映画『HOLD UP MORNING』感想
「映画祭アドバイザー」を名乗ってたら感想文の依頼をいただきました。
感想書きにくい面はあるものの、面白い作品で良かった。
大阪では6/13(土)からシアターセブンで上映される模様。
丁度「シタンダリンタ傑作選」と同じ日程。
この週は迷わず、十三で映画観賞ですね!
映画『HOLD UP MORNING』公式サイト
感想
まず全体の感想としては面白かった。
最初伏せられている情報がストーリー進むにつれ適切に解放されていき、
最後まで飽きさせない。
また、設定が現実あるかないかギリギリをついてる所は
ファンダジーとして好感持てた。
最初は二見がツタといきなり暮らしてる事を飲み込めなかったけど、
静奈と出会うシーンの後には「なくはないかも?」な感覚になった。
しかしそれを優先させたためか、引っ掛かる点も多かった。
あらすじに
「最愛の人を失い、心を喪失してしまった青年・二見。
妻を亡くし、悲しみの行き場を探すラジオDJ・雨宮。
記憶障害と希死念慮に囚われる女・静奈。」
とあるけど、
二見の最初の方のシーンには心を喪失した描写ないし
雨宮は悲しんでる様子薄いし
静奈は記憶障害に囚われてる感じなくて
あらすじ二度見することになると思われる点だけは好きじゃないと思った。
ラストのシーン、たまたま銃が落ちてた事と
タイトル『HOLD UP MORNING』の説明の唐突感は雑だなと思った。
また、雨宮が何故静奈の父に「君が殺したと思ってる」とまで言われたのか
情報がなかったよな?と終わってから気になりだす点も少々。
…などとツッコミどころを挙げたけど、面白く最後まで観れる作品なので
観た人同士であれこれ話する余地ある、ともプラスに取れる。
好きなシーンは
夫となる雨宮が静奈に「合言葉を決めて記憶欠損に対応しよう」と提案
する一方、二見が「静奈さん」と名を呼ぶことで記憶を戻させたシーン。
とても美しく、恋に落ちる転換としても納得いくものであった。
この作品では「人生に意味などない」と主張されていて否定したくなるが
作品を観ると「人生"で起こる事に"~」なのかなと思った。
ツタと会った3人が影響されて救われてくのが王道パターンだが
この作品では結果何もプラスの影響がなく終わる。
「物語」をツタに話して表に出すだけ。
雨宮に至ってはそれすらなく事件に巻き込むだけ。
しかし、そういうものかもしれないとも思わせられた。
ツタはそれぞれが脳内で作り出した共通の架空の人物だったのかも?
とも思う。
キャストも世界観に合ってて、特にツタ役のつかささんは
ギャルっぽくもありどこか苦労した影も感じさせ、劇中では語られないが
ツタのこれまでの人生への想像をかきたてられた。
観終わってから"カートヴォネガット"と"タイムリープシンドローム"を
ググって欲しいと思う。
