サロン楽屋話050:筋力ではなく慣性で打つ──「腕重」が生むボールパワー
「体重を乗せて打て」と言われますが、腕の重みももちろん「体重」。器用に使える部位だから、対応性が高いのです。その場合、筋力で振るより、滑走性を高めるための脱力がポイント。体重移動だけにこだわらず、腕の「重み」を乗せる感覚へ。
▶大谷翔平が「まず大事」と思ったイエサベージ対策
ワールドシリーズの前夜にあった大谷翔平の一問一答の抜粋が下記。
―第1戦で対戦するイエサベージ対策について。
「まず軌道というか、投げ方も含めて独特ではあると思うので。それを自分の中でどう見えるのかなというのが一番かなと思うので。(中略)まず第1打席からそういう確認が大事かなと思います」
いわく、打ち方やフォームの話ではないのです。
「どう見えるのか」がプライオリティワン(関連記事「『再現性より必然性』──大谷翔平が証明する“見え方”の合理主義」)。
今回のサロン楽屋話は、あえて分類すると「打ち方」の話になるのかもしれませんけれども、それでも「見え方」は犠牲にしない物語。
▶体重移動、腕の重みも体重だ
「体重を乗せて打つ」という言い方がありますね。
だから後ろ側の足から前側の足への「体重移動を意識する」のだと。
とはいえ、腕の重みも「体重」です。
▶筋力で振らず、慣性で走らせる
たとえば体重60キログラムの人なら、片腕はおよそ2キログラムあります。
この質量を、筋力で振り回すのではなく、腕が導かれる慣性のままボールへ伝えることで、スイングエネルギーを生み出せます。
パワーは「力(フォース)×速度(スピード)」であり、力を筋出力で増やすというよりも、質量(腕)を効率よく加速させる結果として、出力を高められます。
このときに必要なのが、脱力。
脱力で、腕の慣性運動による滑走性が高まるからです。
力に頼らないから疲れないし、結果として、怪我するリスクも抑えられる話は後述。
▶ヒクソン・グレイシーと五十嵐カノアの脱力系
イメージは、柔術家、総合格闘家、ブラジリアン柔術九段のヒクソン・グレイシーによるトレーニングのスワイショウ(関連記事「カスタマーレビュー073.自分で言うのもあれですが見違えるようです(^^) T.Uさん」)。
あるいはプロサーファーの五十嵐カノアも明かす“力を抜く”極意。
「ゴルフもサーフィンも力を入れすぎちゃうと技がちょっと汚く見える。サーフボードやゴルフクラブに任せる感じがいいですね」
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スポーツ教育にはびこる「フォーム指導」のあり方を是正し、「イメージ」と「集中力」を以ってドラマチックな上達を図る情報提供。従来のウェブ版を改め、最新の研究成果を大幅に加筆した「note版アップデートエディション」です 。https://twitter.com/tenniszero
