発達障害を持つ子が文章問題を苦手とする理由と教え方【ADHD・ASD・LD別】
「計算はすらすら解けるのに、文章問題になった途端に鉛筆が止まる」「何度読んでも意味がわからないと言う」「毎日一緒に教えるたびに泣かれて、こちらも限界......」——。
発達障害やグレーゾーンのお子さんを持つ保護者様から、こうした相談は非常に多く寄せられます。計算ドリルでは正解が出せているのに、文章問題だけできない。「ちゃんと読めばわかるでしょ」と言いたくなる気持ちもわかりますが、実は文章問題が解けないのは「読まないから」ではなく、特性と課題のミスマッチが原因であることがほとんどです。
理由がわかれば、対処の仕方も見えてきます。この記事では、ADHD・ASD・LDそれぞれの特性別のつまずきパターンと、おうちでできる具体的な教え方を解説します。
この記事でわかること
なぜ発達障害の子は「計算はできるのに文章問題だけ苦手」なのか
ADHD・ASD・LD別のつまずきパターン
今日から使える教え方5ステップと声かけ例
毎日教えるのが大変なときの対処法

文章問題が難しい理由——多くの子に共通すること

文章問題は、単純な計算問題とは求められる力がまったく異なります。
計算問題は「27+16を計算しなさい」のように、やるべきことが明確です。一方、文章問題は文を読む → 状況をイメージする → 必要な数字を拾う → どの計算をするか判断する → 立式する → 計算するという、複数のプロセスを順番にこなす必要があります。
つまり文章問題とは、算数の力と国語の力を同時に使う課題です。計算はできるのに文章問題が解けないのは、算数の能力が足りないのではなく、「文を読んで情報を処理する」段階でつまずいているケースが多いのです。
「うちの子は算数が苦手なんだ」と思っていたのが、実は読解や情報の整理でつまずいていた——この視点が変わるだけで、教え方のアプローチも大きく変わってきます。
発達特性があるとさらに難しくなるポイント
章問題でつまずく原因は、お子さんの特性によって異なります。ここでは、ADHD・ASD・LDの3つに分けてパターンを整理します。ただし、特性は一人ひとり異なり、複数の特性を併せ持つケースも多い点はご留意ください。

ADHDの子のつまずきパターン(注意・ワーキングメモリ)
DHDの子が文章問題で最もつまずきやすいのは、ワーキングメモリ(作業中の情報を一時的に頭の中で保持する力)への負荷です。
文章問題では「りんごが5こあります。3こもらいました」のように、前半の条件を覚えたまま後半を読み進める必要があります。ADHDの子はこの「覚えたまま次に進む」ことが苦手で、読んでいる途中で前半の条件が抜け落ちてしまうことがあります。
また、注意の切り替えが速い特性から、問題文を最後まで読まずに衝動的に立式してしまうケースも多いです。「たす」という言葉だけを見て足し算をしたり、見直しをせずに次の問題へ行ってしまったりします。
発ASDの子のつまずきパターン(文脈理解・状況イメージ)
ASDの子は、文字として書かれたことは正確に読み取れるけれど、日常場面のイメージに変換することが難しい場合があります。
たとえば「お店で120円のパンと80円の牛乳を買いました。合わせていくらですか」という問題。大人は自然に「買い物をしている場面」をイメージして「合わせて=たし算だな」と判断できますが、ASDの子は「合わせて」がなぜ足し算になるのかが直感的にわかりにくいことがあります。
また、問題文に書かれていない暗黙の前提(「買った」なら代金を計算する、「配った」なら持っていた数から引く、など)を読み取ることの困難さも関係しています。
LD(ディスレクシア)の子のつまずきパターン
LDの中でも読み書きに困難があるディスレクシアの子は、文字を読むこと自体に大きなエネルギーを使います。
1行読むだけでも多くのエネルギーを消費するため、問題文を読み終わる頃には内容を理解・処理する余力がほとんど残っていません。「何度読んでもわからない」という訴えの裏側には、読むことの疲れが隠れていることが多いのです。
文字が揺れて見えたり、行を飛ばして読んでしまったりする特性がある場合、そもそも正確に問題文を読み取ることが難しくなります。
どこでつまずいているかを確認する:文章問題に必要な力は?
文章問題にはいくつかの力が段階的に必要です。お子さんがどの段階でつまずいているかを確認する目安にしてください。
文章を読んで意味を把握する力|問題文を音読して「何の話?」と聞いたとき答えられるか
条件を記憶・保持する力(ワーキングメモリ)|2つの数字を覚えたまま「どっちが多い?」に答えられるか
日常場面をイメージして数量関係をつかむ力|「3こあげたら減る?増える?」に答えられるか
必要な数字・キーワードを選び出す力|問題文から「大事な数字はどれ?」と聞いて指させるか
立式 → 計算 → 答えまで手順を維持する力|式を立てた後、最後まで計算をやりきれるか
すべての力が一度に必要というわけではありません。どこでつまずいているかがわかれば、そこからサポートすればよいのです。
文章問題が苦手な子への教え方
一度に全ステップを完璧にやらせようとしないことが、最も大切な前提です。お子さんのつまずきポイントに合わせて、必要なステップだけを取り入れてください。

