「また単位、間違えた……」——発達障害のある子が単位換算でつまずく理由と教え方
テストが返ってきたら、計算は合っているのに単位だけ間違えていた。宿題のたびに「これ、わからない」と手が止まってしまう——。単位換算をめぐって、こんな場面に何度も向き合っている保護者様は少なくありません。「教え方が悪いのかな」とご自分を責める必要はありません。単位換算のミスが繰り返されるのには、はっきりとした理由があります。
この記事でわかること
単位換算が多くの子にとって難しい理由
ADHD・LD・ASDの特性別につまずきやすいポイント
今日から使える教え方ステップ
毎日教えるのが難しいときに使える学習ツールの選び方

単位換算とはどんな内容か
単位換算とは、長さ・かさ・重さ・時間などにおいて、同じ量を別の単位で表し直す学習です。小学3年生ごろから本格的に登場し、学年が上がるにつれて扱う単位が増えていきます。
たとえば、次のような問題があります。
「3L=( )dL」
「2km350m=( )m」
多くの単位は「10倍・100倍・1000倍」という決まった関係でつながっています。1Lは10dL、1kmは1000m、というように、単位どうしの倍率を覚えておき、その関係に沿って数を変換していくのが基本のルールです。一見シンプルに見えますが、この「倍率を覚える」「変換の向きを決める」「計算する」という複数の作業が、つまずきの入り口になります。
単位換算が難しい理由(発達特性に関わらず多くの子に共通)
単位換算は、発達特性のあるなしに関わらず、多くの子にとって難しい単元です。理由は大きく3つあります。
1つ目は、「暗記」と「方向判断」と「計算」を同時に求められること。 「1kmは1000m」という倍率を思い出し、「kmからmは大きい単位から小さい単位だから数が増える」という向きを判断し、その上で1000を掛ける計算をこなす——この3つを一度に処理しなければなりません。
2つ目は、日常で触れる機会が少ない単位があること。 mやcmは定規で目にしますが、dLやkmは日々の生活の中で実物に触れる機会が多くありません。量の感覚がないまま記号だけを操作することになり、答えが現実離れしていても気づきにくくなります。
3つ目は、変換が連鎖すると向きを間違えやすいこと。 「2km350mを全部mに直す」のように複数の単位がつながる問題では、変換の向きを一度間違えると、答えが大きくずれてしまいます。
このように、単位換算はそもそも負荷の高い単元です。お子さんがつまずくのは、当然のことでもあるのです。
発達特性があるとさらに難しくなるポイント
ここまで見てきた「もともとの難しさ」に加えて、発達特性があると、特定の部分でさらにハードルが上がることがあります。これは、やる気や練習量の問題ではありません。脳の情報処理の特性によるものです。お子さんを責める必要はありません。
ADHDのある子どもの場合(ワーキングメモリへの負担)
ADHDのあるお子さんは、作業中の情報を頭の中に一時的に保ちながら別の処理を進める力——ワーキングメモリに課題があることが多いとされています。
単位換算では、「倍率は1000だ」と覚えておきながら掛け算を進める必要があります。ところが、計算をしている間にその倍率が消えてしまったり、「大きい単位から小さい単位へ」という向きが逆になってしまったり、最後に単位を書き忘れたり——といったことが起こりやすいのです。
これは不注意というより、複数の情報を同時に保持することへの負荷の表れです。とくに「km→m→cm」のように手順が連鎖する問題では、途中の段階を飛ばしてしまうことも少なくありません。
LDのある子どもの場合(算数の領域に課題があるお子さんの場合)
LD(学習障害)のうち算数の領域に課題があるお子さんの場合、「10倍・100倍・1000倍」という位取りの概念そのものに難しさを抱えていることがあります。
「換算表を見ながらルールを覚える」ことはできても、数の上で「3が30に、300になる」という変化が視覚的につかめず、操作だけが宙に浮いてしまうことがあります。また、問題文の中の単位(mなのかcmなのか)を読み飛ばし、量そのものを取り違えてしまう可能性もあります。
なお、ADHD・LD・ASDの特性が重なり合っているお子さんもいます。「どれかひとつ」に当てはまるというより、複数の特性が組み合わさってつまずきが出ている場合もあることを、念頭においておくとよいでしょう。
ASDのある子どもの場合(一度覚えたパターンの定着)
ASD(自閉スペクトラム症)のあるお子さんは、一度身につけたやり方を強固に保ち続ける特性があります。これは集中力や一貫性につながる強みでもあります。
一方で、最初に覚えたやり方が誤っていた場合、その誤ったパターンも同じように定着してしまうことがあります。「何度教えても、同じ間違ったやり方でやってしまう」という場合は、特性ゆえにパターンが固定されている可能性があります。最初に正しいやり方を、目に見える形で示しておくことが特に大切になります。

