サロン楽屋話029:忘れるのは当たり前。脳はそんな設計ではない
▶アドバイスを忘れる私は「頭が悪い」の?
スイングを意識すると、フットワークを忘れる。
フットワークを意識すると、スイングを忘れる。
「だから私が頭が悪い!」などと、思い込むのですけれども、忘れるのは当たり前です。
両方は、意識できません。
初めから「無理ゲー」やってます。
手を考えたら、足は考えられず、足を考えたら、軸は考えられず、軸を考えたら、ショルダーターンは考えられず、ショルダーターンを考えたら、オープンスタンスを考えられません。
それをほかの人は「ちゃんとできている」と思い込むから、自分にはできないと落ち込んで、自信を失うのです。
▶「これぞアカデミック!」に陥らない
テニスの上手い人は、グリップ名を熟知していて、それらを状況に応じて意識的に使い分けているからテニスが上手いなどと、勘違いするようなもの。
プロは、グリップ名すら知らないし、使い分けるのに、意識なんてしていません(関連記事「常識的なテニス指導だと、テニスを始めた初日からつまずく」)。
いいか悪いから別にして、引退してから「これぞアカデミック!」とばかりに、現役時代は知りもしなかったグリップ名を、覚えたり教えたりしているのです(関連記事「『物凄く上達する』」)。
▶グリップなんてテキトー。そんなの無理ゲー、詰んでいる
グリップなんて感覚的に、テキトーに、「こんな感じ」で握り変えているにすぎない。
いえ、「こんな感じ」という意識にすら、のぼりません。
そしてそれが、正解です。
プレー中、意識的に握り替えるなんて、「無理ゲー」です。
アマチュアが、プロよりも難しいことをやろうとするから、テニスがとても難しくなっています。
そんなことをやっていたら、すでに「詰んでいます」。
逆にそんな「無理ゲー」はもうやめて、もっとシンプルに、感覚的に、感じるままにプレーすれば、テニスはもっと簡単です(関連記事「明石家さんまさんはなぜ、テニスが上手いのか?(副題:『願い事がなくなりますように』に宿るイメージの力)」)。
▶スイングを切り取るから、ぶつ切りになる
ボディターンも、ローディングも、プロネーションも、サーキュラーなんちゃらも、意識しなくて構いません。
もっといえば、スイングの基本とされるテイクバックも、フォワードスイングも、インパクトも、フォロースルーも、忘れてください。
ボールが飛び交うコート上でそれらを意識するのは、複雑すぎます。
それらは、全体のワンスイングを部分的に切り取った「後づけ」でしかありません(関連記事「すべての技術的アドバイスは『後づけ』である(自分の宝の見つけ方)」)。
切り取るから、なめらかにつながらないのです。
▶うちわを扇ぐのは何グリップ?
グリップについて考えるから、ちょっとした違和感が気になるのです。
うちわを仰ぐのに、風を自分に向けるときはイースタン、相手に向けるときはウエスタンなどと、いちいち考えないでしょう?
「テニスはうちわほど単純じゃないから、ちゃんと考えないと上手くいかない!」と、思う人もいるかもしれないけれど、逆なのです。
テニスはうちわほど単純じゃない複雑だから、考えたら、余計にもっと上手くいかなくなります。
ある外国人著者のゴルフ教則本には「食べ物を口にインさせるなら、意識しなくても百発百中成功させることができるのに、手の動かし方を意識したら口元を外してしまった!」というようなエピソードが、赤裸々に明かされていましたが、冗談ではなく、本当にそうなる(関連記事「お箸の扱いさえ『意識』すると……」)。
テニスで言えば、大の大人が「空振り」するのです(関連記事「サーブ『空振り問題』発生」)。
▶「教えない指導」「教えない授業」「教えない教育」の真価
テニスは、注意すること、意識することを、増やせば増やすほど、複雑になって難しくなるから、上手くいかなくなるのです。
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スポーツ教育にはびこる「フォーム指導」のあり方を是正し、「イメージ」と「集中力」を以ってドラマチックな上達を図る情報提供。従来のウェブ版を改め、最新の研究成果を大幅に加筆した「note版アップデートエディション」です 。https://twitter.com/tenniszero
