄与したことが確認されています。
誰が、どこで利用したのか?
■ 40〜50代が牽引、高齢者層への広がりも
全キャンペーンを合算した年代別構成比を見ると、40代が22%、50代が26%を占めており、日常購買層が全体の利用を牽引しました。 特筆すべきは、60代の利用者数増加率が141%、70代以上が132%と大きく伸長した点です。デジタルサービスに慎重であると想定される高齢者層にも、本施策が広く活用されたことが分かります。

■ 「日常の買い物」と「市内外のバランス」
利用者の居住地別では、取扱高の約64%が市内居住者、約36%が市外居住者でした。いずれも実施前の約1.8倍に伸びており 、市外からの過度な流入を招くことなく、市民が恩恵を受けつつ、市外の需要もしっかりと取り込めた結果となりました。 利用業種については、「ドラッグストア」や「スーパーマーケット」「レストラン(飲食)」など、全年代を通して日常生活に密着した店舗での利用が多く見られました。

行政運営の効率性
もう一つ注目すべきは「運営の効率性」です。
コールセンターや携帯ショップ等での対面サポートを実施したことで、問い合わせが集中して混雑やトラブルが生じることはありませんでした。
また、事業費総額(約2億2,506万円)の内訳を見ると、事務経費を約2,582万円(全体の11%)に抑えることができています。これにより、事業費総額の約9割を実際のポイント還元に回すことができ、市民への還元を最大限に高めた事業運営が実現しました。

一人ひとりが笑顔、ひらかた万笑!
今回の詳細な結果報告を受け、私は枚方市議会議員として、大きく2つの視点を持っています。
1. 評価すべき「事務費の抑制」と「手離れの良さ」
過去に実施されてきた紙ベースの「プレミアム商品券事業」などと比較すると、印刷、販売、換金といった物理的な事務手続きが不要になった恩恵は絶大です。事務経費が事業全体の約1割に抑えられた点は、行政の効率化として高く評価できます。 また、デジタルプラットフォームを活用したことで、市職員の過度な負担増を防ぐことができた「手離れの良さ」も、限られた人的リソースで市民サービスを提供するこれからの行政運営において、非常に重要なモデルケースになったと考えています。
2. 根本的な疑問:「真の物価高対策」になったのか?
一方で、根本的な「税金の使い方」という視点に立つと、立ち止まって考える必要があります。
確かに消費は喚起されましたが、約2億円の税金(公金)を投入したこの施策が、本当に日々の生活に苦しむ方々への「物価高対策」として最適な手段だったのかについては、疑問を感じざるを得ません。スマートフォン決済を利用できる環境にある方や、一定の消費余力がある方に恩恵が偏りやすい性質があることも事実です。
私たちは、効率的で先進的な手法を評価しつつも、その目的と結果が本当に市民全体の課題解決(今回であれば物価高騰への支援)に直結しているのかを、常に厳しく検証しなければなりません。
皆さんは、今回のキャッシュレスポイント還元事業をどのように感じられましたでしょうか?
引き続き、一人ひとりが笑顔になれる、ひらかた万笑!のまちづくりを目指して、市政のリアルな情報をお届けしてまいります。
