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メディアが報じない「東洋のデトロイト終焉」の真実。日本は“タイ化”しているのか?

こんにちは。謎解きのキキです。
このnoteでは、最新ニュースなどを私なりの視点でわかりやすく内容を紐解くことができます。

今回のフューチャーする内容

以下のニュースを見ました。

タイは東洋のデトロイトと言われていたのですね。知らなかったです。

デトロイトとは、アメリカのミシガン州南東部にある、自動車産業で世界的に有名な工業都市です。「モーター・シティ」の異名をもち、ビッグスリー(GM、フォード、クライスラー)の本社が集まる「自動車の街」として発展しました。

バーツ高で、輸出での車が売れなくなっているというので。
バーツ高に負けない経済をつくるためには、高付加価値化が欠かせないですがそれができないというのです。

そこで、経済ジャーナリストのおっちゃんに聞いてみたんです。
まずは、その入り口の「EVよりハイブリッドの方が売れてますよね?」と
じゃあ、そんな表面的な話をするなと。話を進めると、タイの話がそのまま日本にブーメランのごとく返ってきました。

今回はいつもより少し話が長いのと、技術寄りとなっております。



第1章:ハイブリッドの勝利?メディアが報じない「本当の主戦場」

キキ:
おっちゃん、最近のニュース見てると「EVは失速気味、やっぱりトヨタのハイブリッド戦略が正解やった」みたいな論調が多いですね。結局、ガソリン車とEVの戦いは、日本の粘り勝ちってことでいいんですよね?


おっちゃん:
あかんなぁ、キキ。その「EVかハイブリッドか」っちゅう土俵の乗り方自体が、すでにメディアの予定調和にハマっとるで。そこを見誤ったら、日本の本当の危機は見えへん。


キキ:
え? どういうことですか? 実際、欧米でもEVの販売は伸び悩んでますよね?


おっちゃん:
パワートレイン(駆動系)がガソリンか電気か、なんてのは表面的な話や。ほんまの主戦場はそこやない。「SDV(ソフトウェア・ディファインド・ビークル)」や。車が “タイヤのついた巨大なスマホ” になっとるんやで。

今の車の価値を決める方程式は、もう昔とはちゃう。これや👇

SDVの競争力 = 統合ECUの処理能力 × OTA(無線)による機能拡張性


キキ:
統合ECU……つまり、部品ごとに小さなコンピューターを分散させるんじゃなくて、車全体を一つの巨大な頭脳で制御するってことですか?


おっちゃん:
せや! 電気系統の回路設計の根本からゲームのルールが変わっとるんや。中国勢が恐ろしいのは、買った後もソフトウェアのアップデートで性能が上がり続ける仕組みを作っとることや。日本が遅れとるのは電池やない。「ソフトウェアアーキテクチャの根本的な再設計」なんやで。ハイブリッドが売れてる間にこの「頭脳の転換」ができんかったら、結局は下請けに転落する。


第2章:中韓の「賢い国家戦略」という大いなる錯覚

キキ:
下請けへの転落……。あ、ちょっと待ってください。それって、今回のニュースの舞台になってる「タイ」が、ガソリン車で辿った道そのものじゃないですか? なんでタイは自分たちで設計や技術を開発できず、日本の組み立て工場(下請け)のまま終わってしまったんですか?


おっちゃん:
ええ勘してるな。日本企業がコスト最適化のために「生産・組み立て」だけをタイに渡して、コアになる「設計や知財」は日本本社にガッチリ抱え込んだからや。当時の日本の合理的な判断やった。でもな、同じように外資の工場を受け入れたのに、タイと違って自国ブランドを立ち上げて世界に攻め込んできた国があるやろ。


キキ:
あ! 中国と韓国ですね。なるほど、そこで違いが出たのか……。ってことは、中国や韓国は最初から技術を抱え込まれることを見越して、外資に技術移転を強要するような「したたかな長期戦略」を描いてたってことですよね。タイと違って、国としての視座が高かったというか。


おっちゃん:
キキ、それは結果から逆算した「美しい勘違い」や。中国が長期目線で緻密な国家戦略を描いてEVで世界を獲った? アホ言え。あれは「血みどろの過剰投資と淘汰」の焼け野原や。


キキ:
焼け野原? でも、BYDとかめっちゃ安くてええ車作って、タイとか海外に進出しまくってますからね。


おっちゃん:
それはな、「国内市場が過剰生産で飽和して、外にダンピングしてでも売らんと自社が即死するから」や。国が莫大な補助金をばら撒いて、無数のメーカーが乱立して、今、凄まじい価格競争でバタバタ倒産しとる。


キキ:
えっ……じゃあ、緻密な世界戦略じゃなくて、背に腹は代えられない生存競争の結果ってことですか?


