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ヨーロッパ周遊♪⑥グルノーブルの太っ腹

 グルノーブルがすごいのは、なんと美術館がタダなところ。旅行会社のネット記事を読んで興味をそそられたのも、この街を選んだ理由の一つだ。しかも、無名のローカル画家の絵とかでなく、世界的に有名な画家たちの絵がずらり。

ピカソの絵。


初期のピカソかと思ったら、割と後期の絵

 これらピカソ以外にも、シャガールやモディリアーニ、モネなどが、イゼール川越しの緑と自然光をさり気なく取り入れた広々した空間に並んでいる。

ルノワール

 常設だけでなく、20世紀のブラジル人画家の特設展も開催中。一見マンガチックで緻密な筆使いに惹き込まれる。

最初は写真禁止と思ってたので絵の写真はない

  タダだからというわけでもないだろうが、中学生たちがぞろぞろとやって来て、引率の先生の説明に耳ん傾けながらメモを取っていた。
 ローティーンは、背がひょろ長かったり鼻や目が大き過ぎたり、どこかちぐはぐした風貌をしている。あと数年すると、アンバランスだった成長過程の足並みが揃って、トム・クルーズみたいになるかなぁ。行きの機内で観たミッション・インポシブルを思い出す。

 次に訪れたのは、ネクロポリスのあるサン・ローラン教会の考古学博物館。3・4世紀頃から埋葬地だったところに、教会が何層も覆い被さり、建物がつぎ足されて行ったという。
 ここもタダだが、ちゃんと英語の音声ガイド端末を貸してくれる。
 崩れそうな壁面をまたぐガラスの渡り廊下から中に入ると、いきなり圧巻。

ロマネスクの祭壇の床下に広がるネクロポリス
本物…?

 1000年以上前に生きていた人たちが、今、骨だけになって目の前に横たわっている。
 不思議に、恐れも畏れも違和感もない。大英博物館に居並ぶエジプトのミイラに対面したときは、ものすごい嫌悪感に襲われて足早にそのコーナーを通り抜けたというのに。
 もしかすると、死者が、居るべき場所にちゃんと居るかどうか、の違いかもしれない。この教会に葬られているのは、ここグルノーブルで生まれ育ち、あるいは僧侶として赴任してきて、この地で看取られた人たち。エジプトから無理やりロンドンに連れて来られたミイラとは違う。故郷で安らかに眠る人からは、きっと負のオーラは発せらないのだ。

 それにしても、オープンエアに眠る人たちの上に、洗濯物!?と思ったら、現代アーティストによるインスタレーションの特別展。そういえば教会の外壁の洗濯物の万国旗も、それだったのか。

近所の住人の洗濯物かと思った😅

 無料博物館3つめは、スタンダールの生家。図らずも「LBSでのメランコリー」に登場してもらった作家が、この地で生まれ育ったとは知らなかった。こういう偶然は、なんだか嬉しい。
 彼の生まれた1783年(より前)から今も現役のフラットだから、入口も小さい。

商店街の一角、見過ごしてしまいそう

 7歳で母を亡くし、ここで祖父母に育てられた。教育熱心な祖父の方針で同世代の子供と遊ぶのはもちろん外に出ることもあまり許されず、バルコニーからヴィル公園を眺めていたそうだ。

バルコニーの植栽が、自然との触れ合いの場
勉強部屋。左手の書棚は当時の蔵書を再現

 16歳でグルノーブルを離れてパリの学校に入学して以来、イタリアやパリを渡り歩き、58歳で亡くなるまで再びこの地に住むことはなかったという。
 室内に置かれた著書はフランス語だが、Googleのおかげでどうにか読める。1801年、18歳。「忘却の水」を必要としない幸せな時代だ。


 

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