テニス上達メモ580.同じ方向を見ると、関係性は機能する
ダブルス前衛は「振り向くな」と教えられます。しかしプロは、普通に振り向いています。問題は、振り向くかどうかではありません。同じ方向を向いているかどうか。ボールを見る。パートナーと同じ世界を見る。それができたとき、ダブルスもカップルも家族も、関係性は「機能」し始めます。
▶「振り向くな」はプロでも守らない
「ダブルスの前衛は後ろを振り返らず、つねに相手のほうを見ておきましょう」というよく聞くアドバイスは、ツアーレベルでは、一切守られていないのです。
これたまにありませんか??笑
— genju@テニスサークル:キングフィッシャーズの中の人🎾 (@columbia_0220) January 29, 2026
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ぶつけられると思ったから、振り返っていたのではありません。
振り返っていたから、ぶつかりそうなボールにも反応できたのです。
一般的な指導にならい、振り返らずに前を向いていようとするのは、ボールの飛んで行く先へ、視線を先送りする「目飛ばし」問題です。
今のボールはお構いなし。
先の結果を気にするのは、早く安心したいからです。
つまり、今が不安な心理の現われです。
▶ボールはつねに視界の中に
ボールに集中するとは、当然、パートナーである後衛側へ飛んで行った自分の後ろにある場合も、振り返って見ます。
すると、頭に向かって物が落ちて来たら避けるがごとく、感じるままに動けるから、動画のような反応になります(関連記事「感じるままにプレーする、とはどういうことか」)。
自分の後ろに行ったボールは、「自分は打たないから」とばかりに無視して、前を向いているのは危険。
次の瞬間には、打たれたボールが突然視界に飛び込んで来るものだから、目のピントを合わせるのが、(たとえ黄緑色であったとしても)難しくなってしまうのです。
▶勝つのは「気が合う」ではなく「機能する」ペア
ダブルスペアについて、再考しておきましょう。
ペアは、気が合うとか、相性がいいとか、必要ありません。
仲のよいブライアン兄弟は強かったけれども、兄弟は「他人の始まり」ともことわざは伝えます。
お互いにとって、乾いた言い方をすると、「機能」すればよいのです。
性格の相性なんて、関係ない。
初タッグでも、優勝したりします。
▶線引き不要、まずは自分で全部捕る
むしろ、お互いをよく知らないから奏功する場合もあります。
それが証拠に、互いをよく知る夫婦やアベックで出場したミックスダブルスをご覧なさい。
「あなたのボールでしょう!」
「ポジションが悪いぞ!」などと、領域侵犯も甚だし(いやはや)。
ダブルスに「あなたのボール」はありません。
ポジションの、縦割り・横割りの線引きも必要なし。
基本的には「全部自分が捕る」イメージ。
届かなかった結果として、パートナーに委ねます。
そうしないと「自分はボールに手が出ない」「パートナーは追いつけない」というふうになりがちです。
図星でしょう?
▶夫婦もライバルも、同じ方向を見ることが大事
付き合い始めたばかりのカップルならまだしも、夫婦は、お互いの顔を見つめ合う必要はありません。
「同じ方向」を向いていることが大事。
テニスで言えば、つねに同じボールを2人とも見ていると、そのペアは上手くいきます。
お互いが気の利くパートナーとして機能するからです。
それは、蹴落とそうとするのではなく、高め合おうとして機能する「ライバル関係」も同じこと。
「土居さんにとってのライバルは、やはり奈良くるみさんですか?」と問われた土居美咲のアンサーが参考になります。
お互いを指しているのではなく、互いに“世界”という同じ方向を向いた矢印というイメージです。ライバルというより戦友のような、「2人で世界に行ってやってやるぜ!」という。
▶同じ方向を向くと、関係性は育ち始める
犬を家族に迎え入れるとは、どういうことか?
その子のために、家族の全員が同じほうを向くと記事は伝えます。
「僕はご飯を用意する」
「私はトイレを取り替える」
「俺が散歩へ行ってくる」
「私たちが一緒に寝る」
親しくなるとは、そうして互いに、迷惑かけたり、かけられたりすること。
迷惑をかけるのは確かに、負担を強いるけど、それが次第に「お互いさま」と思えるようになってくるから親しくなれます。
そうして関係が「機能」しているうちに、愛情も芽生えるのです。
関係性は、出来合いとしてあるものではなく、ゼロから「育てる」ものだからです。
即効テニス上達のコツ TENNIS ZERO
(テニスゼロ)
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テニスゼロ代表
吉田無型(よしだ・むけい)
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