ドイツ留学:語学とその試験について(概要)
こんにちは。渡り人です。
今回のテーマは、最大の関心事であろうかつ最も長らく準備が必要になるであろうハードル、ドイツ語です。
今回は概要編として、大学が求めてくる基準、各種試験の概観、参考までに私が取得までに要したスケジュールを並べておきます。
どこを目指すのか?
ドイツ語で授業が行われる大学/大学院に通う場合、求められる水準は大まかに以下の3段階に大別出来ます。ちなみに、学部の授業が英語で行われる場合ドイツ語能力は問われないことが多いです。受けたい学部別の基準はよく確認してください。
語学要件
低め:B2レベル 音大、芸大などに多い。Studienkollegと呼ばれる、1年勉強してから修士に編入するプログラムもB2で認められることが多々あります。
普通:C1レベル 1と3は例外的で、ほぼ全ての正規留学はこのC1レベルが求められると思ってください。
高め:C2レベル 医学、薬学、法学、ドイツ文学等ネイティヴ同等に言語を操れることが必須になる学部
証明として認められる試験
Goethe-Zertifikat:日本では一番受けやすい試験です。A2-C2の各レベルに準拠して試験が開催されています。
Test DaF:こちらも日本で受験可能ですが開催日程が少なく、また予約競争が苛烈です。ただ、後述の理由により一番使い勝手がいいです。リーディング、リスニング、ライティング、スピーキングがそれぞれ3,4,5or不合格の4段階で判定される試験です。
Telc Hochschule/DSH:こちらはドイツだけで受験可能な試験。同じくレベル別に分かれて試験がなされています。前者は一般の団体が、後者は各大学が司っている試験になります。DSHの方は各大学の対策コース(=語学コース)があったりするので、現地に先に滞在して語学を学ぶ時間的・金銭的余裕がある場合は一番の選択肢かもしれません。
ÖSD:こちらはオーストリア政府公認のドイツ語試験。日本ではGoethe InstitutのHPに案内があって受験も可能です(開催は極端に少ないですが)。こちらもドイツの大学で証明に使えます。特徴は、独独の紙に限られるものの辞書の持ち込みが可能な点です。
日本で最も受けやすい独検については、残念ながら日本だけの資格でありドイツでの証明には利用できません。
注意:Goethe Zertifikat C1がC1の証明にならない?
以下の画像はミュンヘン大学の語学要件の抜粋なのですが、C1の試験群に並んで、Goethe Zertifikatだけ何故かC2が要求されています。。。
これはエラーではなく、大多数の大学がこの基準を採用しています。私が受けた中だと、ハンブルク大学はGoethe C1もOKでした。

これは推測の話になってしまうのですが、Goethe C1が認められない要因は採点方式にあるのではないかと思ってます。
基本的にドイツに限らず欧米の語学試験は各技能(例:リーディング)毎に採点するor合否を出す形式になってます。Goethe試験も基本的にはこの形式に従っているんですが、なぜかC1だけは
読+聞+書:合計60%で合格
話:単独60%で合格
両方受かるとC1合格 というシステムになってます。つまり、リスニングの失点をリーディングで補ったりできちゃうんですね。将来C1試験が技能毎に採点されるようになれば扱いが変わるかもしれません。
あくまで個人の感覚ですが、纏めると、
日本での受験しやすさ Goethe C1≧Goethe C2>Test DaF≧ÖSD C1
合格 or C1レベルの取りやすさ Test DaF>Goethe C1≧ÖSD C1≫Goethe C2
って形になるのかなと思います。実質的にはTest DaFを目指す方が多いと思いますが、スケジュールは事前によく確認し、それを軸に計画を立ててください。
また、以前書きましたが私はTest DaFもGoethe C1も隣国の韓国に遠征して受験しています。日本でのスケジュールがどうしてもあわない場合や予約合戦に負けてしまう場合は検討してみてください(韓国語がわからなくても受験上は全く問題ないです)
実際のスケジュール感
以下は私が取得に要した大まかなスケジュールです。もちろん、語学の習得自体に個人差がありますし、私の場合は日々の残業も多めの会社で働きながらではあったので、集中すればもっと短期間で合格できると思います。
2020/年末頃 ドイツ語の学習を開始
2021/06 独検3級合格
2021/12 独検2級/独検準1級一次試験合格
2022/01 独検準1級合格
2022/06 Goethe B2 Lesen/Schreiben/Sprechen合格
2022/11 Goethe B2 Höhren合格
2023/06 Test DaF 4.4.5.5取得/Goethe C1合格
開始からC1の合格までにざっと2.5年です。超ざっくりですが、平均して平日に1時間、土日は合計で3時間程度やり、年間合計40日くらいは旅行やら飲み会やらで勉強していない日があると想定すると、2.5年で勉強時間は930時間くらいになります。
CEFRによるとC1にたどり着くまでの時間はだいたい800時間くらいなんで、私は少し遠回りした形になりそうです。学校に行かず独学で済ませたのも一因かもしれません。
とはいえ、CEFRの所要時間一覧はやはりある程度目安にできそうだなという体感を持っています。
また、個人的には独検準1級(B1に相当すると言われている)→B2よりも、B2→C1の方が遥かに壁が高く感じました。この辺りの感じ方は結構個人によってはっきり分かれるようですが、問題を解くというアプローチがしっかり効いたB2までと異なり、C1ではよりドイツ語を言語として深く理解することが求められる印象を受けています。
ドイツ語の試験対策や語学学習はどうしても情報が少なくなりがちなので、今後がこの試験対策を軸に、私の学習体験を発信していこうと思います。
引き続きよろしくお願いします。
