見出し画像

働かないおじさん問題を考える!    第2作品:『働かないおじさんの正体!』【第2章】

――誰が彼らをそうさせた? そして、自分は大丈夫か?――
【第2章】「会社が生み出す“飼い殺し”システム」

1)序論 成果主義の末路と年功序列のゾンビ化
「成果主義」と「年功序列」。
一見すると正反対の制度ですが、多くの企業では今でもこの二つが混在しています。
若い頃は成果を求められ、年齢を重ねると勤続年数によって待遇が維持される。

その仕組みは、高度経済成長期にはうまく機能していたのかもしれません。
しかし、時代は大きく変わりました。成果を重視すると言いながら、給与や
人事制度には年功的な要素が残り、役割と待遇のバランスが崩れてしまう場面も少なくありません。その結果、「仕事は減ったのに給与は高い人」「経験は豊富なのに活躍の場がない人」が生まれてしまいます。
「働かないおじさん」は、本人だけの問題ではなく、こうした制度の歪みの
中から生まれてきた存在なのかもしれません。

2)本論 「役職定年」「ジョブレス」「謎の担当」実態調査
多くの企業では、五十代後半になると役職定年や再雇用制度が始まります。
それまで管理職として組織を率いていた人が、ある日突然、肩書を失うことになります。
もちろん、世代交代は必要です。しかし、その後の役割が十分に用意されて
いるとは限りません。「○○担当」という肩書だけが与えられ、実際には担当する仕事がほとんどない。あるいは、毎日出社しても明確な役割がなく、自分から仕事を探さなければ時間だけが過ぎていく。こうした状況は、決して珍しい話ではありません。

本人も戸惑います。会社も扱いに困ります。そして周囲は、「あの人は何もしていない」と映ります。しかし実際には、「仕事をしない」のではなく、「仕事を任せられない」「任せる仕組みがない」という現実も少なくないのです。
長年会社に貢献してきた人材が、その経験を十分に生かせないまま時間を
過ごしてしまうとすれば、それは個人だけではなく組織にとっても大きな損失と言えるでしょう。

3)結論 「働かないおじさん」は、組織の不作為の副産物
「働かないおじさん」という言葉を聞くと、本人のやる気や能力ばかりに目が向きがちです。しかし、その背景を見渡してみると、会社の制度や人材活用のあり方にも原因があることが分かります。
経験豊富な社員に新たな役割を与えず、若手との橋渡し役としても活用しない。

その結果、本人も居場所を失い、周囲からは「何もしていない人」と見られてしまう。
このような状態は、本人にとっても会社にとっても決して望ましいものではありません。
もちろん、変化に対応する努力は個人にも求められます。
しかし、組織にも「経験を生かす仕組み」をつくる責任があります。
「働かないおじさん」は、決して一人で誕生したわけではありません。
組織の制度や運営の積み重ねが生み出した、一つの副産物とも言えます。
そのことを理解して初めて、この問題の本当の解決策が見えてくるのではないでしょうか。

飼い殺し:組織にその相手を受け入れても、相手にしないでそれに見合った
扱いをしないこと。
クビや解雇こそしないものの、働かせたり起用したりしないことである。
能力的には優秀で解雇などをしたら対外的にその組織や集団の評価が
下がってしまうものの、組織や集団内で快く思われない人物がそうされることが多い。

いいなと思ったら応援しよう!