単位換算を解くのに必要な力
単位換算が定着するには、いくつかの力が積み上がっている必要があります。まずは「どの段階で止まっているか」を確認してから、対策を選ぶのがおすすめです。
位取り(10進法)の理解:「10倍すると位が1つ上がる」がわかるか
単位の倍率の記憶:「1km=1000m」などをすぐ思い出せるか
変換の向きの判断:「大きい単位→小さい単位は数が増える」がわかるか
掛け算・割り算の計算:1000倍・1000分の1の計算ができるか
単位を書き添える習慣:答えに単位を付けて完成させられるか
単位換算が苦手な子への教え方【ステップ形式】
ここからは、おうちでできる具体的な教え方を紹介します。すべてを一度にやる必要はありません。お子さんの様子を見ながら、合いそうなものから取り入れてみてください。
ステップ1:使う単位を1種類に絞って慣れる(cm↔mmから)
いきなり長さもかさも重さも、と広げるとつまずきやすくなります。まずは定規で目にする機会の多い「cmとmm」だけに絞ります。
定規を一緒に見ながら、「1cmのところに、小さい目盛りが10個あるね。だから1cmは10mmなんだよ」と、目と手で確かめます。倍率を暗記する前に、まず量として体験することがポイントです。
ステップ2:換算表を手元に貼る(記憶の補助ツール)
倍率を「覚えてから使う」のではなく、「見ながら使う→自然に覚える」順番にします。長さ・かさ・重さの換算表を作って、机の前や下敷きに貼っておきます。
「まず換算表を見てからやってみようか」と声をかけてあげてください。表を見ることは"ずる"ではなく、正しいやり方です。見ながら正解を重ねるうちに、自然と頭に残っていきます。
ステップ3:「大きい↔小さい」の方向を体感で理解する
変換の向きは、具体物で実感させると定着しやすくなります。
「1mのリボンは何cmかな? 100cmだね。1から100に、数が増えたね。大きい単位から小さい単位にするときは、数が増えるから掛け算なんだよ」——このように、身近なもので「数が増えた・減った」を一緒に確かめると、向きの判断が感覚として残ります。
ステップ4:複数単位はつながり図で見える化する
「km→m→cm→mm」のように単位が連鎖する問題は、つながりの図を一緒に手で書いて見える形にします。
それぞれの単位を横に並べ、間に「×1000」「×100」と倍率を書き込んでいきます。この図は、ADHDのあるお子さんには「途中を飛ばさないための地図」になり、ASDのあるお子さんには「正しいパターンを思い出すための視覚的な拠り所」になります。
ステップ5:答えに単位を付けたかをチェックリストで確認する
最後に、答え合わせの前のひと手間として、2項目だけのチェックリストを使います。
換算の向きと数は合っている?
答えに単位を書いた?
この2つを毎回確認する習慣がつくと、「計算は合っているのに単位ミスで不正解」が減っていきます。
★保護者様への一言:これを全部、毎日やろうとしなくて大丈夫です。1つだけ選んで試してみてください。続けられる形を見つけることのほうが、ずっと大切です。

まとめ
単位換算のつまずきには理由があり、それぞれに合った対策があります。
暗記・向き・計算を同時に求められる → 使う単位を1種類に絞って慣れる
倍率を覚えきれない → 換算表を手元に貼り、見ながら使う
変換の向きを間違える → 具体物で「数が増える・減る」を体感する
連鎖する変換で途中を飛ばす → つながり図で見える化する
単位を書き忘れる → 2項目のチェックリストで確認する
毎日教えるのが大変と感じている保護者様へ
ここまで紹介した対策を毎日続けるには、問題を用意し、向きを確認し、ほめるタイミングを見計らう——保護者様にも相当な集中力が求められます。正直なところ、これを毎日続けるのはとても大変なことです。
そういった保護者様に参考にしていただきたいのが、家庭学習デジタル教材「天神」です。
天神を使った研究では、週1回・たった10分の使用を3ヶ月続けるだけで、すべての対象児童の視覚ワーキングメモリ課題の数値が改善したという結果が、日本LD学会で発表されています。視覚ワーキングメモリとは、目で見た情報を頭の中に一時的に保ちながら別の処理をこなす力のことです。単位換算でつまずきやすい「途中の情報を保ちながら処理する力」に、まさに関わる部分です。
障がい児教育の専門家である山内康彦先生(障がい児成長支援協会 代表理事)も「一番おすすめの教材です」と推薦しています。
天神では、単位換算のような単元をレクチャー → ポイント → 問題の3段階で学びます。

最初のレクチャーは、アニメーションを使って「大きい単位から小さい単位にすると数が増える」といった考え方を視覚的に説明します。短くまとまっているため、集中が続きにくいお子さんでも取り組みやすい設計です。続くポイント画面で要点が整理され、そのまま問題演習に入ります。

問題は1画面1問で表示されます。ほかの問題が目に入って気が散ることがなく、いま解く1問だけに集中できます。正解すると「天才!」「すごい!」という音声が流れ、得点が加算されます。
間違えたときには、「どこに注意すればよいか」のヒントが自動で表示され、もう一度その問題に取り組めます。お子さんが自分のペースで取り組める形になっています。

