テニス上達メモ584.楽しそうに負けている子は、きっと強くなる
ニック・キリオスに、コテンパンにやられる女の子。
でも、どこか楽しそうです。
テニスが伸びる瞬間は、技術を教わったときではなく、「楽しんで夢中になれたとき」。
▶キリオスコーチ参上
手加減しないニック・キリオス。
圧倒的なのに、場の空気は軽く、楽しそう。
女の子は股抜きショットにチャレンジします。
プレーヤーはこういうコーチとテニスを楽しんでいたら、どんどんどんどん、上手くなるでしょうね。
https://x.com/i/status/2016709804455305467
プロの強さを見せつけるキリオスさん。
— genju@テニスサークル:キングフィッシャーズの中の人🎾 (@columbia_0220) January 29, 2026
こういうのも良いと思う。笑
pic.twitter.com/pZ5oFT4A24
https://x.com/i/status/2016709804455305467
▶テニスが上達しない「二重構造」
テニスが上達しにくくなる場面として、「二重構造」があるのではないでしょうか。
ひとつは、「ストロークのスイングはインサイドアウト」「ボレーの構えはワキを開く」など、技術的な注意に意識が向くこと。
もうひとつは、言われたとおりにやらなきゃと意識するあまり、それを見ているコーチの目が気になること。
監督や先輩や親の視線です。
このダブルパンチが、キツイのです。
ですから今、「指導しない指導」などという、一見すると矛盾しているような指導法が、注目されています(関連記事「『指導しない指導』が、最大級の効果を発揮する」)。
▶「指導しない指導」は、なぜ成立するのか?
ただ、必ずしも矛盾とは言い切れません。
『インナーゲーム』に登場する「カバの母さん」に象徴されるエピソードが、実践されているのです(関連記事「カバの母さん賢い母さん、教えずに泳がせる」)。
テニスに限らず一般に、「上手くいった・いかない」で一喜一憂する指導は、生徒に強いプレッシャーを与えます。
これは、テニスの師弟関係に限った話ではありません。
親と子。
医者と患者。
介護者と老人。
指導する側が、良いときには喜び、悪くなれば憂う。
その気持ちは自然ですが、その揺れは、そのまま受ける側に伝わります。
医者が一喜一憂すれば、患者は不安になる。
親が結果に過剰反応すれば、子どもは顔色をうかがうようになります。
教えたり教わったり、助けたり助けられたりする役割は、固定的ではありません(関連記事「教える人と、教わる人は、固定されていない」)。
▶「認められたい」が、集中を壊す
技術的な注意事項と、指導者が見つめる視線の、いわばダブルバインド。
「コーチに認められたい」「親に褒めてもらいたい」気持ちも、プレーヤーの能力開発を阻害します。
本当は、コーチや親と一緒にプレーしていると「楽しい」でなければ、上達しないのです。
「楽しい」とは、誰に認められなくても、褒めてもらえなくても、ワクワクするような感覚。
冒頭のキリオスコーチ。
あるいはこちらで述べたように、2時間が20分に感じられるようなレッスンです。
▶成績より先に、夢中があった
学生時代、楽しい先生の科目は、成績がよかったのではありませんか?
それが、夢中になるということ。
自然に集中する、という体験です。
認められたり、褒められたりすれば、確かに「嬉しい」かもしれないけれど、それが「楽しい」とは限りません。
子どもの思いは、親に、褒めてもらいたいのではありません。
親と、楽しみたかったのです。
▶「楽しんでほしい」という願い
余談ですが、観客とプロしかり。
応援してくれているのは分かっているけれど、いい時には拍手してくれるのもありがたいけれど、悪いときに「ため息ばかり」では、さすがにキツイ。
だから憤懣やるかたなく、伊達は叫んだ。
伊達は、お客さんに、楽しんでほしかったのです。
即効テニス上達のコツ TENNIS ZERO
(テニスゼロ)
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テニスゼロ代表
吉田無型(よしだ・むけい)
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スポーツ教育にはびこる「フォーム指導」のあり方を是正し、「イメージ」と「集中力」を以ってドラマチックな上達を図る情報提供。従来のウェブ版を改め、最新の研究成果を大幅に加筆した「note版アップデートエディション」です 。https://twitter.com/tenniszero