ステップ1:音読を代わりにやってあげる(読む負担をゼロにする)
最初のステップは、保護者が問題文を読み上げることです。意外に思われるかもしれませんが、「読む」ことと「理解する」ことを切り離すだけで、文章問題への取り組みが大きく変わるケースがあります。
特にLDの子は、読む負荷をなくすだけで問題の意味を理解できることが多いです。ADHDの子も、耳から聞くことで最後まで情報を受け取りやすくなります。
声かけ例:「お母さんが読むから、大事な数字が出てきたら教えてね」
読み上げてもらった状態で内容を理解できるなら、つまずきは「読むこと」にあります。逆に、読み上げても意味がわからない場合は、次のステップに進みます。
ステップ2:キーワードと数字に印をつける
問題文の中にある大事な数字とキーワード(「あわせて」「のこりは」「ちがいは」「〜より多い」など)に丸や線をつけさせます。
最初は保護者が一緒にやりながら、「この『あわせて』って書いてあるね。足すのかな、引くのかな?」と声をかけます。情報を整理する手がかりを「見える形」にすることで、ワーキングメモリへの負担を減らせます。
慣れてきたら、お子さんだけで印をつけられるようになるのが目標です。
ステップ3:図や絵にして「見える化」する
問題の状況をテープ図や線分図、簡単な絵に描いて見せます。ASDの子には特に有効で、文章から直接イメージしにくい場面でも、図にすることで数量の関係が把握しやすくなります。
たとえば「りんごが8こあります。3こ食べました。のこりは何こですか」なら、りんご8こを丸で描き、3こにバツをつけるだけで「引き算だ」とわかります。
最初は保護者が描いて見せてください。いきなり「自分で描きなさい」はハードルが高いので、まずは見せて理解する段階を十分に経てからで構いません。
ステップ4:「どんな計算をするか」だけを先に確認する
いきなり「答えは?」と聞くのではなく、「足すの?引くの?」だけを先に質問します。
立式の判断と計算を同時に求めると負荷が高くなりすぎます。まず「どの計算を使うか」を確認してから、そのあとで数字を入れて計算する。この2段階に分けるだけで、ADHDの子もASDの子も取り組みやすくなります。
声かけ例:「答えはまだいいよ。まず、この問題はたす・ひく・かけるのどれを使うと解けるかな?」
ステップ5:正解したら「考え方」をほめる
答えが合ったときに「正解!」とだけ言うより、「たし算を使おうって気づいたのがすごいね」のように、考えるプロセスを具体的にほめる方が効果的です。
文章問題は「考え方を選ぶ力」が核心です。答えの正誤ではなく、「どう考えたか」に焦点を当てることで、次の問題でも自分で考えようとする姿勢が育ちやすくなります。
声かけ例:「"のこりは"って書いてあるから引き算だって気づいたんだね。その読み方、すごくいいよ」
「これを全部毎日やらなければ」とプレッシャーに感じる必要はありません。お子さんのつまずきポイントに近いステップを1つ選んで、できそうなときに試してみるだけで十分です。毎日完璧にこなすことよりも、続けられる形を見つけることの方がずっと大切です。
特性別サポートのまとめ:今日からできることは?
ADHD|ワーキングメモリへの課題・注意の逸れ・衝動的な立式 → 音読サポート・条件の分割・キーワードに印・プロセスをほめる
ASD|状況イメージの困難・暗黙の前提の読み取り → 図解・絵で場面を可視化・キーワードと計算の対応を明示
LD(ディスレクシア)|読字そのものの高負荷 → 読み上げサポート・音声対応教材
共通|複数プロセスの同時処理 → ステップ分割・「読む」と「考える」を切り離す
文章問題が解けないのは、算数の能力不足ではなく、特性と課題構造のミスマッチです。お子さんに合ったサポートを1つ加えるだけで、「解けた」という体験につながることがあります。
毎日教えるのが大変と感じている保護者様へ
ここまで紹介した教え方を実践するには、問題文を読み上げたり、図を描いたり、声かけのタイミングを考えたり——保護者様にも相当な労力がかかります。毎日これを続けるのは、正直なところ、とても大変なことです。
そういった方に参考にしていただきたいのが、家庭学習デジタル教材「天神」です。
天神を使った研究では、週1回・たった10分の使用を3ヶ月続けるだけで、すべての対象児童の視覚ワーキングメモリ課題の数値が改善したという結果が、日本LD学会で発表されています。文章問題でつまずく大きな原因であるワーキングメモリに直接働きかける設計になっています。
障がい児教育の第一人者・山内康彦先生(障がい児成長支援協会 代表理事)も「一番おすすめの学習教材です」と推薦しています。

