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質問1603:見にくい部分に集中すると、力んでしまう?

見やすいものだと集中できる。
でも、見にくいものだと急に力む。
能力の問題ではありません。
ピントの問題です。

質問
吉田様


先日はありがとうございました。
再び気になったことがあったのでご質問させていただきます。
前回のご質問の際は視線を細くするよう教えていただきミットのど真ん中を見るようにしたことでさらにコントロールが安定しました。

そこで日常生活でも適当な所をただ見て視線を細くする練習を最近始めました。その時個人的に見えやすい部分(小さな点、円の中心、文字の角など)であればただ見ているという感覚があるのですが、あえて見にくい部分(何の柄もない壁や文字と文字の間の空間とか)を見て視線を細くしようとすると急に難しく感じて目を凝らして一生懸命見ようとする状態になります。(その時力むのか呼吸が若干苦しくなるような感覚もあります。)
それが気になると今まで見やすかったものまで見えにくくなったりしたのでそういった練習は見やすいものだけを見た方がいいのでしょうか?


よろしくお願いします。

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▶ピントが合わないと、力む


それは、ピントを合わせる対象がないと集中しにくい、という理を表しています。

カメラのオートフォーカスをご想像ください。

ピントを合わせる対象がない空間に向けてシャッターを半押しすると、ジー、ジ、ジー、ジーーーといったように、なかなかピントが定まりません。

これが、ご自身の身に起こっている、凝視して力んだ状態です。

▶集中は、むしろ楽


ご体験いただきましたように、集中すると一般的には「緊張して疲れる」と想像されがちですが、むしろ楽ですよね。

集中できないときのほうが、力んだりして、よほど疲れます。

ジー、ジ、ジー、ジーーーといった感じで、脳や視神経に負担を強いています。

それがストレスなのです。

▶見え続けている安心感


そして、その緊張との兼ね合いから、集中できているときには安心感がまったく違うはずです。

テニスのたとえになりますが、ボールをずっと目で追い続けられていると、プレー中は体はアクティブでも、心はリラックスしていられます。

しかし、インプレー中にいったん目線を切ると、急に視界へボールが飛び込んでくるフェーズとなり、慌ててしまうのです。

▶目線を切ると、慌てる


例えば一般的なテニスレッスンでは、ダブルスの前衛は、パートナーの後衛側にボールが行っても後ろを振り返らず、前を向いておくように指導されます。

後ろを振り返っても、どうせ自分はプレーに関与できないから、次に相手から打ち込まれる返球に備えて前を向いておく、というわけです。

ところが、そうするといったんボールから目線が切れます。

次の瞬間には、いきなり視界へボールが飛び込んでくる緊急対応となり、慌てるのです。

▶世界は、振り返っている


ですから、常識的なテニス指導ではそのように教えられるものの、世界レベルのダブルスでは、前衛もみな、パートナー側へボールが行ったときには後ろを振り返っています

前を向き続けているプレーヤーは、パートナーがサービスを打つときを除いて、ほとんどいません。

サービスは速くて目で追い切れず、追おうとすると余計に目線が不安定になるため、除外されるケースがあるのです。

追い切れるスピードであれば、ボールから目線を切らずに集中し続けるのです(関連記事「世界最高峰の舞台で無視されるアドバイス!?」)。

▶関与しなくても、見続ける


自分がプレーに直接関与するかどうかは関係ありません。

インプレー中はずっとボールに集中し続けることが、肝心であり、そして安心でもあるのです。

人は安心な精神状態にあるとき、のびのびと力を発揮できます(不安な状態でも火事場の馬鹿力は働きますが、持続性は期待しにくい)。

つまりボールへの集中が、心を安定させる具体的なメンタルコントロールにもなっているのです。

▶焦りは、体の反応


話を戻します。

オートフォーカスのカメラを構えて半押ししたとき、ずっとピントが合わないでいると、シャッターチャンスを逃すので焦ります。

焦ると人は心拍数を上げて、アクティブなモードに入ります。

それは適切な体の反応ではあるものの、呼吸が浅くなって苦しくなるのは、そのためです。

▶一点に絞る練習


では、集中の手習いです。

日常生活でトレーニングするなら、実践されましたように、文字と文字の間というより、一文字に集中します。

一文字の中でもさらに、書き出しの左上の角にフォーカスを絞り込んで見る、などです(関連記事「ボールの『回転』や『ケバケバ』が、見える見える!」)。

周りの文字が判読できなくなったら、集中が適切に機能している状態です。

そこにピッタリと目のピントを合わせ続けたまま、動作中もぶらさないようにして、ピッチングを行うイメージです。

お伝えしましたように、投げ終わったあとも集中し続けます

▶対象は、自分で作る


裏を返して言うと、集中するにはピントを合わせる対象を、無理やりにでも見つけたり作り出したりすることです。

何もない空間の中にも、シミやシワやヨレを見出してみてください。

そういう小さかったり、色が薄かったり、不確かだったりする対象への集中が強化されれば、今度は大きかったり、色が濃かったり、確かな対象への集中は、相対的に楽になります。

▶リアルだから充実する


うちはかけ流しだからやりやすいという理由もありますが、お風呂の水面に生じるさざ波に集中します。

現れては消える諸行無常。

きらめく様はアートのよう。

集中していると充実して、時が経つのも忘れます。

これが大げさではなく、リアルな充実(リア充)という意味です。

バーチャルな思考に人生が乗っ取られると、感覚的な「実感」が伴わず、空洞化して、虚しくなるのです。

▶集中も順序が大事


集中というと、勢い「無」になることを想像しがちですが、その前に「一」を通過する必要がある

そのための一点集中(関連記事「無心に入る『その前』に」)。

無心へ至るには、「順序が大事」です。

即効テニス上達のコツ TENNIS ZERO
(テニスゼロ)
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テニスゼロ代表
吉田無型(よしだ・むけい)

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