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本雑綱目 28 岡山県高等学校教育研究会社会科部会歴史分化会 全国歴史散歩シリーズ 33 岡山県の歴史散歩

 これは乱数メーカーを用いて手元にある約4000冊の本から1冊を選んで読んでみる、ついでに小説に使えるかとか考えてみようという雑な企画です。

今回は岡山県高等学校教育研究会社会科部会歴史分化会著『全国歴史散歩シリーズ 33 岡山県の歴史散歩』です。長い。
山川出版の978-4634243309。
NDC分類では歴史>日本に分類しています。
1976年の旧版の方で、1991年に新しいVerが出ている。

1.読前印象
 このシリーズは山川出版が各県の高校教育機関に依頼をして県史をまとめたもの。山川出版は他にも県史シリーズを出しているけど、この散歩シリーズの著者が高校教育機関というところからもわかりやすさを重視している気はする。
 岡山の歴史といってもあんまり知らないんだ。吉備の国で古墳があって吉備真備や和気清麻呂の出生地で、戦国時代の備中高松城の水攻め前後の動きのほかは近代以降の閑谷学校くらいかもしれない。日本史は選択してないから、小説で書いた範囲の極小的な知識しかもっていない歪さ。
 はりきって開いてみよう~。

2.目次と前書きチェック
 目次を見ると、最初に『岡山県のあゆみ』とあるほかは地域ごとにまとめられているようだ。まあ歴史散歩だし。大きな章立てでは『城下町岡山とその周辺』『備前の道』『倉敷とその周辺』『吉備路』『備中の道』『美作の道』と続く。道の名前で章を立てているところからも、本当に散歩が意識されているようだ。とはいっても小見出しに続く地名にピンとくるほど、岡山に詳しくはない。
 備前の道から『牛窓往来と千町平野』、吉備路から『吉備津神社とその周辺』を読んでみることにします。すごい昔に行ったことがあるので。

3.中身
『牛窓往来と千町平野』について。
 最初の弘法寺から知らないお寺なのだけど、地理感がわからないなりに地域の性質や明治期の様子などがするすると頭に浮かぶ。地図を眺めながら読むとすごく面白いかもしれない。そして地理に詳しくないののが残念なほど、散歩の途中に語られる小さな歴史が色鮮やかだ。これ読みながら散歩したい。
『吉備津神社とその周辺』について。
 吉備津神社の様子から始まり、その次にくるのが備中高松城址。目次で高松城趾が見つからなくて嘘だろと思いつつ場所はこのへんだろうかと思ってこの項を読むことにして正解だった。本当に城趾しか残ってなくて実態は田んぼみたいな場所(つまりバエはいまいち)なのは知ってたけどさ、ここは小タイトルにいれるべき場所ではないかと思ったんだれど、確か高松城趾の水位のシミュレートとか発掘研究が本格化したのは2000年代くらいでこの本ができたあとだったような気がするし、全体に対する重要性は推し量れないような気はしてきた。
 基本的に現代(ただし60年代なので、特に都市部は現代と景観が大きくずれると思う)の道を歩きながら歴史に思い馳せるという構成で、土地を中心として所々の歴史をコラム的に展開するという自由さは、陳舜臣の中国の歴史を思わせる。これだけたくさんの小さな歴史を紹介しているのにそれらの配分が絶妙な感じなので、よほど取捨選択に心を砕いた本なんだろうなあと思う。
 残念なのはその道程が思い浮かぶほど岡山またはその歴史に詳しくなければこの本の面白さというかピンと来る感が味わえなさそう、と思うほどにはローカルなネタであることだ。取り上げられている歴史が有名なものであったとしても、そのためだけに読むには起点がちょっとローカルすぎるの。
 なのでその分、岡山の地域の話を書くのなら、是非呼んでおくべき本だと思う。こういう細かいネタを混ぜると話に深みがでるんだよね。スピンオフで和気清麻呂書きたいんだよな・・・。

4.結び
 この本は何より読みやすい。そして歴史の本ではなく散歩の本である。けれどもエッセイや旅行記でもないという不思議な本だ。結構好きだけど、目的がないと改めて読む本でも無いような気がする、自由研究とかさ。好きなんだけど。
 次回は村上泰亮著『文明の多系史観 世界史再解釈の試み』です。
 ではまた明日! 多分!

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