おっちゃん:
その通りや。「賢い長期戦略」やのうて、「国策で巨大なバブルを起こして、生き残った数社に世界を獲らせる力技」なんや。それを「中国は先見の明がある」なんて綺麗事で片付けたら、相手の本当の恐ろしさを見誤るで。


第3章:タイが「下請け」に甘んじた残酷な理由

キキ:
そう言われると、見方が全然変わってきますね……。でも、じゃあタイはどうして組み立て工場から抜け出せなかったんですか? 日本がコア技術を出さなかったからですか? それともタイの政策が甘かったからですか?


おっちゃん:
両方言われとるけど、根本的なボトルネックはそこやない。「受け入れるだけの理系・エンジニア層の圧倒的な不足」や。


キキ:
エンジニアの不足?


おっちゃん:
図面や設計図を渡したってな、それを読み解いて、リバースエンジニアリングして、自分らで次の回路図やモックアップを引ける人間がおらんと技術は根付かんのや。技術移転っちゅうのは「教える側」だけやのうて「吸収できる土壌」がいる。


キキ:
あ……。いくら国が「技術を移転しろ」って強要したくても、そもそも高度な数学や電気・機械工学を修めた人材の絶対数が足りてなかったってことですか?


おっちゃん:
 
せや。だから結果的に「組み立てのオペレーター」に留まらざるを得んかった。これはタイにとっては残酷な現実や。でもな、キキ。これは今の日本にも跳ね返ってくるブーメランやで。ソフトウェア人材が枯渇しとる日本は、SDVの時代に「かつてのタイ」と同じ立場にならんと言い切れるか?


第4章:「日本は改良型」という自己欺瞞の呪い

キキ:
うわ……それは背筋が寒くなりますね。でも、日本には「モノづくり」の底力がありますよね?現場のカイゼンで、とにかく壊れない、高品質なハードウェアを作り続ければ、「改良」に強い日本として生き残る道はあるんじゃないですか?


おっちゃん:
キキ、それが一番心地よくて、一番危険な「呪いの言葉」や。


キキ:
呪い……?


おっちゃん:
ガラケーを思い出してみい。着信音を増やして、カメラの画素数を上げて、一生懸命「改良」したやろ。でも、iPhoneっていう「プラットフォーム」の前に全部吹き飛んだ。

 

キキ:
あ……。ルールそのものが変わる時に、古いルールの中でいくら「改良」しても意味がないってことですか。


おっちゃん:
その通りや。「日本は改良型やからハードで勝負する」って自己定義することは、自ら「低利益な下請けの部品屋になります」って宣言しとるのと同じや。本当に生き残る気があるなら、その「改良型の成功体験」を自分の手で焼き払わなあかん。それができるかどうかが、日本の自動車産業の、いや日本という国の本当の分水嶺や。


第5章:技術の土壌の正体。「快適な檻」が奪った牙

キキ:
おっちゃん、さっきの話で「タイには技術を吸収するエンジニアの絶対数が足りなかった」って言ってましたよね。でも、それなら国を挙げて理系の大学をバンバン作って、奨学金を出して人材を育てればよかったんじゃないですか? なぜその「土壌」を作れなかったんですか?


おっちゃん:
キキ、それは「学校さえ作れば技術者が育つ」っちゅう、典型的な優等生の勘違いや。技術が根付く土壌っちゅうのは、教科書の知識だけやない。人間の「欲望」と「社会の構造」がセットにならんとアカンねん。

土壌を作る方程式はな

技術の土壌 =
基礎理数教育 × 優秀な層の工学志向 × 自腹を切る(血を流す)経験 


キキ:
「優秀な層の工学志向」と「血を流す経験」……? どういうことですか?


おっちゃん:
まずな、タイをはじめとする多くの新興国で、一番頭のええエリート層はどこに就職すると思う?


キキ:
国の発展を支えるために、メーカーとかエンジニア……ですかね?


