シンセ沼 第一関門:KORG M1を知ってしまう
シンセ沼 第一関門:M1を知ってしまう
息子よ。
人にはな、踏み込んではいけない領域というものがある。
だがな、人生というやつは残酷でな――
ある日、突然それに出会ってしまう。
それが何か分かるか?
KORG M1
だ。

最初はな、軽い気持ちなんだ。
「ちょっと音を聴いてみるか」
「モジュールシンセだろ?」
そんな程度だ。
だがな、その認識は一瞬で崩れる。
鍵盤を押した瞬間だ。
あの音が鳴る。
そう――
“完成された音”
だ。
何だこれは?と思う。
シンセなのに、シンセじゃない。
ピアノでもない。ストリングスでもない。
だがな――
👉 全部それっぽい
しかも、妙に気持ちいい。
ここで人は気づく。
「あれ?俺、もう“音作り”しなくてよくないか?」
そうなんだ。
M1はな、こう言ってくる機材だ。
👉 「もう出来てるぞ」
これが恐ろしい。
なぜならな、
音作りという“苦行”をすっ飛ばして
いきなり“曲”に到達してしまうからだ。
そして、あの音だ。
Universe
あれを鳴らした瞬間な――
空間が変わる。
部屋がスタジオになる。
自分が上手くなった錯覚に陥る。
ここが第一関門だ。
人はこの時、二つに分かれる。
■ 引き返す者
「便利だな」で終わる。
■ 落ちる者
「他の音も知りたい」と思ってしまう。
後者はもうダメだ。
なぜならな、
M1以外の音源が気になる
Rolandは?YAMAHAは?となる
ラック音源という存在を知る
MIDIという魔法に手を出す
そして気づいた時には――
👉 部屋に黒い箱が積み上がっている
息子よ。
これはな、単なる機材の話じゃない。
価値観の転換だ。
それまでの音楽はな、
「努力して作るもの」だった。
だがM1は違う。
👉 「選ぶだけで成立する」
この瞬間、人はこう思う。
「じゃあ俺でも出来るんじゃないか?」
そうだ。
出来る。
だからこそ――
沼が始まる。
余談だがな。
これは、80年代の話だ。
これを俺はな、池袋の大手楽器屋さんで買ったんだ。
喜び勇んで、部屋に戻り、電源オン!
さあ、どーなったかしょ?
はい、
本体のスロットのすき間から異臭がしたんだ。
すぐにブシュっという音と共に煙が出て
おじゃん。
初期不良ってやつだ。
まあ、楽器屋さんで交換してもらったけどな、
楽器屋さんが言うには、どんな電源に繋いだんですか?
というから、「東日本は、AC100Vですが」
と、皮肉交じりに言ってやった。
なに?性格が悪いって?
そうだ、その通りだ。
アホな質問するなって思わんか?と、当時は思った。
だが、工場とかでは200Vが主流だと後で分かった
だから、店員さんの言葉もあながち戯言でもなかった。
店員さん、あのときはメンゴ!
これはな、インテリぶって実は知らなかったという
典型的なアホの例だ。
気を付けろ!^^
