テニス上達メモ192.テニスは、「陸で泳ぐ」こと
小野田倫久プロが語る「無」の真髄。
それは、「泳げる人」と同じ感覚でテニスができるようになるための鍵。
技術アドバイスという「結果論」から抜け出す方法をまとめました。
▶息継ぎは「奇跡」か、「なんとなく」か
突然、泳げない人から「泳ぎ方を教えてください」 と頼まれたら、あなたは教えられますか?
彼ら彼女らは、まったく泳げません。
水に浮くことすら困難、 息継ぎができるなんて「奇跡」だと思っています。
たとえばそんな彼ら彼女らが「どうやって息継ぎしているの?」 と 聞いてきたら、そのとき、泳げるあなたはどう答えますか?
首を傾ける角度を意識させますか?
体の軸を安定させることを指導しますか?
いえ、きっとあなた自身、そんなことは考えてもみないはず。
恐らく、「吸おうと思えばちゃんと吸える」や、 もっと言えば「何となくできる」 などではないでしょうか(笑)。
▶上級者の本音は「オートパイロット」
私はかねてより、テニスの上級者が上手く打てているのは、 「普通に打てばちゃんと当たる」や「何となく」というのが、彼ら彼女らの本音であるということを、何度もお伝えしてきました(関連記事「質問063:プロ級の上級者はフォームなど気にしていない!」)。
そこには、頭によるフォームのメカニズム等についての理解は、ほとんどありません。
「体の感覚」こそが、上手く泳ぐ、上手く打つことを、無意識レベルで、オートパイロット的に実現しています(関連記事「どこまでも遠くまで上昇していくテニス」)。
▶「狙い方」は後からついてくる
テニスプレーヤーはよく、 「どうやってストレートに打つの?」と聞いてきます。
それは、泳げる人に「どうやって右に曲がるの?」と聞くようなものです。
答えは、「行きたい方向に向かって泳げば、ちゃんと行ける」であり、テニスでいえば、「打ちたい方向に向かって打てば、ちゃんと打てる」 ということになります。
もちろんテニスの場合はミスもしますが、ある程度の方向性は感覚的に出せるはず。
それを、打球タイミングの精度によって、収束させていけばいいのです。
メカニカルな狙い方は、ないのです。
▶技術アドバイスはすべて「結果論」
もちろん、右に方向転換するには、「左手で水をかく」などのフォームに関する見た目の指摘はいくつもできるのですが、それは「右に曲がろう」とした目的を実現するために現れる「結果」でしかありません。
ですから、いいか悪いかは別にして、「フォームに関する技術的アドバイスはすべて後づけ」と言えるのです。
▶「できる」からといって「教えられる」わけではない
泳げる人だからといって、泳ぎ方を教えられるわけではありません。
同様にテニスができる人だからといって、テニスを教えられるわけではないのです。
逆に言えば、イメージと集中について説明できるのであれば、テニスをプレーしたことがなくても、ある程度までは、フォームを教えようとする指導に比べれば、かなり上手に教えられます。
▶ジュニアが上手くなる理由
子どもの指導であれば問題ありません。
彼ら彼女らが運動の仕方を覚えるには、「感覚的にならざるを得ない」ですから。
誤解を恐れずに言えば、「深く考える思考能力がまだない」からです。
ですから、水で遊んでいれば泳げるようになるし、テニスなら、楽しく打ったりゲームをしたりしていたら、自然と上手くなります。
そこに、小難しい「意識」を、介在させなければ――
▶「1000球ラリー」を可能にする感覚の磨き方
一方大人を指導する場合には、なかなかそうはいきません。
感覚的にできるようになるための、相応のコツが必要です。
我々テニスプレーヤーは、「泳げる人」と同じ感覚で「テニスができる人」になることができます。
すなわち、体力が続く限りいつまでも泳いでいられるように、ラリーもその気になれば、ずっと続けられるようになるのが1000球ラリーの正体です。
私の好きな小野田倫久プロは、その真髄を「無」と言い表し、荒川晴菜プロは「私も」と同調。
「何も考えなくてもできる」 という状態です。
https://youtu.be/EExijaei9m4?t=1784
▶「感覚」に委ねて自由を手に入れる
調子が悪いからといって、突然泳げなくなる不調がないように、日によって突然、バックアウトやネットミスが増えるようなアップダウンが、なくなりますように。
これから、生涯にわたって困らないテニス能力を求めるならば、頭で考えるのではなく、感覚に委ねて、感性を磨く方向で練習しないと、徒労を重ねてしまいます。
感覚に委ねて感性を磨く。
その先に、「本当の自由」はあります。
即効テニス上達のコツ TENNIS ZERO
(テニスゼロ)
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テニスゼロ代表
吉田無型(よしだ・むけい)
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スポーツ教育にはびこる「フォーム指導」のあり方を是正し、「イメージ」と「集中力」を以ってドラマチックな上達を図る情報提供。従来のウェブ版を改め、最新の研究成果を大幅に加筆した「note版アップデートエディション」です 。https://twitter.com/tenniszero