「公式は言えるのになぜか解けない」——ADHDのある子が因数分解でつまずく理由と教え方
「因数分解の公式、一緒にやればできるのに、テストではどの公式を使えばいいかわからなくなる」「展開はできるのに、因数分解になると手が止まる」——。
ADHDや発達障害のあるお子さんを持つ保護者の方から、こうした声をよく聞きます。そんな姿を見て、教え方が悪いのかと自分を責めてしまう方もいるかもしれません。
因数分解がなかなか定着しないのには、発達特性と深く関わる明確な理由があります。やる気の問題でも、練習不足でもありません。この記事では、その理由と家庭でできる教え方4ステップを解説します。

因数分解とはどんな計算か

因数分解は、中学3年生で学ぶ単元で、高校入試にも頻出します。ひとことで言えば、x²+5x+6 のような式を (x+2)(x+3) の形に書き直す作業のことで、展開を逆向きにたどる操作です。
一見すると、いくつかのパターンを覚えれば解ける単元のように見えます。けれども実際には、目の前の式がどのパターンに当てはまるのかを見極め、その上で適切な公式を選び、当てはめる、という複数の判断を行っていく必要があります。
この「パターンを見極めて手順を切り替える」プロセスこそが、ADHDのあるお子さんにとって大きな壁になりやすいのです。
なぜADHDのある子は因数分解でつまずくのか
実行機能の課題で「どの公式か」が選べない
因数分解を解くには、式を見る→共通因数を確認する→パターンを判別する→公式を選ぶ→計算する、という手順を頭の中で順番に実行する力が求められます。こうした「計画を立てて順番通りに実行する力」を実行機能と呼び、ADHDのある子はこの部分に課題があることが多いのです。
そのため、式を見た瞬間に衝動的に最初に思いついた公式で解き始めてしまい、途中で「あれ、違う」と行き詰まるケースが少なくありません。これは能力の問題ではなく、脳の情報処理の特性です。
ワーキングメモリの負荷:「足して・かけて」が同時に処理できない
x²+5x+6 を因数分解するには、「足して5になり、かけて6になる2つの数」を頭の中で同時に探す必要があります。ADHDのある子はワーキングメモリに課題があることが多く、「かけて6になる組み合わせ」を考えている間に「足して5」の条件を忘れてしまいやすいのです。
※特性には個人差があります。

因数分解が苦手な子への教え方【4ステップ】
ステップ1:まず展開(乗法公式)を完全に定着させる
因数分解は展開の逆操作です。展開が曖昧なまま因数分解に入ると、パターンが見えません。まずは展開の公式3つを「声に出しながら手を動かす」ことで自動化させます。展開がスラスラできるようになってから因数分解に入ると、「この式は、あの展開の逆だ」と気づけるようになります。
ステップ2:パターン判別フローチャートを紙に書いて手元に置く
ADHDの子の実行機能の課題を「外部化」で補う最も有効な方法です。次のようなフローチャートを紙に書いて、問題を解くときに手元に置くよう伝えます。
判別フロー:
共通因数はある? → あればまずくくる
項は2つ? → a²-b²の形なら (a+b)(a-b)
項は3つで、最初と最後が二乗? → 完全平方式 (a±b)² を疑う
上のどれでもない → 「足して○、かけて△」で2つの数を探す
大切なのは、「フローを見ながら解いていい」と伝えることです。最初から暗記を求めると、実行機能の課題がそのまま壁になります。フローを見ながら繰り返すうちに、自然と体に入っていきます。

