質問134:『置きに行く』または『当てに行く』感じになってしまい振り切る事が出来ない(副題:バコラーになる方法)
メールサポートに回答頂きまして、自分なりに取り組んでいる所ですが
またご教授頂きたくメールさせて頂きます。
以前に比べるとかなりボールを見る事が出来るようになってきたとは思えるのですが、
まだまだ打つ際のタイミングに違和感を覚える事が多々ありまして・・・(^^;
(上手くタイミングが合わずにボールを『打つ』と言うより『置きに行く』
または『当てに行く』感じになってしまい振り切る事が出来ないと言いますか・・・)
特に脚が上手く合わない感じで、素振り及び壁打ちの時は左足が前で
リズムよく振り切れて体全体で打つ事が出来るのですが、
コートに入ってボールを打つとなると何故だか右足が前になってしまい
気持ちの良いタイミングで打てなかったり手打ちになってしまったり・・・
回答
▶踏み込み足はどちらでも構わない
素振りや壁打ちでは振り切れるのに、コートに入ると上手く打てないという場合、フットワークに問題があります。
といっても(恐らくフォアハンドだと思いますけれども)、打つ時に左足が前になろうと右足が前になろうと、そのような「フォーム」については、どちらでも構いません。
形をきっちり決めようとするほど、対応力を落としてしまうのでご注意ください(「左足を踏みこまなきゃ!」という思いが、打球タイミングを喪失している原因にもなり得ます)。
▶壁打ちのボールは「死んでいる」
フットワークに問題があるというのは、「ベースラインを基準に立ち位置を決めてしまっている可能性がある」ということです。
どういうことかというと、壁打ちではほとんど深いボールはない(あっても、バウンド後のボールは死んでいる)ため、ベースライン上に立ち位置を取っても打ちやすいのですが、実戦では「深く生きたボール」も飛んでくるため、それでは対応に苦慮します。
このボールが基本的にはいちばん難しいので(※)、このボールが楽に捕れるようにポジショニングすることが望ましく、そのためには当然、基本のポジションは(バウンドの上がり際を捕らえるライジングショットで打ち返すのでない場合)、ベースラインよりも後方に下げるのが適切です。
※もちろん、相手に打たれた「超浅いドロップショット」も捕るのは難しいため、そういう意味で「基本的に」と但し書きしました。
▶テニスも「ヒット&アウェー」
下がって構えておけば、浅いボールを落とされたら前に走らなければなりません。
そのようにして「ライン」ではなく「ボール」に応じてポジションを前後に入れ替えられる動きが、すなわち「フットワーク」です。
テニスもボクシングと同様、「ヒット&アウェー」。
相手の浅いボールに応じて打ったら、すぐに下がって相手との距離を取る一撃離脱。
この盤石なラリーがベースにあってこそ、次のステップとして、ポジションを上げる攻撃的なプレースタイルへ移行できます。
▶「バコるテニス」の作り方
『置きに行く』または『当てに行く』感じになってしまい振り切る事が出来ないと言いますか・・・
今、そのようなスイングだからといって、意識して振り切りに、いかないでください。
「ヒット&アウェー」のフットワークが機能し、自分が打ちたくなるボジションへ適切に入り、なおかつ振り切るイメージがあれば、体は勝手に振り切るようになります。
「バコるテニス」はバコらせようと能動的に強く打ちにいくのではなくて、上記の条件が整ったときに現れる受動的な体による反応。
https://www.youtube.com/watch?v=iPCJLcxVPJw
※いくらハイライトだとしても、あのラファエル・ナダルを手玉に取っているようにすら見える、ダスティン・ブラウンの驚異……。
▶「バコラー」になる方法
バコラーになるには、スイングスピードを意識して速めたり、スピンを思い切りかけようとしたり、ボールをつぶすインパクトにしようとしたりしても、叶いません。
バコラーになるには、上記のような条件が整うように、ポジションにピタッピタッと入れるフットワークに磨きをかければ、なれます。
体が手加減せず、打ちたがるのです。
▶追伸1:「壁打ち名人」の正体
壁打ちは、体を動かすエクササイズ目的などでやるならまだしも、オンコートのテニスとは似て非なるもの。
つまり根本的に違うのです。
むしろ本文で述べたような体験を積み重ねるので、根本的に違う以上、「現実に対するイメージのズレ」を作ってしまいかねない恐れがあるほどです。
オープンスキルのテニスをクローズドスキルに変換するから、全国に「壁打ち名人」は少なくありません。
彼らは、壁では大道芸人よろしく、アクロバティックな動きを披露できます。
▶追伸2:「壁依存」はこうして生まれる
しかし根本的に違うのだから、そういう人がオンコートに出て同じ感覚で打てば名人級のテニスができるかというと、まったくそうはなりません。
「現実に対するイメージのズレ」に苦しみ、壁打ちで合っていた打球タイミングがどうしても合わなくなり、相手に打ちのめされる前に自滅します。
するとどうするかというと、また壁に戻って自信を取り戻したくなる強迫観念にとらわれるから、私は「壁依存」と呼んでいます。
すると、壁ではまた打球タイミングが合い始める。
すなわちそれは、「現実に対するイメージのズレ」を強化、拡大している体験量を増やしているのです。
即効テニス上達のコツ TENNIS ZERO
(テニスゼロ)
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スポーツ教育にはびこる「フォーム指導」のあり方を是正し、「イメージ」と「集中力」を以ってドラマチックな上達を図る情報提供。従来のウェブ版を改め、最新の研究成果を大幅に加筆した「note版アップデートエディション」です 。https://twitter.com/tenniszero