質問172:サーブの時に、右足が前に出るのはおかしい? グリップが厚くなってしまう…
サーブの時に、右肩を回した後、腰が回り
右足が前に出てしまいますが、おかしいでしょうか?
また、薄く握っても 背中でラケットダウンすると
厚くなってしまいフラットしか打てません。
どうしたら握り方を固定出来ますか。
腕に力を入れると、飛んできません・・・
回答
▶右足着地のビッグサーバー
まず右足が前に出てくるというのは、(右利きのサーバーであっても)特におかしいことではありません。
おそらくフィニッシュ時に右足が前に出てくるというふうに拝察しますが、そのように一歩踏み出して体重移動を促す指導もあるほどです。
もしそれが、※※様が意識せずに生じる動作なのであれば、まったく問題はありません。
昔、ボリス・ベッカーという選手がいましたが、彼は右足着地のスタイルの、時速200キロを越えるビッグサーバー。
だけどそれが間違いだとは、おそらくだれも言いませんでした。
https://www.youtube.com/watch?v=7gqomeA9xKs
▶フォームに正解なんてない
「正しいフォームで打ちましょう」とは言われますけれども、そもそもフォームに正しい、正しくないという成否は、存在しません。
何か決まった正解があるわけではないのです。
その時、その状況で、そのプレーヤーが持っているイメージに応じて生じる必然性があったために現れるのがフォームだからです。
▶ベッカーのグリップも厚かった
また、グリップが厚くなってしまうという件につきましても、ベッカーはやや厚めの握りでサーブを打っていました。
厚いグリップだから間違いというわけではないし、厚いグリップだからフラットしか打てないということもありません。
もちろんベッカーひとりを引き合いに出して一事が万事というつもりはありませんけれども、見渡せばパブリックのテニスコートでも、厚めのグリップでサーブをコントロールできるプレーヤーは多く見つけられます。
▶フォームは「原因」ではなく「結果」
逆にいえば、形だけ薄いグリップに握り変えても、回転をかけられないという人はごまんといます。
もちろん、薄いグリップが間違いというわけでもない。
その人が、そのとき持っている筋力、柔軟性、ボールを捕らえる感覚等が統合されたイメージに従い、その形になって現れているフォームは「結果」です(ボールに回転をかけられる「原因」ではない)。
▶回転をかけるには、どうすればいい?
確かに、肩やひじ、手首といった関節可動域の構造上、サーブでボールに回転をかけるにあたって薄いグリップは合理的ではありますが、現段階ではグリップを、意識しないほうがいいとご提案いたします。
なぜなら統合されたイメージに基づき、薄く握っておいてもラケットダウン時には、どうせ厚く握り変わるからです。
では回転をかけるには、どうすればいいか?
曲がり方、落ち方、跳ね方、回転による弾道変化のメカニズム、インパクトの感触、音などの、打つ球種のイメージを事前に入れておいて、あとは飛んでいくボールの回転を、見えなくても見るように努めます。
回転がまったく見えなければ、スピードを落としたり、『PLAY+STAY(プレイアンドステイ)』などのカラーボールを使ったりする「回転の味見」も有効です。
そのうちグリップは、自然と※※様にとって最適な形に変化してきます。
▶フォームを固めるから力む
薄い握りに固定しようとして腕(こぶし)に力を入れると、ボールが飛んでいかなくなるのは、必然。
「フォーム固めが大事」とは言うけれど、フォームを固めるから力むのです(関連記事「『フォーム固め』という呪縛」)。
フォームを意識すると力む→力むから飛ばなくなる→飛ばなくなるからさらに力む、という悪循環になりかねません(関連記事「力まないコツは?」)。
▶イチローは言った。「『変える』と『変わる』は全然違う」
(グリップを含む)フォームを正したからといって、イメージどおりのボールが打てるのではありません。
イメージとして備えているボールを打つための、ふさわしいフォームが現れるのです。
イチローは言いました(『月刊スラッガー』 日本スポーツ企画出版社刊 2001年4月号)。
「言っておきたいのはフォームを変えたのではなく、変わったのだということです。変えるのと変わるのでは全然違うと思います」(関連記事「自己肯定感そのものが、才能を開花してくれる『宝』」)。
▶「変えられない」けれど「変わる」
変化を強要するのではなく、変わるまで「待つ」ことが大事。
よく言われるように、他人を「変える」ことはできないけれど、無条件に他者肯定していればイメージが刷新され、自他ともに「変わる」のと同じです。
焦って先にグリップだけ教科書どおりに変えようとすると、(薄く握っておいてもラケットダウン時に厚く握り変わってしまうから)、できない「自分責め」をして、悩みを深める自己否定に走りがちなのでご注意ください。
▶今はこれでいい
まずは自分の打ち方やフォームを「今はこれでいい」と肯定するのが大前提。
「ここがダメ」「あそこが間違っている」というイメージに基づくと、ダメで間違ったテニスに仕上がってしまいます。
言い方を変えれば「足るを知る」のです(関連記事「やる気を出す『唯一の方法』」)。
前向きな変化(進化)は、そこから始まります。
即効テニス上達のコツ TENNIS ZERO
(テニスゼロ)
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