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質問164:今ものすごいスランプに陥っている。特にサーブ後のミスが多い

今ものすごいスランプに陥っています。打ち込もうとすればアウトになり、安定させようとすればネットに引っかかり、思ったところにうとうとしても、その場所に行かなかったりします。どうしたらいいのでしょうか?
とくにサーブを打った後がミスが多くなります。

回答


▶すべてやめてみる


特にスランプを自覚されている今は、「打ち込もうとする」「安定させようとする」「思ったところに打とうとする」という、やろうとしているプレーを、すべてやめてみることをご提案します。
 
「それじゃあ、どうやって打てばいいんだ!」とお思いになるでしょうから、ご説明します。

▶感じるままに動く


仰せの「打ち込もう」「安定させよう」「思ったところにうとう」といった「何々しよう」は、未来志向
 
心は今にいません。
 
頭で考えながらのテニスになっているのです。
 
テニスを上手くプレーするには、「(これから)何々しよう」とするのではなくて、今のボールにぴったり心と体が追随し続けるようにする。
 
そうして今、「感じるままに動く」のです。
 

▶ボールとの同調を途切れさせないために


そうなるためのご提案のひとつは、ボールに対して体を「操り人形化」させる(関連記事「体を「操り人形化」させる」)。 

体がボールと、「見えない糸」でつながっていて、ボールの動きに応じて操られるようなイメージでプレーします。
 
そこに、「何々しよう」の意思・思考は生じにくい。
 
「今」にいます。
 
操り人形が糸で操られる前に、勝手に「何々しよう」と考えて動いてしまうと、操り手(ボール)との同調が途切れてしまうのです
 
後述する「早く・速く動きすぎる問題」が発生します。

▶「得よう」とするから「怖くなる」

 
それから、「何々しよう」は、ポイントを「得よう」としているのだと思います。
 
顕在意識で「得よう」と考えると、潜在意識には、自分は「足りてない」イメージが書き込まれます。
 
ですから得ようとすればするほど、心配になって「怖くなる」のです。
 

▶未来と不安は「共犯関係」

 
財産と同じで、貯めようとすればするほど、「足りてない」イメージになるから「怖くなる」。
 
これも、いつかのための「未来志向」と言えるでしょう。
 
未来と不安は切っても切り離せない共犯関係
 
得ようとばかりしていると、たとえ大金持ちであったとしても、戦々恐々とした人生になります。

ですから苦しまない生き方を説く仏教では、欲を「三毒」と定めます。
 
逆に言えば、今と安心は「仲良しペア」です

今にいるとき、私たちは不安になりません。

▶気持ちよく支払う幸せ(『お金のむこうに人がいる』)


もちろん散財するのがいいわけではないけれど、『お金のむこうに人がいる』ことを思って気持ちよく支払えば、今、「安心する」のです。
 
そして今、安心するその連続する先に、安心していられる未来があります
 
潜在意識では自分が「足りている」イメージですからね(関連記事「『足るを知る』を『ガマンする』と解釈するのは、自己肯定感の低さに由来?」)。
 
ですから寄付はされるよりもするほうが幸せを感じる調査報告がなされています(関連記事「寄付、賽銭、布施、その心は『富む』」)。
 
性格にもよるかもしれませんけれども、お金ではなく、心の安心が最優先(もちろん貧困には公的な支援が今すぐ必要)。
 
これが幸せな人生です。

▶タイガー・ウッズの「入れ!」


付随するエピソードとしてご紹介します。
 
ゴルファーのタイガー・ウッズは、対戦相手のパットが外れたら自分が勝って優勝するという瞬間に、本気で相手のパットが「入れ!」と願う話は有名です。
 
普通なら、自分が勝ちたいから「外せ!」ではないでしょうか。
 
勝ち負けを度外視してゴルフを心底楽しんでいるのだし、それ以上に、高度なレベルでプレーできるセルフイメージがそう願わせるのだと思います(関連記事「プレーを『楽しむ』のが最高(フェデラーの例)」)。
 
「外せ!」はどこかで怖れているイメージ。
 
「入れ!」はすでに満ち足りているイメージ。
 
これが、「得る」より「与える」ほうが安心で幸せな話と、通じているように思います。

▶サーブ後は「ヒット&アウェー」する


サーブを打ったあとにミスが多くなるのは頷けます。
 
ラリーのリズムがまだできていないですし、サーブからストロークへ移る際には、動きもグリップも変位が大きくなるのが一般的だからです。
 
上記の「操り人形化」のご説明と矛盾するようですけれども、具体的な対策としてサーブを打ったあとに、「ヒット&アウェー」はできているでしょうか(関連記事「『質の高いフットワーク』の正体」) 

多くの場合、サーブを打ったあとにはその動作の勢いで、ベースライン内に体が入り込んでいると思います。
 
その場にい続けてしまうプレーヤーが案外いて、相手のリターンが深く返ってきたときに、対応に苦慮します。
 

▶前へ出るvs.後ろへ下がる


もちろん、相手のリターンが浅かったら、ポジションを上げる必要はあります。
 
またプレースタイルや戦術にもよるでしょうけれども、だからといって特にお伝えいただいているようなスランプ中だと、ベースライン内にいるのは危険
 
基本的には、相手のリターンが浅いよりも深いほうが、自分の立場は厳しくなります。
 
また前に出るよりも、後ろへ下がるほうが、人の動作として遅れやすい。
 
なのでステイバックなら、サーブを打ったらあらかじめヒット&アウェーしておいて、いったんベースライン外にポジションを戻してみてはいかがでしょうか。
 

▶サーブ&ボレーの出足は「ゆっくり」

 
もちろんサーブ&ボレーに出るならまた話は別です。
 
ただしこの場合も急いでダッシュすると、相手のリターンに対して、ファーストボレーの対応が難しくなります。
 
出足はゆっくりで構いません。
 
その代わり、自分の打ったサーブの飛んでいくボールの回転に集中してください。
 

▶スプリットステップは「ブレーキ」

 
そしてサービスダッシュに出たら、相手がリターンを打つタイミングに合わせて、スプリットステップで「ブレーキ」
 
スプリットステップは、動きの弾みをつける「アクセル」だと思われがちですが、むしろ出足を止める「ブレーキ」なのです(関連記事「スプリットステップは『ブレーキ』」)
 
これは何もサーブ&ボレーに限った話ではありません。
 
リターン時もラリー中もスプリットステップは、「早く・速く動きすぎる問題」を解消して出足、勇み足を踏み留めるための、おもな役割は「ブレーキ」なのです。
 

▶サーブ&ボレーも「アズイフの法則」

 
改めまして、サービスダッシュの出足を急ぐから、焦るのです。
 
悲しいから泣くのではない。
 
泣くから悲しくなる。
 
焦るから急ぐのではない。
 
急ぐから焦る。
 
サーブ&ボレーも、「アズイフの法則」に当てはめられそうです(関連記事「幸せは『なる』のではなく『する』もの」)。

心理学者ウィリアム・ジェームズが提唱したとおり、行動や体験が先で、感情があとです。
 
まさか先に寂しいから、後で喪失体験をするのではないですからね。

先に喪失体験をするから、後で寂しくなるのです。

喪失すれば、悲しくなるのは当たり前の反応。

ですから悲しいときは悲しい感情を否定せず、ありのままの自己肯定で自分に優しく寄り添ってあげられますように

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