ステップ3:「足して・かけて」は紙に書き出して探す
ワーキングメモリの負荷を下げるために、「頭の中で探す」のではなく紙に全部書き出す習慣をつけさせます。
例:x²+5x+6 の場合
かけて6になる組み合わせ:1と6、2と3
足して5になるのは? → 2と3
組み合わせを全部書き出してから選ぶことで、衝動的な判断を防ぎ、確認の安心感も生まれます。
ステップ4:展開で「答え合わせ」を必ずやる
因数分解の答えが出たら、それを展開して元の式に戻るか確認します。
(x+2)(x+3) → x²+5x+6 ✓
この検算を「面倒な追加作業」ではなく「自分で丸付けできる方法」として教えると、ADHDの子にも受け入れられやすくなります。1セッション3〜5問、10分以内を目安にしてください。
これをすべて毎日やらなければ、と思う必要はありません。できそうなステップを1つ選んで試すだけでも十分です。毎日完璧にこなすより、継続できる形を見つける方が大切です。
まとめ
実行機能の課題でパターン判別が難しい → フローチャートを紙に書いて手元に置く
ワーキングメモリで「足して・かけて」が同時保持できない → 組み合わせを紙に全部書き出してから選ぶ
展開が定着していない → 因数分解の前に展開の公式を自動化する
答えに自信が持てない → 展開で検算する習慣を必ずセットにする
毎日教えるのが大変と感じている保護者の方へ
毎日フローチャートを用意し、組み合わせを一緒に書き出し、検算まで確認する——保護者の方にとっても相当な負担です。そういった方に参考にしていただきたいのが、家庭学習デジタル教材「天神」です。
天神を使った研究では、週1回・たった10分の使用を3ヶ月続けるだけで、すべての対象児童の視覚ワーキングメモリ課題の数値が改善したという結果が、日本LD学会で発表されています。障がい児教育の第一人者・山内康彦先生(障がい児成長支援協会 代表理事)も「一番おすすめの教材です」と推薦しています。

天神の中学生版では、因数分解をレクチャー → ポイント → 問題演習の流れで学びます。レクチャーでは展開と因数分解の関係をアニメーションで説明。「なぜこの式がこう分解できるのか」を根拠から示す設計のため、「見通しが立ちにくい」お子さんにも取り組みやすい構成です。目次画面でおおよその所要時間(例:約7分)が確認できるため、学習前に見通しを立てやすい設計です。

問題は1画面1問の表示で、答えを確認してから次に進みます。間違えたときは数字を変えた類似問題が出題されるため、「公式の丸暗記」ではなくパターンを判別する力が自然に鍛えられます。

正解すると「天才!」「すごい!」の音声が流れ、間違えたときにはヒントが自動で表示されます。
「レクチャーにページ数が表示されているため、本人が見通しを立てやすく、取り組みやすそうだった」
——天神体験後アンケートより
「学力に凹凸があるので自分の学力に合わせて選んで自信をつけさせることができる」
——天神体験後アンケートより
展開がまだ曖昧な場合はさかのぼり学習機能で前の単元から始められます。問題文を読むことが負担になるお子さんには、オプション機能で音声読み上げ(読み上げ箇所が色でハイライト)もあります。
現在、天神では無料体験を実施しています。体験専用のPCを無料でお届けするので、実際にお子さんの取り組む様子を確認してからご検討いただけます。クレジットカードは不要です。
アール医療専門職大学の坂本晴美准教授(医学博士・発達障害専門)が発達障害の児童を対象に行った研究では、こんな報告があります。
「何事にも自信が持てなかったお子様が、天神を始めてわずか1ヶ月で自ら『習い事をしたい』と意欲を見せるなど、劇的な変化が見られました。『できた!』という自信が、学習意欲だけでなく、運動や日常生活への挑戦意欲、つまり『自立心』へと繋がっていくのです」
——アール医療専門職大学 准教授 坂本晴美先生
※効果には個人差があります。
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よくある質問
Q. 買切り価格が高くて不安ですが、まず体験だけでもできますか?
はい、資料請求するだけで無料体験ができます。体験は完全無料で、クレジットカードの登録も不要です。体験後に購入を強くすすめることもありません。詳細な料金は資料に同封の案内でご確認いただけます(月額換算で1教科あたり約2,750円〜の買切り型です)。一度購入すればご兄弟も追加料金なしで使えます。
Q. うちの子はグレーゾーンなのですが、天神は合うでしょうか?
天神は様々な特性を持つお子さまに幅広くお使いいただけます。診断の有無ではなく、お子さんの今の学び方に合うかどうかが大切です。スモールステップの演習・さかのぼり学習・音声読み上げなど、学習につまずきやすいお子さんにも取り組みやすい機能が揃っています。まずは無料体験でお子さんの反応を確認してみてください。
Q. 因数分解の前に展開がわからない場合はどうすればいいですか?
展開(乗法公式)の単元から学習を始めると良いかもしれません。お子さまの今の学年に関係なく必要なところへ戻れるため、つまずきの起点から積み上げ直せます。
この記事は天神メディア編集部が作成しました。発達障害の特性には個人差があります。学習面で気になることがある場合は、専門機関へのご相談もあわせてご検討ください。
