崩壊もどきと本当の崩壊
スピリチュアルでいう「現実崩壊」は、
ただの生活トラブルや環境の変化ではない。
外側の状況が一気に崩れると同時に、
内側の価値観も根こそぎ揺らぎ、
もう元の自分には戻れない——そんな状態を指す。
■相方の崩壊もどき
相方には確かに「崩壊のような出来事」はあった。
事業の失敗、サイレント期間、生活の揺らぎ…。
けれど、家は残り、家族は離散せず、借金も人の手によって帳消しになった。
生活の安全地帯を保ったまま、価値観の変化はせいぜい「お金に対する見方が変わった」程度。
しかも、サイレント前よりもさらに
「いい人の仮面」を厚くしてしまった。
本当の崩壊であれば仮面は外れ、素の自分で立つようになるはずが、
相方の場合は逆に演技が強化されていた。
■家を守った代償
本来は失うはずだった家も、
自称経営コンサルのHさんの介入によって守られた。
住宅ローンは残ったまま支払い続けることになったが、
義母に文句を言わせないために必死で家だけは守り抜いた。
——にもかかわらず、その後は
「住宅ローンなんか組まなきゃよかった」と愚痴をこぼす。
守るために全力を尽くしながら、守った先では不満を抱く。
この状態は、痛みを回避しながら成長もしていない典型的な「崩壊もどき」だ。
■妻の本当の崩壊
一方で、相方の妻には“本物の崩壊”が訪れていた。
母親の支配と抑圧に従い、ずっと「いい子」を演じ続けてきた。
限界を越えたとき、その心は壊れ、統合失調症を発症。
家族のことすら認識できなくなったが、
グループホームに入所してからは、本人は楽しそうに過ごしているという。
皮肉にも、壊れたことでやっと本音で生きられる場所に辿り着いたのかもしれない。
■崩壊の本質
本当の崩壊は、外側だけではなく内側をも揺さぶる。
自分を縛ってきた価値観や役割が粉々になり、
その後の人生を全く違う視点で歩き始めることになる。
崩壊もどきは、安全圏を確保したまま外側だけを揺らす。
一見大変そうに見えても、本当の意味での解放や変容は起こらない。
相方は崩壊もどきで仮面を強化し、
妻は本当の崩壊を経て、今は別の形で生きている。
その対比を目の前で見せられた私は、
「崩壊とは何か」を改めて考えさせられたのだった。
