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居抜き物件で造作譲渡料を鵜呑みにすると出店した日から赤字が始まる

居抜き物件、安く出店できると思って飛びつくと痛い目に遭います。
造作譲渡料の見積もりを疑わずに払ってしまった経営者を、私は何人も見てきました。
今日はその話をします。

居抜きの魅力は初期投資が抑えられることです。
内装や厨房設備がそのまま使えるから、スケルトンより数百万単位で浮くことも珍しくありません。
その魅力を活かせるかどうかは、見極め次第です。

造作譲渡料、そもそも何の対価か

造作譲渡料は、前のテナントが残した内装・什器・設備を引き継ぐための対価です。
不動産オーナーへの賃料や保証金とは別物なんですよ。
ここを混同したまま契約に進む人が本当に多いです。

譲渡料は前テナントと個人間で交渉する金額で、相場という相場が存在しません。
だからこそ、言い値をそのまま飲む経営者が後を絶たないんです。

まず疑うべきは退店理由

居抜き物件を見たら、真っ先に確認するのは前のテナントがなぜ辞めたかです。
繁盛していたのに家主都合で退去、なら好条件です。
業態が合わなかった、集客が続かなかった、家賃が重すぎた、だとしたらその原因はあなたの店にもそのまま乗り移ります。

不動産会社は「好調だったが事情により退去」としか言わないことが多いです。
言葉を鵜呑みにせず、周辺の評判や過去の営業実態を自分の足で確認してください。
面倒でも省略してはいけない工程です。

設備は見た目でなく稼働で判断する

厨房機器やエアコン、給排水設備は見た目がきれいでも中身が寿命間近なことがあります。
私は現地立ち会いの際、必ず電源を入れて動かしてもらうよう伝えています。
動かないまま引き渡された設備は、結局あなたの負担で入れ替えることになります。

リース契約の設備が混ざっているケースにも要注意です。
所有権が前テナントになく、リース会社に残っている設備を譲渡された気になっていた、という相談も実際にありました。
契約書に設備リストと所有権の記載があるか、必ず確認してください。

業態を引き継ぐ必要はない

居抜きは前の業態に引きずられやすいです。
飲食店の後に飲食店を出す、美容室の後に美容室を出す、それだけで出店を決める人は多いです。
立地そのものがあなたの業態に合っているかは、また別の話です。

前の業態がうまくいかなかった理由を業態変更だけでごまかすと、結局は設備を活かせずスケルトンに近い費用がかかることもあります。
造作をどう活かすかより先に、その立地でその業態が成立するかを見てください。

原状回復義務、誰が負うか先に決める

造作譲渡で一番揉めるのは退去時の話です。
前テナントの造作を引き継いだのに、自分が退去する時にはスケルトンに戻す原状回復義務だけ背負わされる契約、これは珍しくありません。
入口の時点で、退去時の条件を賃貸人と書面で詰めておくべきです。

言い値のまま契約書に判を押さない

譲渡料の相場感について、私がよく伝えているのは賃料の半年から1年分が一つの目安だということです。
それを大きく超える請求には、必ず理由を聞いてください。
理由が説明できない譲渡料は、ただの言い値です。

譲渡料は交渉できるものだと知っておいてください。
設備の残存年数、直近の使用状況、退去までの期間、これらはそのまま交渉材料になります。
私はいつも、譲渡料の内訳を項目ごとに出してもらうよう伝えていて、内訳を出せない譲渡料は精査されていない証拠だと思っています。

保証金は引き継げるとは限らない

前テナントの保証金がそのまま引き継がれるのか、新規に積み直すのか、これで初期費用は数百万単位で変わります。
造作譲渡契約書と賃貸借契約書、この二つを別々の書類として両方精査する癖をつけてください。

今日からできることは一つです。
気になっている居抜き物件があるなら、造作譲渡契約書と賃貸借契約書を並べて、設備リストと退去条件がどちらにどう書かれているか、今日中に確認してください。
それだけで、出店した日から赤字が始まる事態はかなり防げます。

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