質問168:ボレーの反応が間に合わない
前衛で胸の位置にくる球が取れません
顔や頭上にくる球はラケットを上げればあたるのですが
それより下の位置だとラケットをすぐに下げることができません
回答
▶返球できるかどうかは「二の次」
これはテニスの絶対原則ですが、ラケットを打点のところに到達させるのが遅れて間に合わないと、絶対にボールは返せません。
当たらないことには、どうしようもないのです。
ですから、プライオリティは№1。
上手く打つとか、正確に返すとか、狙ったところへコントロールするなどという話は、この次、二の次です。
買わない宝くじは、絶対当たらないのと同じです(万万が一、高額当選してしまって、金銭感覚や人間関係、日常生活が破綻するのが怖いので、私は買いませんけれども……)。
また持ちすぎて、失うのが怖くなるのも、苦しみです……。
▶これで当たるようになる!
当たらないことには、どうしようもない。
そこでお試しいただきたいのが、どんなにひどいミスをしてもいいから、大ホームランでも、ネットの下のほうにボールが当たるミスでも、フレームショットで打っても全然構いませんので、その条件で、ボレーを試してほしいのです。
きっと、胸の高さも、ローボレーも、ラケット面は飛んできたボールのところに追いつくはず。
必要以上の丁寧、慎重、おっかなびっくりに、ならないからです。
ミスしてもいいと割り切ると、ためらいがなくなるからです。
条件は申し上げましたとおり、一切ミスを気にしないこと。
つまり「結果を考えない」です。
テニスにはこの反応が必要なわけです。
当たらないことには、どうしようもない。
ですから、プライオリティは№1なのです。
▶公式は「返す<当てる」
届きそうもない遠いボールや、ポトリ系の浅いボールなどでも、とにかく当てることがプライオリティワン。
しかし上手く返球することを優先してしまうと、ラケット面を打球方向に向けようなどと自分でも気づかないうちに意識的になって、動作が慎重になり、そのぶん遅くなって、当たるものも当たらなくなる場合がよくあるのです。
換言すれば、上手く打ち返そうなどとしなければ、届く(当たる)から、むしろ返せる可能性が高まる。
これも「努力逆転の法則」しかり、「顛倒」しかり、「ナイチンゲールの教え」しかり、「アズイフの法則」しかりで、意識とは逆へ逆へと展開するパターンです。
▶「バットに当てればチャンスある」byイチロー
米野球殿堂入りしたイチローは言ったそうです。
「バットに当てればチャンスある。嫌な選手って嫌なヒット打つ」
とにかく「当てれば」、何とかなる可能性がある。
逆に言うと当てなければ、ノーチャンス。
そしてイチローに倣って言えば、「嫌な選手って嫌なショット打つ」のです!
こちらでも述べましたが、アマチュアがフルスイングしたものの打ち損じて、意表外の浅いネット際落下となり、プロテニスプレーヤーからウイナーを奪ったシーンを私は実際に目撃したことがあります。
ですから結果は考えずに、「ラケットに当てればチャンスある」。
そしてイチローの言葉をパスティーシュすれば、「嫌な選手って嫌なショット打つ」です!
ややもすると私たちは、「きれいに打つ」ことばかり、考えがちかもしれません。
だから、むしろ当たらないし、当てられたとしても、相手にきれいに打ち返されもします。
こちらで述べている「上手いけど弱いプレーヤー」は返そうとする人、「下手だけど強いプレーヤー」は当てようとする人。
そんな見方もできると思います。
▶結果を気にすると結果が出にくい
ご提案した練習でお分かりいただけますように、結果を気にしなかったら反応、動きは格段によくなり、結果を気にしたら、反応、動きは遅れるという相関。
遅れたらあとで挽回しようと思っても、時間の帳尻合わせはもう取り返しがつかないから、結局ミスします。
結果を気にすると結果が出にくいというのは、この事実が根拠になっています。
とはいえこうご説明しても、多くのプレーヤーはまず「入れる」ことを考える。
だけどそれは順序が逆なので、ボールスピードが速くなると対応できず、上級者のゲームに交じったらついていけなくなるのです(関連記事「順序が大事」)。
「返す」より「当てる」が先。
いつも同じ例で恐縮ですが、パスタソースを麺にかけてから茹でてしまうと、出来上がりはベチャベチャになって台無しです(関連記事「順調に上達していくポイントは『順序』」)。
この順序を誤らなければ、お困りの低いボールに対するボレーも、返球率が高まると思います(関連記事「『成功しかない』必ず結果が出る方法!」)。
▶テニスは「ボール」で上手くなる!
ちなみに「プライオリティワン」といえば、テニスが上達するにあたってギアに関するそれは、フレーム(ラケット)でもなく、ストリングでもなく、ボールです(関連記事「打ちやすい打点に入るための『プライオリティワン』」)。
「公文式」のブレイクダウンを取り入れて意図的に『PLAY & STAY(プレイアンドステイ)』を使う場合でもない限り、使い古して内圧の保てなくなったペコ球で練習すればするほど、ニューボール(現実)に対するイメージのズレが拡大して、試合では「飛びすぎる」事態に苛まれかねません。
またボールの規格として、「254±0.3センチメートルの高さから強固な平面に落下させた場合、ボールの下端が135センチメートル以上147センチメートル以下にバウンドが収まらなければならない」定めがある以上、準拠しないボールで行なうテニスもはや、テニスですらないのです。
ですからプロの試合では、最初はウォーミングアップを含むから7ゲーム終了時、以降は9ゲーム消化ごとにボールチェンジが行なわれます。
改めましてイチローの言葉をもじれば、「ラケットに当てればチャンスある」。
そんな心持ちで前衛を務めてみてはいかがでしょうか。
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