おっちゃん:
ちゃう。銀行、不動産、官僚、あるいは財閥の商売(トレード)や。なんでか分かるか? その方が圧倒的に「手っ取り早く、綺麗に儲かる」からや。モノづくりっちゅうのは泥臭い。工場は油まみれやし、開発には何年もかかるし、失敗のリスクもデカい。わざわざ一番優秀な連中が、しんどいエンジニアになりたがらんのや。


キキ:
あ……。確かに、韓国はサムスン、中国はファーウェイやBYDみたいに、トップ・オブ・トップの理系エリートがゴリゴリのメーカーに行きますよね。


おっちゃん:
せや。日中韓は「モノづくりに一番優秀な頭脳を突っ込む」っちゅう社会的なコンセンサスと、そこで勝てば巨万の富を得られる構造があった。タイはそこが弱かったんや。 それに加えて、もう一つ残酷な理由がある。これが「血を流す経験」の話や。


キキ:
血を流すって、具体的に何をするんですか?


おっちゃん:
「リバースエンジニアリング(分解して模倣すること)」や。 中国も韓国も、最初は日本のエンジンや部品を買ってきて、バラバラに分解した。でもな、元に戻しても絶対に動かんのや。そこで何億、何十億って自腹を切って大赤字を出しながら、何百回も失敗して、泥水をすすってやっと「自分らの技術」にするんや。これが血を流すっちゅうことや。


キキ:
なるほど……。でもタイはそれをやらなかった?


おっちゃん:
やらんかった、というより「やる必要がなかった」んや。だってな、日本の自動車メーカーの下請けとして、言われた通りの図面で組み立てていれば、確実に儲かったんやから。日系企業の工場で働くのは、タイでは給料も良くてステータスも高い「超・安定企業」や。


キキ:
あっ……! つまり、日本企業が優しくて、確実に儲かる仕事を与えてくれたからこそ、リスクを取って自分たちで泥水をすする理由がなくなってしまった……?


おっちゃん:
その通りや。これを「快適な檻(おり)」っちゅうねん。 下手に独立して自国のブランドを作ろうとして倒産するより、トヨタやホンダの優秀なパートナーでいる方が、社員も家族もみんな幸せになれる。合理的やろ? でもな、その合理的な選択を何十年も続けた結果、気がついたら「ゼロからシステムを設計する牙」が完全に抜かれてしもうたんや。


キキ:
……おっちゃん、それ、なんだか聞いてて怖くなってきました。だってそれって……今の日本も同じじゃないですか?


おっちゃん:
……お、やっと気づいたか。キキ、そこや。


キキ:
今の日本の優秀な学生って、みんな外資系のコンサルとか金融に行きたがりますよね。泥臭いソフトウェア開発には行きたがらない。 それに、ITやソフトウェアの世界では、日本企業はアメリカのGAFAMが作ったクラウドやシステムを「安全で便利だから」ってそのまま買って使ってますよね。自分たちで血を流してプラットフォームを作ろうとせずに……。


おっちゃん:
せや。今の日本は、GAFAMっていう巨大な親会社の下で、言われた通りにシステムを導入して手数料を稼ぐ「IT時代の下請け工場」になっとる。 「タイは技術を吸収できなかった」と上から目線で語る日本人が多いけどな、ソフトウェアやAIの世界で見たら、今の日本は完全に「かつてのタイ」と同じ道を歩んどるんや。


キキ:
……タイの自動車産業の話だと思って聞いてたら、最後は自分たちの首に刃が突きつけられてる気分です。私たちが「快適な檻」の中でスマホをいじって喜んでる間に、根幹の技術力はどんどん奪われてるんですね。


おっちゃん:
背筋が凍るやろ。歴史は繰り返すんや。 「土壌」っちゅうのは、快適な場所には育たん。厳しい風が吹いて、自分の手で種を蒔いて、失敗して血を流した土地にしか、本物の技術は根付かんのやで。


終わりに

いかがでしたでしょうか?

タイのニュースだからと高をくくってましたが、それがブーメランのように自分のところ(日本)に帰ってきました。タイで日本の技術で言われた通りに車を作っていたら儲かっていたので、そのまま続けていたらバーツ高の影響で輸出で車が売れなくなり、中国からの安いEVにやられた。
それを打開するためには高付加価値の車を作らないといけないがその技術力がない。

日本もAI・クラウドとなると米国企業のサービスを使っています。
AIならChatGPT、Gemini、Claude
クラウドならAWS、Azure、Google Cloud

日本は改良型が得意だから、AIに後れを取っていても、それを改良していけば勝ち筋があるという話も聞きます。
かつて車はアメリカで生み出されましたが、その改良を続けて今のトヨタの地位があるように。
ほんとにそうなのでしょうか?そのポジションを日本がまだとれるのでしょうか?それとも、中国・韓国などが先に取ってしまうのでしょうか?

私たちはもう一度、自ら泥水をすすり、血を流して「新しい技術の土壌」を開墾する覚悟を持てるのでしょうか。

最後まで読んでいただきありがとうございました。

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