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キャプテン 昭和の名作

息子よ。

これはな、昭和漫画の名作だ。
だがな、ただの野球漫画だと思ったら間違うぞ。

この作品にはな――
天才が一人も出てこない。


主人公は補欠だ

初代キャプテン、谷口タカオ。

谷口はな、名門・青葉中学の野球部で補欠だった男だ。
つまり、最初から落ちこぼれ側の人間だ。

野球がうまいわけでもない。
特別な才能があるわけでもない。

ただ一つ――

野球がやりたい。

それだけで、墨谷二中に転校する。


上り詰めたのは「才能」じゃない

そこからだ。

谷口はな、
死ぬほど努力する。

朝もだ。放課後もだ。
誰よりも地味に、誰よりも反復する。

努力、ガッツ。
今じゃ少し古臭く聞こえる言葉だがな――

この時代には、これ以上ないほど似合う。

そして気がつけば、
補欠だった男がキャプテンになる。

だがな、ここで勘違いするな。

急に強くなったわけじゃない。

この漫画はな、努力しても簡単には結果が出ない現実を、ちゃんと描いている。


テーマは「勝ち負け」じゃない

この作品の本質はな、勝利じゃない。

一人一人の人間が抱える葛藤、弱さ、迷い。
それをどう乗り越えていくか。

つまり――

人間の物語なんだ。

だから心理描写がやたらと重い。
そして、やたらとリアルだ。


ハイライト:対青葉戦

最大の見どころはな、対青葉戦だ。

かつて自分がいた名門チームとの対決。
これだけでも熱いが、話はそれだけじゃ終わらない。

青葉の監督はな、勝つことに固執するあまり、
ルール違反をしてしまう。

谷口は抗議する。

だが――
受け入れられない。

試合はそのまま続き、
死闘の末、墨谷は負ける。


それでも「正義」は消えない

ここが凄いところだ。

青葉の応援席から声が上がる。

「逃げるが勝ちか?」

そうだ。
ちゃんと作品の中で、倫理が揺さぶられる。

そして試合後――

一人の女の子が拍手をする。

それに呼応するように、
場内に拍手が広がっていく。

これはな――

この漫画のハイライトだ。


あの時、俺は泣いた

息子よ。

俺はな、このシーンを
馴染みの喫茶店のカウンターで読んでいた。

そしてな――

泣いた。

号泣まではいかんがな、
押し殺すのがやっとのレベルだ。

オーナーのおばさんがな、
「え?」って顔してドン引きしていたが、そんなの関係ない。

それくらい、このシーンは刺さる。

読んだことある奴なら、分かるはずだ。


ちゃんと決着もつく

さらにだ。

この試合、これで終わりじゃない。

後になって、新聞社を通じて問題が発覚し、
再試合になる。

ここでな、青葉の監督は完全に“ヒール”として描かれる。

だから読者はな、
ちゃんと感情の落としどころを与えられるんだ。

このあたりの構成は見事だぞ。


まとめ

息子よ。

「キャプテン」はな、夢の物語じゃない。

現実の中で、どうやって前に進むかの話だ。

天才はいない。
奇跡もない。

あるのは――
努力と葛藤と、ほんの少しの成長だ。

だからこそ、
今読んでも、ちゃんと刺さる。


これはな、昭和の名作だ。
まだまだ語れることは山ほどある。

今日はここまでにしておこうか。


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