就学相談、これから何が起きる?——支援者が今から見ているポイント(5分で読める)
「まだ何も決まってないけど、大丈夫?」——6月、就学相談シーズンの入り口で
6月になると、保護者の方からこんな声をよく聞きます。
「就学相談って、もう動き出さなきゃダメですか?」
「うちはまだ何も準備していないんですが…」
周りが少しずつ動き出している空気を感じて、焦りを感じる時期かもしれません。でも、今の時期に必要なのは「特別な準備」ではありません。今日は、これから秋にかけて何が起きるのか、そして支援者が今どんなところを見ているのかをお伝えします。
これからのおおまかな流れ——いつ、何が起きる?
地域によって細かい違いはありますが、よくあるパターンをひとつの目安としてお伝えします(あくまで一例なので、お住まいの地域の流れは教育委員会や事業所に確認してみてください)。
4月:就学説明会
5〜6月:教育委員会との就学相談会(1回目)
6〜8月:学校見学。まずは保護者だけで行くことが多く(事業所が同行することもあります)、お子さん自身にも学校の雰囲気を感じてほしい場合は、児童同伴での2回目の見学を行うこともあります
7〜9月:教育委員会との就学相談会(2回目)。ただし、通常学級を希望される場合は、この2回目がないことがほとんどです
10月頃:支援学級についての審議
「もう決まってしまうもの」と身構えなくても大丈夫です。これから秋にかけて、保護者自身も情報を集めながら考えていく時間がたっぷりあります。
ちなみに、何らかの事情で療育に通い始めるのが10月頃からになったとしても、そこから就学相談会・見学を経て、12月頃に審議が行われ、支援級に決まるケースもあります。地域によって対応できるかは異なりますが、「もう遅いかもしれない」と諦めずに、まずは相談してみる価値は十分にあります。
「家でできていること」が、すべてではない
ここで一つ、知っておいてほしいことがあります。
子どもは、環境によって見せる顔が変わります。
これは大人も同じですよね。家にいるときの自分、職場にいるときの自分、友人と過ごすときの自分——なんとなく違う顔を見せていませんか?子どもも同じです。家ではできていることが、園や事業所ではできていない。逆に、家では甘えん坊なのに、園ではしっかりお友達のお手本になっている。どちらもよくあることです。
特性によっては、大人数より少人数の環境の方が力を発揮しやすい子もいます。それは大切な前提として持っておいてください。それでも、就学先の多くは集団生活が中心になります。だからこそ、家庭だけの様子で「うちの子はこうだから」と判断材料を決めてしまうのは、少しもったいないことなのです。
学校に近い「集団」の中でどう過ごしているか——園や事業所での様子は、就学先を考えるうえでの判断材料のひとつとして、とても参考になります。
今からできること——情報共有を「お願い」してみる
「じゃあ、園や事業所の先生に直接聞いてみよう」と思っても、正直、聞きにくいと感じる方も多いと思います。まだ関係性がしっかり築けていなかったり、立ち話程度の関わりしかなかったりすると、込み入った話を聞くのは気が引けるものです。それはごく自然な感覚です。
そんなときは、相談員という「間に立つ人」を頼ってみてください。相談員に伝えれば、家・園・事業所、それぞれの様子をうまく橋渡しして、必要な情報を集めながら就学支援会議へつなげてくれます。一人で抱え込んで全部聞き出さなくても大丈夫です。
もし少し心の余裕があれば、園の先生や事業所のスタッフに「うちの子、そちらではどんな様子ですか?」と聞いてみるのも良いきっかけになります。家では見えない一面を知ることが、お子さんを多角的に理解する手がかりになるはずです。
支援者として伝えたいこと
支援者は、「こっちの方がいいですよ」と断定することは、まずありません。これは無責任に答えを避けているわけではなく、必ずその子のことを一番に考えて発言しているからです。家・園・事業所それぞれで見えている姿が違う以上、簡単に結論を出せるものではないのです。
だからこそ、いろいろな立場の人から見えている「うちの子」を集めていくことに、意味があります。
保護者のみなさんへ
今の時期に必要なのは、特別な準備や急いで何かを決めることではありません。家・園・事業所、それぞれで見えているお子さんの様子を、少しずつ知っていくこと。それだけで十分です。
不安なときは、一人で抱え込まずに、身近な支援者に「最近どうですか?」と聞いてみてください。きっと、お子さんのことを一緒に考えてくれる人が、そこにいます。
てらさんPT|理学療法士・児童発達支援事業所勤務
子どもの発達・支援・子育てについて発信しています
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