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一途さと独占欲は紙一重



あの頃の深爪は、一途な人でした。


誰よりもまっすぐで、誰よりも強く、

一人の人を見ているように見えました。


軽さはなく、ぶれもなく、どこか硬派で、

私はそこに安心感のようなものを感じていました。


けれど今振り返ると、その一途さの中には、

もう一つの性質が含まれていたことに気づきます。


それが、独占欲でした。


当時の私は知りませんでした。


彼が、私に近づけないように、

先生との間に入り込もうとしていたことも、

内心では、「邪魔された」「引き離された」

と感じていたことも。


それらはすべて、後になってから、

彼の口から語られたものです。


あの頃の彼は、

私が落ち込んでいると、そばにいてくれました。


先生に屋上に連れて行かれたときも、

自然とついてきて、

何も言わず、ただ近くにいました。


その姿は、

心配してくれているように見えました。


けれど同時に、そこには、

「離れないようにする力」も働いていたのだと思います。


一途であることと、

独占したいという気持ちは、

とてもよく似ています。


どちらも、相手を強く想っているように見えるからです。


けれどその違いは、

とても静かなところにあります。


一途さは、相手を尊重します。


相手が誰と関わろうと、どこにいようと、

その人のままでいられることを受け入れます。


一方で独占は、

相手を自分の範囲に留めようとします。


他の関係を遠ざけたり、

入り込めないものに対して、

違和感や不満を抱いたりします。


彼の中にあったのは、

一途さと独占欲の両方でした。


ただ、それは分かりやすく分かれているものではなく、

とても自然に、混ざり合っていました。


当時の私は、

それを「一途さ」として受け取っていました。


その中には、

私を自由にさせない力も含まれていたのです。


一途さと独占欲は、紙一重です。


見え方は似ていても、

相手に与えるものは、まったく違います。


あの頃の私は、

まだその違いを知りませんでした。


けれど今は、はっきりと分かります。


本当に大切にされるということは、

縛られることではないのだと。


そして私は、

自由でいられる関係の方を選びました。





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