天神では、文章問題を含む算数の各単元をレクチャー → ポイント → 問題演習の流れで学びます。
レクチャーでは、アニメーションで問題の考え方を段階的に説明します。目次画面でおおよその所要時間(例:約3分)が確認できるため、事前に見通しを立てやすく、ASDの子にとって「予定が見える」ことは安心感につながります。

問題は1画面1問の表示です。余計な情報が目に入らないため、ADHDの子でも集中を保ちやすくなっています。間違えた場合は数字を変えた類似問題が出題されるため、答えの丸暗記を防ぎながら理解を深められます。正解すると「天才!」「すごい!」の音声フィードバックが流れ、手順を踏めたこと自体が認められる設計です。

文章問題でのつまずきに最も直結するのが、天神の音声読み上げ+自動ハイライト機能です。問題文・ヒント・解説のすべてを音声で読み上げ、読んでいる箇所がリアルタイムで色付きハイライトされます。読み上げる速度も調整可能です。
先ほどのステップ1で紹介した「保護者が読み上げてあげる」を、天神が代わりにやってくれます。LDの子は読む負荷から解放され、ADHDの子は耳からの情報で集中を保ちやすくなります。
「読み上げ機能のおかげで一人で学習できています。教科書に沿った内容なので理解しやすいようです」
——天神体験後アンケートより
「読み上げ機能を活用することで『読むのがめんどくさい』がなくなって集中できる時間が長かった」
——天神体験後アンケートより
文章問題の前段階でつまずいている場合は、さかのぼり学習で前の学年の単元に戻って取り組むこともできます。学校の進度に縛られず、お子さんの「今」に合わせた学習が可能です。
「天神を使えばすべて解決する」というものではありませんが、問題文の読み上げ・見通しのあるレクチャー・間違えても安心な仕組みが、毎日の学習サポートの負担を軽くしてくれる選択肢のひとつになり得ます。
現在、天神では無料体験を実施しています。体験専用のPCを無料でお届けするので、実際にお子さんが取り組む様子を見てからご検討いただけます。クレジットカードは不要で、体験後に購入を強くすすめることもありません。
アール医療専門職大学の坂本晴美准教授(医学博士・発達障害専門)が発達障害の児童を対象に行った研究では、こんな報告があります。
「何事にも自信が持てなかったお子様が、天神を始めてわずか1ヶ月で自ら『習い事をしたい』と意欲を見せるなど、劇的な変化が見られました。『できた!』という自信が、学習意欲だけでなく、運動や日常生活への挑戦意欲、つまり『自立心』へと繋がっていくのです」
——アール医療専門職大学 准教授 坂本晴美先生
※効果には個人差があります。ただ、「文章問題が解けた」という小さな成功体験が自己肯定感の第一歩になる可能性は、どのお子さんにも開かれています。
→ 天神 無料体験・資料請求はこちら
https://www.tenjin.cc/lp/wp/hattatsu-s-02-price/
よくある質問
Q. 買切り価格が高くて不安ですが、まず体験だけでもできますか?
A. はい、資料請求するだけで無料体験ができます。体験は完全無料で、クレジットカードの登録も不要です。体験後に購入を強くすすめることもありません。詳細な料金は資料に同封してお届けします(月額換算で1教科あたり約2,750円〜の買切り型です)。一度購入すればご兄弟も追加料金なしで使えます。
Q. うちの子はグレーゾーンですが、天神は合うでしょうか?
A. 天神は様々な特性を持つお子さまにも幅広くお使いいただけます。診断の有無ではなく、お子さんの今の学び方に合うかどうかが大切です。まずは無料体験でお子さんの反応を確認してみてください。
Q. 子どもがやる気を出してくれるか心配です。
A. 最初は乗り気でないお子さんも少なくありません。天神は正解時の音声フィードバックや暗算サーキットなどゲーム感覚のコンテンツもあり、「夢中になって取り組んでいた」という声も届いています。まずは無料体験で反応を確認してみてください。
Q. 計算はできるのに文章問題だけ解けない場合、天神で何が変わりますか?
A. 天神の音声読み上げ機能が「読む」負担を代わりに引き受けてくれるため、お子さんは「考える」ことに集中できます。また、レクチャー動画で問題の考え方を視覚的に理解し、1問ずつのスモールステップで取り組めるため、文章問題への苦手意識が和らぎやすくなります。
この記事は天神メディア編集部が作成しました。発達障害の特性には個人差があります。学習面で気になることがある場合は、専門機関へのご相談もあわせてご検討ください。
