見出し画像

新創刊に向けてその二十二。あいつやあいつ、そしてあんな方と呑みに繰り出すイメージで走る!!

ふーーーーーっ、「今日も、あともうひと踏ん張りだな」と、誰もいないオフィスでは独り言の声が大きい。時計は20時を過ぎていて、そろそろエネルギーのチャージが必要だ。オフィス至近に大きなスーパーがあり遅い時間に出かけると、値下げシールが貼られている品がチラホラあり、のんびりと物色する。癒しの時間だ。

センチメンタルジャーニー

ご褒美だなと、お寿司をまずカゴに入れた。「200円引きはうれしいな」と、ここでは心の独り言だ。

赤坂で人生レベルの影響を受けた寿司屋と親父さんがいたことを思い出す。「握り飯の刺身乗せを、寿司とは言わんのですよ」と、スーパーの寿司のことを指して言っていた。しゃりとネタが仲良く握り込まれたものが寿司なんだと。親父さんの握りは見事だった。コロナで店をたたんでしまったが、ことあるごとに思い出す親父さんに『還暦維新』が出来上がったら連絡を入れよう。なんて、ちょっぴりセンチメンタルジャーニーになってしまうのは、あまりにも激務の日々が続いているから。そして、この握り飯の刺身乗せを買ってしまった自分を、親父さんに詫びている。

現代社会は子供たちをどう育てる?

次にターゲットしたのが、110円引きの焼き鯖だ。ぬぁんと、今時は骨が外されているのだ。すごくラクだが、これは教育上よくないなと考え込んでしまう昭和のクソ親父である。骨とかワタで、命の享受を感じるのだ。ガキの頃、めんどくさい思いをしながらも飯をかっこむために努力した自分の方が幸福だと思ってしまう。現代社会は、将来の若者をどんなふうに育てていくのか? なんてことを考えてしまう。これも〆切現場にいて、脳が激務を続けている反作用だ。いとおかし。

「仕上げに野菜、ヤサイ」と心でつぶやく。「なんだよ、30円かよ」と続く。200円と110円の値引きの恩恵のせいで小さく感じてしまう人間とは、なんと愚かな生き物よ。いや、それは違う。「北村とはなんとちっぽけな生き物よ」に訂正だ。30円も引いてくれている。

おっかさん、ありがとう

のんびりと物色が終わり、20時半過ぎに「いただきます」と、またも堂々と独り言だ。そして、心で文句をつけたブロッコリーと鶏のバシル和えに「うんめー」と続けた。夜更の晩飯には少々食い過ぎの感があるが、日付けが変わってもまだまだ作業を続けるつもりだからよしとしよう。

心より喜びなのは、こんな暮らしができる自分でいることだ。おっかさん、頑丈に産んでくれてありがとう。

いちいち大袈裟に心が動くのは、大好きな雑誌を作れているからだろう。そしてこのステージに引き上げてくれたのは、どん底の、そのまたどん底にいた自分を助けてくれた友、先輩方の深い愛による。今できる恩返しは、いい1冊にすることに尽きる。終わったらあいつやあいつ、そしてあんな方と呑みに繰り出そう。その日がイメージできるから、どこまでも頑張れるのさっ!!

いいなと思ったら応援しよう!