チロとわたし
わたしが小さい頃、両親は食堂をやっていて祖父母と犬がいた。
犬の名前はチロ。
とてもとても頭のいい犬で近所の商店街でも有名だった。とくに酒屋さんのおじさんに、よくなついていた。
チロは赤ちゃんのわたしが泣いたら、赤ちゃんをクンクンしたり、祖父母に知らせに行ったりしていた。
赤ちゃんのわたしが3歳になった時、食堂を閉める事になり引っ越しをした。
もちろんチロも新しい家に一緒に連れて行った。しかし、チロにとって引っ越しはとても嫌なことだった。
チロは酒屋さんの軽トラが新しい家の近くに配達に来ると、決まって荷台に乗って食堂をやっていた場所に帰ってしまった。
何回も何回も何回も何回も連れ戻しても、どうしても戻ってしまう。チロ自身が選んでいる。もしかすると食堂を守ってくれていたのかもしれない。
犬の本能なのか、彼の尊厳なのか。
そんな優しいチロに育ててもらった過去を誇りにおもいます。
ありがとう、チロ。
大好き。
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