この「間違えても責められず、どうすればよいかがわかる」という体験について、保護者様からこんな声が届いています。
「間違えても心にダメージが少ない(ゲームのような気分でできるので)。間違えた後、どうしたら正解できるかわかるのが良い」
——天神体験後アンケートより
読むことが苦手なお子さんには音声読み上げ
問題文を読むこと自体が負担になるお子さんには、オプションで問題・ヒント・解説を音声で読み上げる機能もあります。読んでいる箇所が色でハイライトされるため、どこを聞いているかもわかりやすくなっています。
「読み上げ機能のおかげで一人で学習できています。教科書に沿った内容なので理解しやすいようです」
——天神体験後アンケートより
学年をさかのぼって、つまずきの手前から始められる
単位換算の前提となる位取りや掛け算がまだ定着していない場合は、前の学年の単元にさかのぼって練習することもできます(さかのぼれる範囲は購入状況によります。お子さんが取り組むべき学年は無料体験時にご確認ください)。学校の進度に関係なく、お子さんの現在地から無理なく積み上げていける設計です。
まずは無料体験で、お子さんの様子を確かめてください
天神では現在、無料体験を実施しています。体験専用のPCを無料でお届けするので、実際にお子さんが操作する様子を確認してからご検討いただけます。クレジットカードは不要で、体験後に購入を強くおすすめすることもありません。
月額費用はなく、買切り型。月額換算で約2,750円〜という費用感です。詳細は資料請求時に同封の資料でご確認いただけます。
発達障害の児童を対象に研究を行ったアール医療専門職大学の坂本晴美准教授(医学博士・発達障害専門)は、こう報告しています。
「何事にも自信が持てなかったお子様が、天神を始めてわずか1ヶ月で、自ら『習い事をしたい』と意欲を見せるなど、意欲に大きな変化が見られました。『できた!』という自信が、学習意欲だけでなく、運動や日常生活への挑戦意欲、つまり『自立心』へと繋がっていくのです」
——アール医療専門職大学 准教授 坂本晴美先生
※効果には個人差があります。ただ、「単位換算で正解できた」という小さな成功体験が自信の第一歩になる可能性は、どのお子さんにも開かれています。
→ 天神 無料体験・資料請求はこちら
https://www.tenjin.cc/lp/wp/hattatsu-s-02-price/
よくある質問
Q. 何度教えても単位換算のミスが直りません。発達障害があるとなぜ特に難しいのですか?
A. 単位換算は、倍率の暗記・変換の向きの判断・計算を同時にこなす必要があり、もともと多くの子にとって負荷の高い単元です。その上で、ワーキングメモリに課題があると途中の情報が消えやすく、位取りの理解に課題があると数の変化がつかみにくくなります。やる気や練習量の問題ではなく、脳の情報処理の特性によるものなので、お子さんを責める必要はありません。換算表を手元に置く・つながり図で見える化するなど、頭の中だけで処理させない工夫が有効です。
Q. 換算表を貼っても見ようとしません。どうすれば使ってくれますか?
A. お子さんが「表を見るのはずるだ」「自分はできないと思われる」と感じている場合があります。まずは「表を見るのが正しいやり方だよ」と伝え、保護者様が一緒に表を指さしながら解いてみてください。見ながら正解する体験を重ねるうちに、表への抵抗が薄れ、自然と使えるようになっていきます。最初のうちは「表のここを見ようか」と具体的に指し示してあげると、使い方が定着しやすくなります。
Q. うちの子は発達障害のグレーゾーンですが、天神は合うでしょうか?
A. 天神は様々な特性を持つお子さまに幅広くお使いいただけます。診断の有無ではなく、お子さんの今の学び方に合うかどうかが大切です。1画面1問の集中しやすい設計や、間違えたときの自動ヒント、音声読み上げなど、つまずきやすいお子さんに役立つ仕組みが整っています。まずは無料体験でお子さんの反応を確認してみてください。
Q. 単位換算は小学校の何年生から始まりますか?
A. 長さ・かさ・重さの単位の関係は小学3年生ごろから本格的に学び始め、学年が上がるにつれて扱う単位や換算の組み合わせが増えていきます。前の学年で学ぶ位取りや掛け算・割り算が土台になるため、単位換算でつまずいている場合は、その前提となる単元に課題が隠れていることもあります。お子さんがどこでつまずいているかを確かめながら、必要なら手前の単元に戻って取り組むと定着しやすくなります。
参考文献
一般社団法人 日本LD学会 https://www.jald.or.jp/
文部科学省「特別支援教育について」 https://www.mext.go.jp/a_menu/shotou/tokubetu/main.htm
国立特別支援教育総合研究所(NISE) https://www.nise.go.jp/
この記事は天神メディア編集部が作成しました。発達障害の特性には個人差があります。学習面で気になることがある場合は、専門機関へのご相談もあわせてご検討ください。
